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闇を光に

コロナ禍が明ける気配がする。
3年の間、苦しくて孤独な時期が何度かあった。

人と関わることが遮断された異様な社会の中で、本はいつも私の近くにあった。

ハンセン病は、らい菌が原因で起こる病気である。治療法が確立された現在では完治する病気だ。

たしか、大学の講義で習ったな。その程度の知識だった。

映画「あん」を見た時、なぜ今でもハンセン病の人達が差別を受けているのか?なぜ療養施設を出ていかないのか?よく分からなかった。
もう治る病気なのに?

隔離を強制され、子供を作ることも許されなかった。決して遠くない過去に起こった出来事。

そんな中で生き抜きた人の言葉は、春の風を胸いっぱいに吸い込んだときみたいに、心の中をスッと綺麗にしてくれる。

苦しくて辛い時、いつも思い出すのはこの本だった。

だいじょうぶ、一人じゃない。

私の中で生き続けていく本。

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