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「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」は鬱小説なのか?

トレンドにのっかったタイトル失礼いたします。
最初に書いておくと、これは作品の分析でも感想文でもありません。私の私による私のための文章です。暇潰しにでも読んでいただけると幸いです。

私がこのnoteを始めたきっかけは「頭の中がうるさいから」でした。仕事中も家でゆったりしている時もテレビを見ている時も私の頭の中は常に必要以上に回転してしまって、思考が止まらず「うるさい」ことが増えてきたんです。とくに厄介だったのが仕事中。特に頭を使う仕事ではないのですが私の頭は回転し続けます。かと言ってその回転を使って考えなければならないようなことも無く、結果的に考えなくてもいいようなことを深く考え込んでしまい、それがしんどいんです。それこそ「人生とは、、、?」とか人の些細な動きを見て「あの人はどんなことを思い、考え、感じているんだろう、、、、?」とか。どんどんどんどん思考の深みにハマってしまい、しんどい。業務や生活に支障が出るレベルにもなりました。
そこで始めたのがnote。こうやって、自分の思考を文章にして吐き出すことで、頭の中の雑音を少しでも静かにしたかったんです。何千文字、なんて長文ではなくてもこうやって文字にすることの力はすごいなあ、と実感しました。いいストレス発散になっています。
ということで。冒頭に書いた私の私による私のための文章というのはこういうことです。止まらない思考を吐き出すため。正直に書くと、誰かを楽しませようとかはあまり考えていません。ただ、誰かの心に2分くらい残って、1週間後ふとした瞬間にもう1回くらい思い出してもらえればこれ以上のことはありません。

さて、本題に入ります。昨日のTwitterのトレンドをご覧になりましたか?桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」がトレンド入りしていました。鬱小説として紹介されたツイートが注目されて、それに対する感想が増えたからみたいです。もとの紹介ツイートには救いがない、鬱々として絶望、と表現されていました。それに対する感想ツイートでは肯定するものももちろんある一方「鬱小説なのか?」、「10代の頃に読んで救われた」などといったものもありました。

私もこの小説を多分中学生くらいの頃、それこそ10代半ばの頃に読んだ記憶があります。当時の私は10代の少女らしく、病んでいました。キノの旅とかしにがみのバラッドが好きな少女でした。病んでいると言ったら言葉が悪いですかね…。放課後友達とゲーセンでたむろするような子ではなく、家にこもって本を読み艦これをひたすらプレイする生活でした。そんな私が最初に読んだ感想は「この辛い子供時代をなんとしてでも生き抜いて、大人にならないといけないんだ」でした。「生き延びて、やっと大人になる」という表現は作中にも使われていて(たしか)、印象に残ったんだと思います。
別にいじめにあっていたとか、家庭環境が最悪とか、将来が絶望的とか、そんな生活ではなかったのですが、大人になった私たちには本当の意味では理解できないような小さな、けれど大きな出来事や不安に押しつぶされそうに日々を生きていた少女にとって、この表現は励ましの言葉でした。ざっくり言っちゃえば「大人になったらいいことがある。そのためには今を生き延びないといけない」みたいな。
今は記憶も薄れてしまい朧気にしかこの作品の内容を覚えていません。ただこの作品を読んだ時の絶望の中でも前を向く、力強い気持ちは確かに存在したと思っています。
暗闇の中光を探して歩いていて、やっと光が見つかったと思ったらそんなものは最初からなくて。絶望しても、光がないとわかっていても暗闇の中を歩き続ける強さ、みたいなものです。

私のこの作品を鬱小説とは思いません。鬱小説と感じる人否定はしませんが。上記のように、絶望の日々を生きる人への励ましの作品だと思ってます。
これを読んでいる絶望の10代の少年少女達がもしいるのなら、是非一度読んでみてね。短いし難しくはないよ。
大人になっても光が見えるんだか見えないんだかよくわからないけど、息はしやすくなったし、温度も快適に近づきつつはあるんじゃないかなあ。
話は逸れるけど、同じく桜庭一樹さんの「推定少女」が当時の私にはめちゃくちゃ刺さりました。反抗期こじらせて泣くのは恥ずかしいこと、みたいに思ってたのに号泣しました。ごちゃごちゃしたいろんな感情をこうやって言語化してくれるんだ…って、こちらもまた私の救いになりました。生きていかなきゃ、という気持ちにさせてくれた大好きな作品です。こちらも是非。大人の皆様も。
自己紹介で「この小説を読んで号泣する少女時代でした。」って言えばいろんなことが上手く伝わるんじゃないかなあって思う時あります。

あと、GOSICKという長編小説もオススメです。こちらは救われた〜とかではないんですけどとにかく好きです。

はい、終わります。





最後に…。
同じく紹介ツイートで紹介されていた湊かなえさんの「告白」はもう最高に鬱小説だと思います。読んだ当時が小学生だったんですけど、1週間くらい本当に自分も鬱になって気持ち引きずりました。最高に面白いんですけど読むタイミングは調整が必要です。

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