カレーとサモアリナン

日々思いついたことを書いていこうと思います。

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最近の記事

親友 (短編小説)

 美しく、麗しいと書いてミレイ。なんて良い名前だろう。本当にこの子にぴったりの名前だと思う。私はそんなことを考えながら、私に寄りかかり静かな寝息を立てている彼女の顔を見つめた。窓の外の景色は、凄まじい速さで私たちとすれ違った。微かに硫黄の臭いがした気がした。近くに温泉でもあるのかもしれない。私は彼女に顔を寄せ、目を瞑って眠りに落ちた。  ミレイとは小学校の時に仲良くなった。クラスが一緒だったし、帰る方向が同じだったということもあったが、それ以上にミレイとは気が合った。私は、

    • "意味のない"ことを考える

      最近、"意味のない"ことを考えなくなったなあとふと思った。子供の頃はよく考えていた。"意味のない"ことっていうのは例えば なんで1日は24時間なんだろう  とか なんで一年は12か月なんだろう とか なんで季節は4つなんだろう とかだ。 今この疑問をどこかの小さな子供に尋ねられたとして、私ははっきりとした回答をすることはできない。おそらく 昔の偉い人が決めたんだよ とか言ってお茶を濁すだろう。 だんだん大人になっていく過程で、生きる上でどういったことが必要

      • 私だけの秘密の遊び

        皆さんは子供の頃、1人だけで小さな遊びをしていたことはありませんか。 例えば 帰り道の歩道の縁石に乗って落ちないように家まで帰る とか 道に落ちてるどんぐりを投げて電柱に当てる とか 走りながらおならをして最高何回連続で出るか試す とか 私はそんなくだらない遊びを日々していました。今ではこういう遊びをすっかりしなくなってしまい(大の大人がやってたら変な目で見られると思うので当然なんですが…)、少し思い出して寂しく感じでいる次第です。 ただ私は今でも一つ、誰にも言え

        • "何もしない"カフェ

          "何もしない"カフェ そう書かれた看板とお婆ちゃんの家のような小さな家屋がある。看板がなければただの一軒家のようだ。だがそのカフェからは香ばしいコーヒー豆の香りが漂ってくる。私は興味本位でそのカフェに入ってみた。 店内は外観とは打って変わって、全体的に木目調の温もりを感じさせる落ち着いた内装だ。木目調を基調としており、大きな一枚板の机や味のある茶色をしたウッドチェアがいくつかある。カウンターキッチンの棚にはありとあらゆるデザインのマグカップが並べられている。店内に音楽は流

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        • 短編小説
          12本
        • ただの独り言
          12本
        • 妄想は自由
          10本
        • ネオ昔話
          4本
        • おすすめの本
          1本

        記事

          あのときうぐいすあんパンを選んでいれば

          夕暮れ時、社内のコンビニ。もう閉店の時間が近づいているので店内の商品は少なくなっている。パンコーナーにあるのはうぐいすあんぱんとコロッケパンの2種類。私は迷った。今なら甘いのでも塩系でもどっちでもいける口だ。 うぐいすあんぱん、コロッケパン… 迷った挙句、私はコロッケパンを手にした。 コロッケパンだから温めたい。私はレジ横にある電子レンジでパンを温めた。退社前にアツアツのコロッケパンを食べ、会社を出た。 コロッケパンの塩味が思ったより強く、ひどく喉が渇いた。なにか甘いも

          あのときうぐいすあんパンを選んでいれば

          へぇ〜頭良いんですねぇ の返し方

          皆さんは褒められた時の返し方に困ったことはないだろうか。 私は日常生活で度々返答に困ることがある。それはタイトルにあるように へぇ、頭良いんですねぇ と言われた時だ。 私はわりと有名な大学の◯学部を出ており、おそらく一般的に言ったら高学歴の部類に入ると思う。もちろん自分で頭が良いなんて全く思っていないし、運良く良い大学に入ることが出来たくらいにしか思っていない。 大学生の時はたいていどんな場面でも、 どこの大学?何学部なんですか? 〜大学で一応◯学部行ってます。

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          謎のスイッチを押すバイト

          私は先月退職し、今は6畳一間のぼろアパートにてひとりニート生活を送っている。1ヶ月が経っても就職活動をする気にはなれず、ただ毎日ダラダラと日々を過ごしている。周りの友人達が日々あくせく働く姿を想像しては焦燥感に駆られる…といったことはなく、何の恥じらいもなく私はポテチを片手に深夜までテレビを見る生活を送り、その生活にこの上ない幸福感を得ている。良い大人が働かないことが社会的に恥ずべきこととは全く思わないし、出来ればこの生活を生涯続けたいものだが、なにせ生きるには金が必要だ。元

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          亡くなると評価される人達

          亡くなってから評価される人はたくさんいる。ゴッホ、カフカ、エドガーアランポー、パッと浮かぶのはこのくらいだが他にも挙げればキリがないだろう。生前評価されていたとしても、死後にさらに高い評価を得ることもある。 私は最近あるアメリカのアーティストを好きになった。その人は元々高い評価を得ていたが、数年前に若くして亡くなり、以後さらに高い評価を得るようになった。このアーティストの曲を聴いている時に、ふと「なぜ亡くなってから評価されるアーティストが多くいるのだろう」と疑問になり考えて

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          自己顕示欲と闘う

          世の中にはSNSが溢れている。Twitter、Instagram、Facebook、TikTok… 今の時代、SNSを何一つやっていない人は中々いないだろう。私はSNSを一度も見ないという日はおそらくない。それだけSNSが私の生活の中に侵食してきている。 しかし私はSNSを投稿することはない。ただ見ているだけだ。投稿することが少し恥ずかしいと思っている。 SNSに投稿するということは自己顕示欲の現れである。不特定多数の人に何かを共有したい、見せびらかしたい、そう思うから投

          自己顕示欲と闘う

          旅行は行く前が1番楽しい

          旅行は行く前が1番楽しい。そう感じたことが多々ある。もちろん旅行自体はとても楽しいが、それ以上に旅行前の高揚感がたまらないのだ。 旅行前は "絶対に行くべき絶景スポット10選" や" 〜での食べ歩きグルメ10選" を意味もなく何度もネットで検索したり(結局ほとんどが頭に残らない)、旅行先に持って行く便利グッズや"旅行のため"という大義名分で買う新しい服を探したり、色々とやることが多い。 これが楽しいのだ。 友達と旅行に行く場合は、旅行の計画を立てようと言ってわざわざ昼か

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          ビニール袋を手に付けた男

          私の住むマンションにはいつも手にビニール袋をつけている男がいる。”手に付けている”というのは手袋のようにして手につけているということだ。ビニール袋はスーパーのレジで無料でとることができる、トイレットペーパーみたいに巻かれているあのビニール袋だ。 はじめはひどく潔癖なんだろうと思った。コロナ渦なので不特定多数が触れた手すりやドアノブに直接触れるのを避けるためだと思った。しかし何度もその男を見ているうちに、この人は潔癖ではないのではないかと感じ始めた。こう言っては申し訳ないが、

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          猫を飼う

          猫を拾った。黒猫を拾った。というか家の前に所在なさそうに座っていたので家に招き入れた。 そいつは昔からうちに住んでいたかのような顔をして家の中をうろつく。私は猫を飼ったことがないけどとりあえず家にある浅めの皿に水とツナ缶を入れておくようにした。トイレは家の中でされると困るので窓を少し開けて、ベランダに段ボールを敷いておいた。 「トイレはここだぞ。家の中でするなよ。」 なんとなくそう言っておけばよいだろうと思った。 名前は にゃんた にした。何も考えずに名付けた。でもこ

          究極のストレス発散方法

          皆さんはストレスが溜まった時どのように発散していますか。 世の中にはたくさんのストレス発散方法があります。 ランニングをする、カラオケで大声で歌う、読書をする、音楽を聴く、ボクシングで思いっきり殴る、風呂に入る、山の頂上で叫ぶ、とにかく強い酒を飲む などなど 人それぞれ色々なストレス発散方法を試しながら、このストレス社会と上手く付き合っているかと思います。 今回は私が最もベストだと思うストレス発散方法を考えてみました。 まず先程挙げたような一般的なストレス発散方法を

          究極のストレス発散方法

          大人になるということ

          皆さんは、大人になったなぁと思う瞬間はないでしょうか。 初任給をもらった時 親と一緒にお酒を飲んだ時 1人で旅行に行った時 焼肉を自分のお金で食べた時 などなど さまざまな瞬間に"大人になったなぁ"と感じることあると思います。 今回は私が最近"大人になったなぁ"と感じた瞬間について話したいと思います。 小学生のころ、私はクラスの中で目立つ存在ではなかったが友達はたくさんいた。基本的に友達の輪の中心にはいたと思う。そしてよく遊ぶ友達以外のクラスメイトにも全く物怖じする

          大人になるということ

          新しい料理を開発する

          世の中にはたくさんの料理が存在する。 たくさんの料理があるおかげで毎日・毎食楽しむことができる。 しかし私たちはこの恵まれた環境に甘んじてよいのだろうか。 毎日既存の料理を回していくことで満足していてよいのだろうか。 人類は今まで、常に新たな発明をすることで文明を発展させてきた。 それは料理においても同じはずだ。 今日私は、人類に大いなる一歩をもたらそうと思う。 たいそうなことをだらだらと述べたが、ただ新しい料理を生み出したいのだ。 誰も思いつかないような画期

          新しい料理を開発する

          サウナが誘う恍惚旅行

          みなさんサウナはお好きでしょうか。 私はサウナがとても好きです。 今回はただサウナに入った感想を、私目線でお話ししようと思います。 私がよく行くのは地元のスーパー銭湯である。 そこのスーパー銭湯には室内に普通の風呂、季節のお風呂、炭酸風呂、ジャグジーなどがあり、屋外に露天温泉、釜の風呂、外気で身体を冷やせるリクライニングシートなどがある。中々広い。 銭湯に入ったらまず場内を見渡す。 「今日はなかなか混んでるな。」 「あ、またあの常連がいるぞ。」 「今日の季節の湯は柚子

          サウナが誘う恍惚旅行