はじめに Notesを始めた理由
まず初めに、Notesで情報発信しようと思った理由についてお話します。
情報発信のテーマは、「プロジェクトマネジメント」です。
一言で申し上げるならば、「多くのプロジェクトマネージャーが苦しんでいる光景を見てきた中で、少しでも力になりたい」と思ったことが理由です。
1. プロジェクトマネジメントとは?
インターネットで、
「プロジェクトマネジメントとは」
と検索すると、どのような内容が述べられているのでしょうか。
実際に検索すると、下記のような内容が出てきました。
まとめると、成果物の提供のために、QCDを中心として綿密に計画を立て、実行段階で進捗などをマネジメントしていくこと、といったようなニュアンスが大半を占めています。
反対に、プロジェクトの失敗の原因を調べていくと、
などなど、プロジェクトマネージャーを経験した方々であれば、一度は経験したであろう内容が出てきます。
これはこれで、決して間違いであると言いたいわけではありません。数年前までは一般的な考え方でしたし、今でも充分に活用できるプロジェクトも存在します。
2. 新しいプロジェクトマネジメント
このような背景には、プロジェクトマネジメントの教科書、特に国際的なプロジェクトマネジメントのスタンダードとも言える、PMBOKの影響を受けたことが大きいと考えられます。
実際にPMBOKの第6版、2021年までのバージョンには、上記のようなQCDの管理を中心とした成果物の提供が中心でした。また、それを支えるツールやプロセスなどが記載され、それらがプロジェクトマネジメントの世界的な標準、言い換えれば、教科書でもあったのです。
ところが、2021年以降、PMBOKは第7版にアップデートされています。
第7版は、第6版とは根本から内容が異なっています。プロジェクトの目的が「成果物の提供」から、「価値の提供」と変更されました。
また、PMBOKにおいて「価値はプロジェクト成功の究極の指標である」とも書かれています。
また、「価値」はステークホルダーによって異なるとの記載もあり、価値の提供に向けては、一辺倒の方法論ではなく、「原理・原則」に基づいて、柔軟に対応する必要がある旨が触れられています。
つまり、一言で申し上げると、今の世の中に出回っている情報の多くが、最新の教科書ではない、古い教科書に基づいたものなのです。
もちろん、全てのプロジェクトで、新しい教科書の内容を使わないといけない、と言うつもりはありません。
3. 私が発信する理由
私がプロジェクトマネジメントについて発信する理由の1つに、
「世の中の多くのプロジェクトが成功して欲しい、それを支えるPMに貢献したい」
というものがあります。
PMBOK第6版の情報は、既に広く出回っていますが、第7版について、概要や第6版からの変化点を示した情報は存在すれど、実例を交えた内容や、具体的な内容について参考になる情報は、まだまだ少ないのだと感じています。
このため、私は、第7版の内容を実例を交えて解説することで、世の中のプロジェクトマネジメントに関わる皆さまに、新しい考え方や気づきを提供できないかと考えています。
より具体的には、下記のような内容です。
それに、プロジェクトが成功するようになれば、読者の皆さまの業績面でプラスになりますし、皆様が所属する会社や組織においても、大いに利益をもたらすことができるでしょう。
また、壊滅的なプロジェクトによる過労やメンタルの不調、顧客や社内でのリレーションの崩壊など、ネガティブな要因を防ぐことができるかもしれません。
PMBOKの第7版は、先に述べた通り、一片等のやり方を示しているものではありません。
直面する状況に応じて、柔軟に対応し、各ステークホルダーの価値の実現に向けて、取り組んでいかなければなりません。
また、実際にPMBOK第7版を読まれた方は気づくかもしれませんが、考え方がわかったところで、具体的にどのように落とし込めば良いのか悩む、迷う、分からない、といった方も多いのではないでしょうか。
そのような方々向けにも、本記事は、単にPMBOK第7版の解説にならないよう、筆者の経験した具体的な事例を中心に記載しています。
とはいえ、ある程度の知識がないと、どのような考え方に基づき事例に対応したのかが読み解けません。多少は教科書の解説も含む点、ご容赦下さい。