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私はまだ夢の中『2023.11.19』

Instagramで54字の物語を始めた。
Xで140字の物語を始めた。
noteで長編小説を始めた。
公募の締切の為に小説を書き始めた。

十一月になって、人にも物にも恵まれて、創作活動とそれに派生して人脈も広がって楽しい人生が送れている。
だが私が見落としていたことがあった。


私生活、何もしてない。


九月の末に半年勤めた会社を辞めた。

見返して気付いたが、これ辞める前日に書いてる……。

天才かもしれない。

無職になる不安より、noteに記しておかないとという思いなの凄い。


この時は朝から晩まで働いて、仕事のことばかり頭にあって、通知が鳴り止まなかった。止められない目覚まし時計がガンガン鳴り響いているような感覚だ。必要なのは分かっているけど、そんなに鳴らさなくても、と。

休みの日は寝ていたら終わるし、なんとか体力が残っている日は掃除をしたり創作をしたり、自分の『やらなきゃ』と自分の『やりたい』が混合していた。

でも今はどうだろう。

やりたい事がやれている。
そして普通に生きている。
退職前の自分に、「大丈夫。人って辞めても生きてるみたい」と優しく頭を撫でられるくらいには心が豊かだ。

でも昨日、自室のベッドに座ってはっとした。

私、いつから掃除してないんだ。
収納の為に買った箱をそのままにしている。
洗濯物畳んでない。

私の「生活」が、私の脳内のどこにもなかった。


まるで夢の中だった。


今私、どこにいるんだろう。
知らないうちに物で溢れる机を見つめる。

お昼近くに起きて、ご飯を食べて、ドラマやSNSを観て、創作を始める。夕方になったらご飯を食べて、お風呂に入って寝る。たまに本を読む。

十一月に入ってから、それしかやってない。それしかやってないことに気付いてなかった。

何の苦痛もない生活。
疲れた、眠たい、苦しい、辛い、帰りたい。
働いていた時に感じていた感情が一つもない。

今そうなりたいわけではないけど、数ヶ月前社会人だった私は、生きていたんだと思う。その
時その瞬間を必死で生きていたんだと思う。

その時の自分は本当に辛かったのかもしれないけど、その場での楽しみをどうにか見つけて頑張っていた自分が羨ましく、誇らしい。

今の私はそんなことをするほど苦しみがない。辛くない。生きるための努力がない。だから生きてる心地がしない。今もずっと、夢の中にいるみたいだ。

どこにも順応するタイプの人間。
なぜなら、どれだけ辛い状況でも、自ら楽しみを見つけて楽観的に物事を見られるから。

私の長所は、夢の中では使われない。今使えない。いい事なのかもしれないけれど。


大学卒業間際、脚本家になりたくて図書館で勉強していると、お世話になった方に伝えた。

「卒論も終わってやっと落ち着いたのに、また忙しいね。貴方は忙しい方が好きなのかもしれないね」

私は自堕落人間で、その方の前で卒論がどうのサークルがどうの就職がどうのと、面倒な愚痴をずっと吐き出していた。でもその方にとっては、それが楽しそうに見えたのかもしれない。

逆境やチャレンジ、やりたくないことをやるのは嫌いな方だと思っていたけど、それは結局自分がやりたいと思ってやっているんだと知る。
卒論もサークルも就活も、自分でやりたいと思ってやった。実際楽しくやっていた。

やりたいことは突き通すみたいだ。
今の自分が「楽しいかどうか」で全てを決めるみたいだ。

自由奔放で、何考えてるか分からないのに、なんだか楽しそうな人生ね。と言われるように、色んなチャレンジをして「楽しい」を作り出したい。


明日は掃除をするし、日記を見返すぞ。

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