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ベルリンのパリピ?【滞在記・ベルリン③】

美術館島

ベルリンには大きな美術館、博物館(ちなみにどちらもMuseumで、実は明確な区別はない)がいくつもあって、大体無料で入れる。
こんな大量の文化遺産をただで見放題というのは、お金を払ってぎゅうぎゅうになりながらあくせく鑑賞する我々と違ってずいぶん恵まれているなと思う。

美術館博物館が密集しているエリアが島になっていて、ベルリンに行くなら誰もが1度は訪れるような場所だろう。何度か足を運んだが、美術館島自体が観光地だし、外にいるだけで楽しい。

そして展示物の底が尽きる感じがしないから、何度でも足を運べる。美術や歴史が好きな向きにはたまらない街だと思う。デートにも良いのではないだろうか。

👆これ多分9時半くらい。この周辺で飲んでてブラブラしてた

ポケモンGOとホロコースト、そしてサッカー

歴史に関して思い出すことが一つある。

当時ポケGOにハマっていた私は、街をうろつきながら昼夜問わずポケモンを探していた。特定のモニュメントを見つけることでアイテムが貰えたりと、現実世界とリンクしているのが特徴のゲームだ。などと言わずとも、多くの人がやっているだろうから説明は不要かもしれない。

その中で石畳の中の金色のタイルみたいなのがあって、しかもそれが街中いたるところにあるのだ。ググってみると、それはホロコーストのモニュメントであった。「つまづきの石」というこのタイルは、犠牲になったユダヤ人が住んでいた家の前に敷かれている。

👆AFP より引用

ドイツは第二次世界大戦以降、「めちゃめちゃ悪いことをした、今では反省している」ということを受け入れ続けてきた国である。そしてそれを忘れないようにということで、街の中にはホロコースト記念館などの文化施設が多くある。

ドイツ人の知り合いは、第二次世界大戦以降、国民意識がすごくナイーブになったと言っていた。そいつは戦後生まれだから、君は戦前のことを見てないだろうとツッコミを入れたかったが、まあ彼らなりの共通認識というものらしい。
自分たちの国はめちゃくちゃ悪いことをしでかしてしまった、という罪悪感があって、胸を張って自分たちの国を誇ることができなくなったのだと。そういう共同体意識みたいなのが危機にさらされて、愛国心というか、一体感みたいなのがなくなっていたのだと。

という文脈で彼はサッカーのことを話し始めた。ドイツと言えば、言わずとしれたサッカーの強豪国である。ワールドカップで何度も優勝している。長谷部選手が所属するブンデスリーガの名前を聞いたことのある人も多いだろう。有名な選手が数多く所属するリーグだ。
サッカーという文脈で自分たちの国を応援できるようになったことが、とても良いんだと言っていた。ポジティブな形で愛国心が持てるようになったと。わりとお祭り好きなのかもしれない。一丸となってなにかに向かうということに、喜びを見出すのだろう。

話半分で聞いていたが、どうも馬鹿にできない話だと思った。愛国心や敗戦云々は置いておくとして、実際にサッカーに興味を持つ人が多いのである。レストランやカフェ、場末の居酒屋みたいなところまで、飲食店には大型のテレビスクリーンがおいてある。これが日常生活にも影響してくる。

👆場末のバーガーショップ。バーガーも結構うまい。

当時欧州選手権がたまたまあっていたこともあり、飲食店は連日深夜まで観戦客で賑わっていた。とくにドイツが試合をする日はいつもより格段に人が多い。点が入れば歓声がわき、失点すれば悲鳴が聞こえる。試合に勝てば花火が打ちあがり、爆竹や笛の音が鳴り響く...街全体が、祝勝ムードになる。

負けた日は、翌日の治安が悪い。飲食店の前には瓶なのかグラスなのか、割れたガラスの破片が散乱していたり、パトカーのサイレンが頻繁に聞こえたり...パン屋のおじちゃん、カフェの店員さんの機嫌がめちゃくちゃ悪くなる。ここまで露骨に出るかってくらい、変わる。

多分これはドイツに限った話じゃないと思う。たとえば2018年のワールドカップ。フランスが優勝して、パリで暴動が起きたことは記憶に新しい。ヨーロッパはスペインポルトガルもそうだけど、サッカーが好きでサッカーの強い国が多い。生活とスポーツが、切っても切れないような関係になっているのかもしれない。

とにかく、サッカーを侮ってはならない。宗教や政治、もしかしたら戦争と同じくらいの扱いだと考えたほうがいい、と思った。

クラブ

お祭りといえば、ベルリンはクラブシーンが有名な場所だ。私はあまり興味がなかったが、それでもせっかくだしということで何度かクラブには行った。
無料で入れる日なんかは、観光客も含めて人がめちゃくちゃ多く、並んで入るのに2時間とかザラである。ネタになったからいいがもう2度と並ぶことはないのではないか...というくらい押し合いへし合いだった。

大体いい感じのクラブは東の方にある...とクラブ好きの知人は言っていた。最も有名なベルグハインも、東の方にある。皆がイメージするようないかにもみたいなクラブもあれば、中には野外で楽しめるクラブもあって、本当に様々なクラブがあった。ベルグハインは結局行けなかった。

シュプレー川の南側にクラブ街のようなところがあるが、まあ一言で言うとアングラ感が強い。もっというと大変ガラが悪い。その意味では、かなり刺激的なエリアだった。一人だとしんどいかもしれない。わりと麻薬を売っている売人がカジュアルに話しかけてくる。路地裏から手をこまねく人もいる。注意が必要。

でも不思議と魅力のあるとうか、何かがありそうな予感のようなものがあった。刺激的で、好きな人は好きなエリアだろう。

おわりに

そういえばクラブの話ばかりしていたが、ベルリンは先鋭的な音楽ばかりが有名なのではない。
ベルリンといえばベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。フィルハーモニーには、結局一度も行けなかった。行きたいコンサートは大体即完売してしまうし、気づいたときには終わっていた。これは次回に是非行きたい。

...もう少しだけつづくのじゃ。


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