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夢世界から飛び立つ『2024.1.7』

正月気分もそこそこに、仕事始めが増えていく1月7日。私は仕事をしていないので関係ないが。

明後日から仕事始めの友達が、私とデートに出掛けてくれた。


3年前、2年前と、年の始めに必ず会う友達がいる。小学校1年生の時に同じクラスだったA子とB子だ。
私達は今年で友達歴16年目に突入する。もう幼馴染と言ってもいい。

小学生から一緒の私達は、年始になると必ず3人で出掛ける。A子の車で、B子を後部座席に乗せてその場で決めた場所に向かう。いつもその日任せで全てが決まる。
今日も、決めていた用事を全て蹴って全く違う場所に向かった。

私達が目的地に求めているのは常に「だらだらと話せる場所」。1年ないしは2年間の経過報告をこの1日で全て行う必要があるからだ。
遠めに設定した目的地。A子のスマホが目的地に案内する。それと同時に全員の話が始まる。

3人で会う時は、大体誰か1人が悩み事を持っている。人間誰しも悩み事はあるかもしれないが、必ず1人だけ持っている。今までも、それぞれの恋愛相談や、アルバイト先の話、職場の人間関係になど、様々な話題を軽自動車の中で繰り広げた。
今年はA子だった。A子の話に花を咲かせる1日になった。

だが私達は、結論を出さない。出せないに近い。全員の我が強く、アドバイスをしても各々聞かなければ見向きもしないからだ。

でも真剣に考える。自分のことのようにどうするかな……と頭を悩ませる。結論が出ない、正解が出ないこの空間が、私には必要な時間になる。


そして、私が現実を見る機会にもなる。


仕事に行かなければ1日に誰一人として会わない生活が日常になってしまった私にとって、家族以外の人間と会うということは、自分が生きている世界を現実として捉える、ということだ。

彼女達の職場の話、恋愛の話、価値観の話、人生の話。内容は定まらない、生産性も無いトークテーマ達が、私達の頭上に浮かび上がる。
私はそれを見ながら、彼女達の話を耳に取り入れながら、これが現実かと認識させられる。

私もこの中に生きているはずなのに、何故か1人外れた気になっている。目の前のトークテーマ達の中で、私も!と話せるものが少ない。貴方はどう?とトークテーマが私の顔を覗いた時、私は現実と対峙する。

私だけ、現実世界ではなく夢世界に存在しているのだ。

私も仕事の話をしたい。
将来の話をしたい。
誰かの幸福について話したい。

そんな現実への小さな願望が、彼女達とのお喋りでふつふつと湧き上がる。モチベーションが上がっていく。それを体で感じ取り、自分にもモチベーションを上げるモチベーションがあったのかと思うと嬉しくなる。

彼女達のおかげで、現実を見ることが出来るし、現実を見た私を「自分らしい生き方で良い」と肯定してくれる。

年始にこれがあるだけで、私の1年は大分変わってくる。やる気がなかった大きな翼が飛び立つ準備を始めている。燻っている私を、彼女達が現実に連れ戻してくれた。

私が飛び立たなければいけないのは、夢世界ではなく現実世界。本当に空を飛ばなければいけないと、空の景色を見せてくれる。

景色を見た後は、自分のことを信じて飛び立とう。飛び立つことに、意味がある。

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