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「A10TION」MVサムネイルを考える。

Kis-My-Ft2「A10TION」の分析

今回はKis-My-Ft2の楽曲「A10TION」のMV・特にサムネイルについて分析し、思考することを試みたい。

「A10TION」はデビュー10周年を記念した楽曲として、アルバム『BEST of Kis-My-Ft2』に収録されている楽曲である。これまでの楽曲に登場した振り付けや、MVに登場した小道具などが散りばめられた作品となっている。

この楽曲を対象とする上でサムネイル画像に関心を持った。Youtubeで表示されるサムネイル画像はその映像の第一印象とも言えるだろう。視聴者の目に真っ先にとまる画像。動画内の1シーンを切り取って用いたり、サムネイル用の画像を作成したり、方法もさまざまである。
これらの性質を持つサムネイルに注目し、「A10TION」を掘り下げていきたい。

「A10TION」サムネイル

おそらく上記に表示されているであろうサムネイル画像について構図・色彩の項目に分けて分析する。

①構図

この画面は3分割することが可能である。
画面下部・1/3の位置に人や山といった背景があり、画面上部2/3が空という構図になっている。また、人についても見ていくと画面右側1/4あたりにメンバーがいる。そこから左3/4にはエキストラ(メンバー以外)が並んでいる。また、人部分の下には草原らしきものが広がり、奥には岩山が立ち並んでいる。光源は右から左に指すような形で、左から右のある方向性をもった構図である。

②色彩

全体はオレンジ調で統一されており、その中にも濃淡やグラデーションが存在する。例えば右側の空は白に近い、クリームのような黄色・オレンジが見られる。そこから左に行くにつれてピンク・紫のような色彩を持つ。また、山はオレンジや朱に近い比較的はっきりとした色彩を持つ。草原がカーキグリーンのように見られ、これもグリーンの上にオレンジの色調が乗ることでこのように見えているのだろう。人が身に着けている服が濃いブラウンとして締め色のように働いている。

「A10TION」MVサムネイルの構図・色彩をざっくりと表したもの

前述した構図・色彩を統合するとざっくりとした分割が行える(人部分をさらに草原と人、山のように分けた)。なお、ここで画面にある色は実際のサムネイル画像から抽出してものである。
このことから、基本的には近い色で構成ことが分かる。また、空の部分だけでなく全体にグラデーションの基調があることも捉えられる。
例えば1番左の縦列を見るとそれは明らかである。パープルのようなピンクからオレンジへ、オレンジみの強いブラウンからイエローへ、色相環のようなグラデーションが左右方向だけでなく、縦方向にも生じている。
構図的にも、下に行くにつれて分割が細かくなり、密度が高まっていることが分かる。密度のグラデーションが生じている。

上下左右方向に及ぶグラデーション

サムネイルの構図・色彩から上下左右方向に及ぶグラデーションが見出せた。密度のグラデーションと、ビビッドでない色彩のグラデーション。

視聴者の”視線”は人が向く方向・人が動く方向を追って右から左へと動いているように思われる。しかし、密度のグラデーションによってその密度が高い位置に視聴者の”視点”は下ろされているのである・また、色彩のグラデーションにより暗い方から明るい方へと”視線”が動いているのだ。

つまりこの「A10TION」サムネイル分析から見出せる可能性として、構図の密度による視点操作、色彩による視線操作が挙げられる。
この点から映像を見ることで新たな捉え方、その操作の手に気付くことができるかもしれない、という1つの示唆を残しておく。

反省

時間的制約は大きい。何を書こうか迷いながらではあったが書き出すことでやはり考えもまとまりの方向を見せる。私の意図以外のところで言葉が紡がれていく感覚は楽しくもある。しかし短くまとまってしまった(結論がまとまっているかは不明)。焦り、という印象を受けられるかもしれない。
また不明な点、分かりづらい点があれば教えて頂きたい。
よろしくお願いします。


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