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物語を抱き締めて『日記:2024.3.8』

今日はやろうと思っていたことが2つもあったけれど、2つともやらなかった。誰にも迷惑をかけない予定変更は、いつも通りだった。

今年の正月に、去年流行ったアニメの一挙放送がされていた。今年映画化だったから、それの復習用だろう。それを見ないまま3ヶ月が過ぎていた。

私は気持ちが入るのも入らないのも全てその日の気分なので「あ、イッキ見しよう」と思って母と1話から見直した。

面白い。
やはり流行っているものは、流行るだけの理由がある。

流行りというのは、にわかファンが作るものだと聞いたことがある。

ずっと好きでい続けているファンは、これ以上拡散する必要が無く、身内や自分自身で感想共有を終わらせることが出来るし、それで十分楽しめるからだ。だが、それだと新入りファンが増えない。

流行るものは、「これ面白そうだな」「面白かったから友達に勧めよう」「感想をSNSにあげよう」などと、何かと自分の面白さを共有する。そこから派生して面白いだの続きが気になるだの話が広がっていくのだ。

エンタメというのは流行りに乗っていくことが大切だ。だから、古参ももちろん大事だが、新しいファンの獲得も必要なんだと思う。そしてそれを両方やってのけるエンタメこそが、誰からも愛される作品だ、と言われるのだと思う。

素敵だな、面白いな、続き観たいな。私はにわかファンになりながらそのアニメを見続けた。


そして、新しいドラマも見始めた。Netflixで新たに放映された日本のドラマである。
ネガティブだった私がどこかへ飛んでいってしまうくらい面白い。やっぱりドラマは私の心の支えだ。

ドラマが流れている間、私が目を凝らして夢中で観ていることに気付いた。

早く続きが観たい、と1話の時だけ観たイントロをすっ飛ばしたり、面白い展開になったら口を開いたり、驚いて声をあげたり。たった1つの物語を見ただけで、こんなにたくさんの感情が生まれる。たった1時間で、こんなに充実した時間を過ごせる。

ベルリン映画祭にも出品された「夜明けのすべて」。
映画化される前に原作を読んでおかないとと思い、購入してすぐ読んで感想文を書いた。読み終わってからすぐ友達に貸して、返ってきて少し置いて、また昨日も読んだ。

もちろん映画も素敵だった。

私が今日、ドラマに感じた思いは、映画や書籍にも感じる所がある。物語を、強く抱き締めたいと思う心だ。

ドラマを観ていたiPad、映画のチケット、文庫本。これらを全て自分の体に溶け込ませたいくらい強く抱き締めたい、抱き締めたくなる、抱き締めた。

その気持ち、上手く言葉に出来ない。まだ名前のついていない内臓のどれかが震えていて、時にはじんわりと温かい。そんな気持ちにさせられるのだ。

表現は素晴らしい。

私がこれからどんな道に進もうと、何かを表現する人、表現された物を素敵だと思うことに変わりは無いのだろう。これは一生続く感情なのだろう。

私はこの気持ちを味わって欲しい。私の作品を見た人に、良い作品だ、なんだか体がざわざわする、だが気味の悪いものではなくてそれが快感だと思って欲しい。


私は、貴方に抱き締められるような作品を作りたい。

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