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はじめに Notesを始めた理由

まず初めに、Notesで情報発信しようと思った理由についてお話します。

情報発信のテーマは、「プロジェクトマネジメント」です。

一言で申し上げるならば、「多くのプロジェクトマネージャーが苦しんでいる光景を見てきた中で、少しでも力になりたい」と思ったことが理由です。


1. プロジェクトマネジメントとは?


インターネットで、

「プロジェクトマネジメントとは」

と検索すると、どのような内容が述べられているのでしょうか。
実際に検索すると、下記のような内容が出てきました。

・ 成功に導くために綿密に計画を立て、人的リソースや品質、コスト、スケジュールを管理すること
・ QCD(Quality : 品質、Cost : 費用、Delivery : 納期)を管理すること
・ 目的の達成のために必要な計画をたて、実行するプロセスを管理すること
・ 納期までの「成果物の完成」に向けて、スケジュールやタスクを逆算し、計画を立て、実行のために人材や費用、スケジュール、進捗などのさまざまな要素を総合的にマネジメントし、プロジェクトを進めていくこと

まとめると、成果物の提供のために、QCDを中心として綿密に計画を立て、実行段階で進捗などをマネジメントしていくこと、といったようなニュアンスが大半を占めています。

反対に、プロジェクトの失敗の原因を調べていくと、

・ 作業の見積もりが甘かった、網羅的に見積もりができなかった
・ 適切な進捗管理、スケジュール管理ができなかった
・ 要件が曖昧だった、プロジェクトの途中で成果物が変わった、スコープが増えた
・ 最初から無理な計画だと分かっていたが、それでもやらざるを得なかった
・ コミュニケーションが不足していた

などなど、プロジェクトマネージャーを経験した方々であれば、一度は経験したであろう内容が出てきます。

これはこれで、決して間違いであると言いたいわけではありません。数年前までは一般的な考え方でしたし、今でも充分に活用できるプロジェクトも存在します。

2. 新しいプロジェクトマネジメント

このような背景には、プロジェクトマネジメントの教科書、特に国際的なプロジェクトマネジメントのスタンダードとも言える、PMBOKの影響を受けたことが大きいと考えられます。

実際にPMBOKの第6版、2021年までのバージョンには、上記のようなQCDの管理を中心とした成果物の提供が中心でした。また、それを支えるツールやプロセスなどが記載され、それらがプロジェクトマネジメントの世界的な標準、言い換えれば、教科書でもあったのです。

ところが、2021年以降、PMBOKは第7版にアップデートされています。

第7版は、第6版とは根本から内容が異なっています。プロジェクトの目的が「成果物の提供」から、「価値の提供」と変更されました。
また、PMBOKにおいて「価値はプロジェクト成功の究極の指標である」とも書かれています。

また、「価値」はステークホルダーによって異なるとの記載もあり、価値の提供に向けては、一辺倒の方法論ではなく、「原理・原則」に基づいて、柔軟に対応する必要がある旨が触れられています。

つまり、一言で申し上げると、今の世の中に出回っている情報の多くが、最新の教科書ではない、古い教科書に基づいたものなのです。
もちろん、全てのプロジェクトで、新しい教科書の内容を使わないといけない、と言うつもりはありません。

3. 私が発信する理由


私がプロジェクトマネジメントについて発信する理由の1つに、

「世の中の多くのプロジェクトが成功して欲しい、それを支えるPMに貢献したい」


というものがあります。

PMBOK第6版の情報は、既に広く出回っていますが、第7版について、概要や第6版からの変化点を示した情報は存在すれど、実例を交えた内容や、具体的な内容について参考になる情報は、まだまだ少ないのだと感じています。

このため、私は、第7版の内容を実例を交えて解説することで、世の中のプロジェクトマネジメントに関わる皆さまに、新しい考え方や気づきを提供できないかと考えています。

より具体的には、下記のような内容です。

・ プロジェクト課題を打破するヒントが見つかる
・ PMとして "管理" 以外のスキルの幅を広げる
・ 他者の経験を元に "自分ではどうする?" と考えることで、シミュレーションができる
・ お客様や社内チームメンバー、他組織のメンバーと良好な関係を築くためのヒントが見つかる
・ PM育成の道具としてNotesを利用する

それに、プロジェクトが成功するようになれば、読者の皆さまの業績面でプラスになりますし、皆様が所属する会社や組織においても、大いに利益をもたらすことができるでしょう。

また、壊滅的なプロジェクトによる過労やメンタルの不調、顧客や社内でのリレーションの崩壊など、ネガティブな要因を防ぐことができるかもしれません。

PMBOKの第7版は、先に述べた通り、一片等のやり方を示しているものではありません。
直面する状況に応じて、柔軟に対応し、各ステークホルダーの価値の実現に向けて、取り組んでいかなければなりません。

また、実際にPMBOK第7版を読まれた方は気づくかもしれませんが、考え方がわかったところで、具体的にどのように落とし込めば良いのか悩む、迷う、分からない、といった方も多いのではないでしょうか。

そのような方々向けにも、本記事は、単にPMBOK第7版の解説にならないよう、筆者の経験した具体的な事例を中心に記載しています。

とはいえ、ある程度の知識がないと、どのような考え方に基づき事例に対応したのかが読み解けません。多少は教科書の解説も含む点、ご容赦下さい


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