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産業医の実際のお仕事

産業医、メンタル休職歴ありのhanakoです。
医学生・研修医・医師に向けて多様な働き方があることを伝える活動をしています。

友達に、「産業医の楽しかったこと、面白かったことも内容に入れたら?」と言われて、そうか、そういう話もしていけばいいのかと気づきました!産業医って暇そう、つまらなさそう、大変そう、というイメージもあると思うので、これから良い面も伝えていきますね!

そんなわけで今日は産業医の実際のお仕事についてお話ししたいと思います!

①私の基本スケジュール

私は週2回、午前中2時間ずつ専属産業医として働いています。専属産業医って求人見てると、週4-5が多いんですが、私は週4時間だけです。

業種は運送業。従業員数1000人以上2000人以下の事業所です。大きく分けて3つの部署に分かれていてそれぞれ安全衛生委員会が開かれます。

月8回出務のうち、3回は3つの部署それぞれの安全衛生委員会&職場巡視です。残り5回で、休職・復職の面談や、健康診断の事後面談、高ストレスチェック事後面談などを行います。何もない日は健康診断の結果確認、衛生講話の資料作成や、自習をしています。

②安全衛生委員会

部署によって、安全衛生委員会だったり、衛生委員会だけだったりします。

私の主にいる部署は安全意識が高いので、毎回労災事例を全て安全衛生委員会で挙げ、改善点を話し合っています。私はまだひよっ子産業医なのでなかなか意見が出せませんが、もっと勉強して意見が言えるようになりたいです。

また、衛生講話というものを産業医が担当します。私の主に担当している部署の場合は、1回につき5分なのであまり時間がありません。
講話内容については、私を業務委託で雇ってくれている人材紹介会社が資料を毎月くれるので基本的にはそれを使っています。人材紹介会社がくれなくても、さんぽLAB https://sampolab-ad.com/などでフリーでもらえます。
もらった資料だと、腰痛について、過重労働について、パニック障害について、花粉症についてなど内容は多岐にわたります。

もらった資料だけでなく、応急処置について講話してみたり、健康診断の結果をまとめて報告したりもしています。

私のいる事業所は安全意識は高いですが、衛生意識はあと一歩なので、こういった衛生講話の時間をもらえることはすごくありがたいです。あと、内容によっては結構みんな興味持って聞いてくれます。やりがいを感じる瞬間です。

③職場巡視

月に1回(ある条件を満たせば2ヶ月に1回)職場巡視をします。
担当者についてもらって、ヘルメットを被って事業所内を一周します。(私の事業所は1日で一周できる程度なので一周しますが、広大な敷地の場合は複数回に分けて行うこともあるそうです)

私はひよっこなので、まずは作業の流れや、どう言った箇所が危険なのか、担当者に聞きながら勉強しています。用語も色々あるので、それもメモしながら覚えます。例えば、電動レベラー、とか、テールゲート、とか。覚えること多くて大変ですが、新しい世界のことを学ぶのは楽しいです!

また、今までの労災事例を踏まえて労災が再度起こらないように意見を言ったり、未知の労災が起こらないように助言をします。(まだまだちゃんとしたことが言えないので勉強の日々です)

私の事業所では化学物質の扱いがありませんが、化学物質の扱いがある場合はより一層注意することが多いかと思います。

④休職・復職面談

これが一番私がやりがいを感じている所です。面談には、休職・復職面談や、健康診断後の面談、高ストレス者面談などがあります。(入社時期的にまだ高ストレス者面談はやったことがありません)

休職・復職面談では、休職されている職員に来てもらい(多分オンラインでもいいが、私の事業所では原則対面)、30分〜1時間程度お話をします。

現在の体調や、内服、生活状況などを聞き取り、主治医から復職の診断書が出ている場合は、本当に職場復帰できるかどうかを産業医の視点から事業所に意見します。実際に決めるのは事業所です。

主治医はその職員の病状について最も理解している存在ですが、実際の職場環境についてはご存知ないので、そこの擦り合わせを行う必要があります。擦り合わせるのが産業医の仕事かなと思っています。

例えば、主治医は職場復帰可能と言っていても、従来の業務が深夜業だったり、危険作業の場合は、従来の業務に戻せないことがあります。
日中で時短勤務から始めたり、最初は危険作業をやらせないなどの工夫も必要になります。

休職したご本人の意向だけでなく、事業所の意見や都合も取り入れながら、良い着地点を見出すことが必要なのかなと思っています。

また、復職後は何ヶ月かに一回面談することでサポートすることも必要になってきます。(まだサポートのための面談は時期的にやってません)

自分自身が休職した際には、退職してしまい産業医面談はなかったので、復職後に産業医のサポートがあったり、職場環境調整を行なってくれたら良かったなぁと思っていました。休職した職員にばかり肩入れして、事業所の事情を考慮できないようには絶対なってはいけないですが、休職した職員が生き生きと働けるようなサポートをすることは、事業所の人員確保につながると思うので、今後も勉強しながら頑張りたい業務です。

⑤健康診断後の面談

例えば収縮期血圧190超えで危険業務についているとか、、、Hb5以下の高度貧血があるとか、、、健康診断結果を見ているとギョッとするような数字に出会うことがあります。

その人と面談したわけではないので、現在治療しているのかや、自覚症状や他覚所見が分かりませんが、危険と思しき人は面談を設定しています。

保健師の方がいる所であれば保健師さんから面談してもらえたりするのかもしれませんが、私の事業所はいないので全て1人でやらなければならず、しかも週4時間しかいないのでなかなか面談の時間調整が大変です💦

面談できた人には、問診をして、生活習慣改善や受診を促しています。

内科の知識もっとあれば良かったなぁと思う業務です😅

⑥高ストレス者面談

ストレスチェック施行後、結果確認し、面談対象者を決め、希望者に面談をする、、、という流れですが私はまだ時期的にやってません。

やったらまた内容upしますね。

⑦健康相談

これも私はまだやってないですが、産業医がいることをどんどんアピールしていって、職員が自ら産業医に健康相談に来てくれるような雰囲気作りをしたいと思ってます!

メンタルでも、生活習慣病やその他疾患も、未然に防げたらそれ以上に良いことはないですからね。

以上が私のやっている産業医基本業務です!イメージが湧いたでしょうか?

先日初対面の人に、「産業医やるなんて勿体無い」と言われたことがあり、私はこんなにやりがいを感じてるのになんでそんなことを言われなきゃいけないんだろうと思ったけど反論できなかったので、今回の記事はそれに対する回答でもあります笑

新たに勉強することは多いけれど、臨床とはまた違ったやりがいのある仕事だと思っています。あ、臨床もやりがいがあるのは間違いないですよ😆
臨床が投薬や手術などで直接的に目の前の人の命を救うイメージだとしたら、産業医は予防的に間接的に命を救ったり、病気や障がい、怪我の有無に関わらず生き生きと働けるようにするイメージです。

臨床もそういう側面がありますが、習うより慣れろ的な面が大きい仕事という感じがするし、事業所によって覚えるべき内容も全然違うので、産業医やりたいけど知識なくて心配という人も、やりながら覚えたらいいと思います。

あと、救急対応や残業が発生しないし、自習の時間も事業所によっては取れる(自習の時間は事業所によるけれど)のでメンタル疲れやすい方や育児中の方、家庭の事情がある方、ゆとりある働き方がしたい方にもおすすめです。

今後も産業医についてや、色んな働き方について記事を書いていきます!良かったらどんなことを知りたいかコメントお願いします✨

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