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詩「雨と蝉」



降り出した雨が蝉を鳴き止ませる
濡れた羽では空を飛べない
雲が空を覆い隠し
雨が激しく流れて行く

あの人は 私と同じ世界に居るのでしょうか?
姿 形が見えないと何もかもが分からなくなる
言葉を一つでも交わさないと現実に埋もれていく
雨が全てを流して行く

雲の切れ目から太陽が覗く
熱い日差しが戻ってきた
蝉が 再び鳴きはじめる
まだ知らない何かを求めながら
激しい激しい夏を呼ぶ

日傘をさした私の側で
最初の一匹が空を飛んだ

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