見出し画像

事故にあった話

長かった一週間もようやく終わり
さぁ帰ろうとバイクに跨り数百メートル。
信号機のない交差点。
一旦停止側から車がこちらを見ていない!

ああ…買ったばかりのバイクが…相手の車が…

ヤバいと思ったわずか一瞬の間に、自分の身体の心配よりもそんな事が真っ先に思い浮かぶ。

そして
ドーン
と鈍い音と共にバイクは横転し、身体は宙を舞いボンネットに乗り上げる。
しかし、次の瞬間には何事もなかったかのように歩き出すのだから人間大したものだ。
アクション映画とか交通安全のスタントマンさながらだと我ながら感心する。

その一瞬の出来事が終わったかどうかもわからぬ間に人々は集まり

バイクに乗った男の子が車とぶつかって…
と、電話をかけてくれるおばちゃんに
大丈夫ですか?救急車呼びますか?
と、聞いてくれたお兄さん

あまりの出来事に僕は何故か妙に落ち着いていたが、きっと僕一人では何もできなかっただろう。
人が多いコンビニ前の交差点で運が良かったのか悪かったのか…

警察と救急車を待つ間
あれ…?手が動かない…呼吸が変に速い…
今まで経験したことのない症状に、内心とても焦っているはずなのにやけに落ち着いていた。

そうこうしているうちに警察が到着し事情聴取が始まる。

警察の事情聴取を受け程なくして救急車が到着する。
既に先程の症状はおさまっていたが、代わりに動けない程の全身の急激な痛みと共に無事病院へと運ばれることとなった

救急車に乗っている間も病院に着いてからも、帰りがけに買ったコンビニ限定のアイスのことが気になって仕方無かった。
だが、自分以外誰一人としてそんなことは知る由もなく滞りなく検査は進められた。
検査の結果、骨に異常はなく全身の打撲と診断された。
そして迎えに来た親と、溶けているであろうコンビニ限定のアイスと共に無事帰宅した。

それから一週間もの間
全身の痛みと薬の副作用に苦しむこととなったのはまた別の話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?