見出し画像

銭湯

深夜12時丁度、電車に飛び乗った。沢山の思い出を追い越しながら。
窓からの景色は黒々としている。それなのに何故か眩しくて暫くの間目を閉じる。

程なくして電車は目的の駅に到着した。
駅から少し歩いたところにある銭湯。
それが今回の目的地である。

元日深夜の銭湯は人がまばらで皆一言も発せず湯に浸かっている。
私は電気風呂に浸かる。ピリピリがなんとも心地よい。
そして私はそんな湯に浸かりながら、少ピリピリとした去年1年間を思い出す。後悔、反省、恥。泡のように現れては消えてゆく。

去年は知らない中国人とスペースで会話をしながら年越ししたっけな。暗い部屋でスマホを弄りながら。

社会人になってから年越しにしろクリスマスにしろ、自由の幅が増えた。
しかし、自由とは同時に寂しいものでもある。
気が付けば周りは結婚、出産、子育て。
自由を追い求めた結果、結婚も子育てもせずこんなところに自分独り。
温かい湯とピリピリと刺激する電気が心に沁みてゆく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?