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「最小価値について」/とある製品のデザイナー&リサーチャー小話 in Cybozu

こんにちは。CybozuGaroonという製品を担当しているデザイン&リサーチチームです。今の自分達のチームにあったサイズ感で定期的に情報発信できないか考え、サクッと読める「小話」という感じで投稿しています🙂

登場人物
河内山:デザイナー歴10年+/担当製品Garoon
Nia:デザイナー歴3年+/担当製品Garoon
白石:リサーチャー歴10年+/担当製品Garoon

河内山:
今回のテーマは「最小価値」についてですね。近年、社内の開発チームではアジャイルやスクラムが主流になってきて、提供する最小価値やMVP (Minimum Viable Product)という言葉も飛び交うようになってきました。用語の概念とか整理の話は長くなるのでひとまず置いておいて、今日は製品の1リリースの要件で提供する最小価値をイメージして話したいと思っています。よろしくお願いします。
社内のデザイナー内でもデザインにかける適切な時間について最近意見交換したのですが、デザインプロト作成時にどこまでのユースケースを考慮するかで作業時間も変わりますし、まさに最小価値という部分につながると思ってます。
まず、最小価値というワードについてNiaちゃんと白石さんに所感を聞きたいのですが、どうでしょうか?

Nia:
最小価値という考え方は個人的にすごく大事だなと思っています。プロダクトや制作物に対して、最初から完璧にしよう、全て完成させてからリリースしようという考え方もあると思います。ですが、大きなものを分割して、少しでも価値提供に繋がるものからリリースして、そこからブラッシュアップしていく方が、効率的に良いプロダクトに作り上げていくことができると思います。

河内山:
そうですね。サイボウズでも最近は大きい新機能をドーンって1回アップデートでリリースするのは減ってきて、Niaちゃんも言った通り、「分割」っていうプロセスが価値提供の大事なポイントになっていますね。白石さんはどうですか?

白石:
チームで、最小価値ってなんだろう?とディスカッションをすることが多くなりましたし、それぞれが意識するようになりましたよね。ただ、目の前の価値だけを考えていても多分良くなくて、大きな価値の塊があって、そこからどう切り出して行くのかがポイントになってくると思うんですが、そこがなかなか難しいなって思います。

河内山:
大きい価値の塊があって、それを切り出したりするのは、基本的に開発PMがやっていると思うのですが、この辺りのリサーチャーやデザイナーのコミット具合についてどう思います?

白石:
難しい質問ですね。最近のプロジェクトでは、リサーチャーやデザイナーでというよりも、チーム全体で、開発開始前にリサーチを行って、ペルソナ、ジャーニーマップ、新機能の種出し、ユーザーストーリーマップ作りまでコミットできたことがとてもよかったと思っています。確かに日々のPBI化はPM主体で行われていますが、その背景知識をみんなが持ったからこそ、大きな塊の話もできるし、PBI検討時にポジティブなディスカッションもできているんじゃないかな、と思っています。リサーチャーの役割としては、強い気持ちでチームメンバーにリサーチ活動に参加してもらうように働きかける!といったところもありました。

Nia:
現在進めているモバイルアプリも、アプリ自体は1つですが、その中でフェーズやテーマごとに大きく分割することで、1つの内容にフォーカスすることができ、効率よく、効果的に進められると感じています。一気にたくさんのことを進めるよりもテーマやフェーズを絞ることで、質の良いリサーチやデザインができ、最小価値だとしても、質の良い最小価値の提供に繋がるのではないかなと思います。

河内山:
ここまでノープランで話して、「分割」というワードが際立ってきたのが興味深いですね。
他で浮かんだこととしては、「最小価値」に対して「最大限の考慮」でしょうか。コーナーケースまで網羅していろいろ考慮されたものを提案するというのは、デザイナーにとって重要ではあると思うのですが、細かい配慮による価値提供が開発コストに見合っているかというと懐疑的な部分もあります。冒頭で触れた、適切なデザイン作業時間もこのあたりの話ですね。
たくさん検討に時間を費やしてなくなく見送った配慮に対して、リリース後にネガティブフィードバックが全然ないことも多々あります。。。なので、本当に最小価値を見極めてリリースするっていうのはとても大事なポイントだと実感してます。
ただ、「最大限の考慮」を研磨して「最小価値」になるイメージもあるので、どちらの視点も大事なのかなと思ってます。僕の最近の大きな関心ごとでもあります。

Nia:
最小価値って言われるとつい難しく考えてしまうかもしれませんが、完成させないと価値が提供できないっていうふうに考えるのではなくて、1つでも機能をリリースすることで価値が提供できるという考え方があると思います。最小価値の提供にフォーカスすることで、細かく物事を見られるようになるので、ユースケースや懸念ポイントが明確になりますよね。最小価値の提供は、ユーザーさんだけではなく、作る側にとってもメリットがある考え方、進め方だなと思います。

白石:
最小価値を考える上で、特にやって良かったなと思っているのが、モバイルプロジェクトの立ち上げ時にプライマリーペルソナを作ったことです。お客様が誰なのかが分からなければ、最小価値のディスカッションも難しくなりますよね。

河内山:
モバイルはプライマリーペルソナがしっかり定義されているので、最小価値の議論がスムーズですよね!
なんか今回はデザイナーとリサーチャーで、それぞれの立場を活かした話がいつもにも増してできたのでは!と思いました。今年のラストの小話にぴったりですね。

一同:
1年間お疲れ様でした。
来年もよろしくお願いします🎄

(終)

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