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短編シナリオ集『ただ気になっただけ』

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早紀・萌子・卓也・翔太の4人が、ただ気になったことを話すだけの短編シナリオです。
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2024年3月の記事一覧

短編シナリオ『#15 俺全然寝てない』

短編シナリオ『#15 俺全然寝てない』

先輩「今日俺全然寝てないわー」
卓也「そうなんですか、どれくらいですか」
先輩「三時間くらいかな、ずっと観ようと思ってリストに入れてたアニメ、観始めたら止まらなくてさ」

先輩、前のめりになって話し始める。

早紀「私の方が眠れてないのに」
萌子「早紀」

萌子、早紀の肩を叩いて睨む。
早紀、静かに俯く。

萌子「とんかつ定食二つ」
店員「はい、とんかつ定食が」
早紀「あ、とんかつ定食一つで、かけ

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短編シナリオ『#14 懐かしい』

短編シナリオ『#14 懐かしい』

早紀「あ」
萌子「何?」
早紀「タピオカあるよ」
萌子「えー?」

早紀・萌子、メニューを眺める。

早紀「頼む?」
萌子「私パス。ほうじ茶ラテで」
早紀「タピオカ黒糖ミルクで」
店員「かしこまりました、番号札お持ちください」

早紀・萌子、空いている席に座る。

映画を観た後立ち寄ったカフェ。いかにも映えを狙ったメニューが並んでいる。少し空いた行列も、制服を着た女子か奇抜な髪色をした女子大生だけ

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短編シナリオ『#13 多重人格の時代』

短編シナリオ『#13 多重人格の時代』

翔太「女性って、SNSのアカウント何個もあるって本当ですか」
萌子「女だけじゃないでしょ、男もでしょ?」
翔太「俺の友達にはいないと思いますよ。聞いたことないし」
萌子「人に教えるやつは複数アカウントを作る資格ないね」
翔太「え?」
萌子「それ美味しかった?」

萌子、翔太の皿に乗っている小さなチョコレートケーキを指さす。

翔太「……あ、はい」
萌子「じゃあ私も持って来よう」

萌子、立ち上がる

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短編シナリオ『#12 話変わるんだけどさ』

短編シナリオ『#12 話変わるんだけどさ』

萌子「落ち着いた?」
早紀「すいません、ご迷惑お掛けして」
萌子「全然。むしろごめんね、車の免許持ってたら「海でも行くか」って誘えるんだけど」
早紀「振られた本人が運転しちゃって」
萌子「しかもファミレス来ちゃって」

夜10時。
ファミリーレストラン。ハンバーグが有名なチェーン店。時間のせいか、客は少ない。
入口から男性客3人が来て音が鳴り、店員が駆けつける。

早紀・萌子、奥のテーブル席に座っ

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短編シナリオ『#11 好きな人いる?』

短編シナリオ『#11 好きな人いる?』

翔太「なあ」
早紀「ん?」
翔太「好きな人、いる?」
早紀「……高校生に戻りたくなったの?」
翔太「え?」

午後12時。大学の中庭。

早紀・翔太、ベンチに座ってサンドイッチを食べている。

早紀「修学旅行の夜的な」
翔太「それって女子もやるの?」
早紀「私はやったことないなー」
翔太「皆が寝静まって、隣の仲良い友達から囁かれるやつ」
早紀「ドラマとかコントでしか見たことない。しかも男子」

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