カレーぱんだ

心と身体の繋がり・潜在意識について学んでいます。 日常生活で気づいたことを書いています…

カレーぱんだ

心と身体の繋がり・潜在意識について学んでいます。 日常生活で気づいたことを書いています。 だいたい400字、さらっと読めます。

最近の記事

闇を光に

コロナ禍が明ける気配がする。 3年の間、苦しくて孤独な時期が何度かあった。 人と関わることが遮断された異様な社会の中で、本はいつも私の近くにあった。 ハンセン病は、らい菌が原因で起こる病気である。治療法が確立された現在では完治する病気だ。 たしか、大学の講義で習ったな。その程度の知識だった。 映画「あん」を見た時、なぜ今でもハンセン病の人達が差別を受けているのか?なぜ療養施設を出ていかないのか?よく分からなかった。 もう治る病気なのに? 隔離を強制され、子供を作るこ

    • 自信がない

      中学1年生、初めての定期テスト。 「学習計画を立てましょう。」と担任の先生から渡されたのは定期テスト2週間前から、試験科目ごとにその日何をするか記入することが出来る、真っ白な計画書だった。 最初は自分がどれだけのスピードで勉強を進められるか見当もつかなかったため、余裕を持って予定を立てた。予定通りに勉強は進み、計画表は終了印の丸でいっぱいになった。緊張感と、計画通りに行った自信を併せ持って、テストに挑んだ。 しかし、テストを返却してもらい結果を見た後、次はもっといい点数を

      • スキー場の売店

        冷んやりした冷気が頬に刺さる。お昼ごはんの時間だ。急足でコンビニへ向かう。 数100メートル先のコンビニへもいつもは車で向かうのだが、今日はあえて歩いてみようと思い立った。数日前から雪が降り始めたのだ。大人になってから、子供の頃よりも雪道を歩くことはめっきり減った。 靴底に滑り止めのついたお気に入りの冬用ブーツを履いてきたし、無敵な気分だ。 連日続いた雪は、皆に踏み固められ、圧雪されガリガリになっている。歩くたびにジャリジャリと足音が鳴り響き、心地よい。 足元を見なが

        • 湯船に潜む生き物

          一番最後に風呂に入るのが好きだ。 次に入る人のために綺麗なお湯を保つ必要がなく、湯船に浸かりながら頭を泡立てることができる。身震いをしながら洗い場で体を洗う必要がないのだ。 湯船にザブンと浸かると、冷えていた体はじんわりと暖かくなってくるが、その温度に慣れてしまうとだんだんと鳥肌が立ってくる。湯がぬる過ぎるのだ。 そこで赤色の印のついた蛇口を捻り、湯船にお湯を足す。古い水道の甲高い音と共に、ホワホワな湯気と真っ白なお湯が出てきた。 蛇口の近くから順に、下から上へと、ふくら

          時間があったら

          やりたい事がある。でも仕事や家事でなかなかまとまった時間が取れない。 もっと時間があれば、時間さえあれば、自分の好きなことが出来るのに。 そう思うことはありませんか? しかし、実は、時間がない時こそやりたい事をするチャンスなんです。 時間がない時、心の中では 「この限られた時間を有効に使うにはどうしたらいいか?」という問いかけを自分の潜在意識に働きかけます。 潜在意識は問いかけに対し答えを見つけようと働きかけ、結果忙しくても行動に移すことが出来ます。 逆に時間があり

          時間があったら

          面白い文章の書き方

           人は自由な環境より制限された環境におかれた方が力を発揮しやすいという。 インスタグラムでこんな記事を見つけた。「自分が書きたい文字数の二倍書き、その後で半分に削る。すると文章が格段に面白くなる。」というものだった。  文字数が埋まらずに四苦八苦することはあったが、文章を削るという作業は確かにしたことがなかった。  それは大変心苦しい行為だが、だからこそより一層言葉に磨きがかかるのかもしれない。

          面白い文章の書き方

          ラジオドラマ

           私の父はリンゴ農家である。北陸の冬は雪が降って自転車が使えなくなる。通学に自転車を使っていた私は、高校生の時には部活が終わってからよく父に学校まで迎えにきてもらっていた。泥で汚れた白いバンで迎えに来る父が、当時はたまらなく恥ずかしかった。カセットテープしか使えないオーディオからは、いつもラジオが流れていた。  ある時車の中でラジオドラマが流れた。どんな話だったかはあまり覚えていない。でも、情景がばっと脳裏に浮かぶ話だった。静かな語り口だった。エンジン音に混じったその声を耳

          ラジオドラマ

          問い

          「大切なのは答えではなく問いである。」恩師が言っていたこの言葉の意味が、当時は全く分からなかった。  一年前から漢方薬の勉強を始めた。学生時代から漢方のことをもっと知りたいと思っていたが、あるとき教授が講義で、「どれだけ勉強してもいまだに漢方のことはよく分からない」と言っているのを聞いて愕然とした。何十年も勉強して、それでも答えが出ないって勉強する意味ないじゃん!とさじを投げてしまった。  しかし働き始めても漢方の謎は深まるばかり。ようやく重い腰を上げて傷寒論の本を開いた

          風邪のひきはじめに葛根湯

          冬も近づき、薬局にも風邪薬をもらいにくる人が増えてきた。 風邪はこじらせると本当に厄介だ。一週間体のだるさが続いた挙げ句、熱が下がった後も咳が続いたり声枯れを起こしたりする。 小学生の頃は風邪をひくと学校を休めると大喜びしたものだが、働き出してからは本当に敬遠したいものの一つになった。 かく言う私も、ここ数日寒気と喉の痛みが現れて、「ヤバい」と思った次第だ。 しかしそんな時は葛根湯を飲んで水分を摂り、布団をかぶってぐっすりと睡眠をとることをオススメする。 風邪は、ひき始

          風邪のひきはじめに葛根湯

          自己嫌悪

           過去の嫌な出来事がわーっと頭に押し寄せてくることがある。大声で叫びたい、そんな夜がある。  わたしはなんてダメなやつなんだ。そう落ち込んでいる"自分"に、私はなんと声を掛けてあげたら良いのだろう。 「そんな事でクヨクヨ悩んでいるからいつまで経ってもダメなんだ。もっと生産的なことを考えようよ」 「否、それでも今日は頑張って生きたじゃないか。出来たことが沢山あるじゃないか。」  色々と声を掛けてみるが、なかなか"自分"は納得しない。 「ダメなところにやっと気付けた。そ

          ミカタ

           美容室難民になって三四年になる。昔から私の髪の毛はクセが強く、ストレートパーマをかけたりするのでどうしても施術時間が長くなってしまう。その結果、お店の居心地の良さを重視する事になる。  近所をランニング中に変わった美容室を見つけた。お店がコンテナで出来ている。気になって予約してみることにした。  予約当日、恐る恐るお店に踏み込んでみた。コンテナの中は綺麗に改装されており、暖かい。小窓も作られており、そこから差し込む日差しが気持ちよかった。  美容師さんは物腰柔らかな方

          気づいたこと

           私には髪の毛を抜いてしまうという悪い癖がある。気がつくとゴミ箱の中が毛だらけになっている。なかなかホラーな画である。最近とくに、その頻度が増えていると気付いた。  手癖というのは、気が緩んだ時に出やすい気がする。そういえば4月にコロナで延期した結婚式が先月ようやく終わり、ひと段落した所だ。  10月は日記をつける回数も減り、仕事でぼーっとすることも多かった。    今日から11月が始まる。2020年を気持ちよく締めくくるためにも、自分の決めた毎日のルーティーンをしっかり

          気づいたこと

          想定内

           大人になったら結婚して子供を産んで家を建てて。そんな普通の人生を歩むのだろうと想像していた。  今年の四月に入籍した。でもまだまだ仕事をしたい。もっともっと色々な事にチャレンジしたい。それほど、仕事では色々なことを任せてもらえているし、やりがいがある。  十年後には、一体どんな自分になっているのだろうか。はたして自分が思い描いた人生を送っているのだろうか。  バレエを始めてみようと体験を申し込んだ。身体が硬いからという理由で諦めていたが、ミッドナイトスワンを見て諦め切

          『ミッドナイトスワン』を観て

           学生時代によく母と買い物に来た地元のショッピングモール。車を購入してから一緒に来る事はめっきり減った。  たまの平日休み。母を誘って映画『ミッドナイトスワン』を観に来た。  トランスジェンダーの主人公・凪沙が従兄弟の子供・一果を預かるところから物語は始まる。母が子を思う気持ち。 「あんたの為を思って」  私も何度言われてきただろう。こちらがお願いした訳ではないのに、それを押し付けてこられるのが、当時は堪らなくうざったかった。  歳を重ね、今では凪沙の気持ちが良くわ

          『ミッドナイトスワン』を観て

          授かりもの

           ツイッターで素敵な記事を見つけた。それはテレビでの上皇后さまの事。  "美智子様は昔のようにピアノが弾けなくなったことについて 「今までできていたことは『授かって』いたもの、それができなくなったことは『お返し』したもの」"  と仰ったという。やれあれが出来ない、これが出来ないと自分の能力を恨む事はこれまで沢山あった。しかし、これが神様から授かった大切なものだとしたら。  今日は私の二九歳の誕生日。だれの力も借りず一人で生きてきたんやと勘違いしていた時期もあったけど、決

          信じること

          「タバコが値上がりしたから、この機会に禁煙したい。」  あるとき患者さんからこんな相談を受けた。なんでも以前にも禁煙外来にかかったが、一度失敗しているらしい。 「でも俺、意志が弱いしできるかな。」  弱々しい言葉を続けて述べるその人に、わたしは禁煙は難しいのではと直感で感じた。 「一緒に頑張りましょう。」  そう言って禁煙補助剤を販売したが、やはり一週間ほど我慢した後にタバコを吸い始めてしまったようだ。 やっぱり。そう思ったと同時に自分がその人を信頼していなかった