プロローグ:『H2O』 H=氷河期/H=貧困/O=おひとりさま
はじめに、自己紹介を。
東北生まれ、まもなく50歳を迎える私、日比野沙耶は、氷河期、貧困、おひとりさま。20代の頃から、仕事は原稿執筆ひとすじのフリーライターをしている。何年も前から、仕事内容は変わらないのに、出版不況のあおりを受けて収入は右肩下がり。最近はChatGPTの出現にも恐れ戦いている。おまけにダンナは出て行った。
私が不幸になり始めたのは、生まれた瞬間からだったのかもしれない。
毒親育ち、同級生からのイジメ三昧の日々で子ども時代の記憶はズタボロ。
この環境から抜け出したい。必死で受験勉強をして大学進学のため東京に出てきたはずなのに、そこから、転げ落ちるようにアル中、セックス依存症に……。あらゆる依存症を経験した、現在、不眠にも悩まされている。
長年、細々とフリーライターを続けながら、誰も経験したことがない、
波乱万丈な人生を送ってきた私。
きっとものすごく傷ついて、自分でフタを閉めた心の奥底は怒り狂っている。
本当の自分を取り戻したい。
そのためには思い出すのも苦しいけれど、私の怒りを全部吐き出して、心の底にヘドロみたいにへばりついてる悲しみを消化しなきゃ。
というわけで、生まれ直しをかけて過激すぎる私の半生を綴ってみようと思う。書き終えた先に、ひとすじの光がうっすら見えているから。
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