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令和6年度日本大学文理学部資料館展示会「『甲陽軍鑑』と軍学書・軍記物-酒井憲二旧蔵書-」をもっと楽しめる!おすすめ本5選

注目の特別展にあわせて、CUMAGUSおすすめの5冊を紹介するマガジン
「特別展・企画展をもっと楽しめる!おすすめ本5選」

今週のテーマは、日本大学文理学部資料館で開催されている展示会
「『甲陽軍鑑』と軍学書・軍記物-酒井憲二旧蔵書-」(6/14~7/22)。
本日のブックリストはこちらです!


企画展紹介

武田信玄は甲斐国(現・山梨県)の戦国武将として有名である。この信玄の事蹟と政治・軍事の理論をまとめた書物として『甲陽軍鑑』がある。
この軍学書は記載情報に誤りも多いために史料的価値が低いとされてきた。

この『甲陽軍鑑』に就いて、本学出身の酒井憲二氏(故人)は、書誌・文献学ならびに日本語学的研究を進め次のように結論付けた。

『甲陽軍鑑』には記載情報の誤りが見られるもののそれは戦国時代であった当時の限界と捉え、史料的価値は認めるべきであり、かつ、当時の日本語の実態を反映する日本語学的史料としても価値が認められる。
そして『甲陽軍鑑』を研究する際に依拠すべき伝本を特定し、さらに『甲陽軍鑑』には「末書」があり、この「末書」も併せて研究すべきである。

この結論を提示した酒井憲二氏の蔵書が御遺族の意向で本学に寄贈されることになったため、このたび『甲陽軍鑑』ならびに「末書」、『甲陽軍鑑』から展開する軍学書、そして軍記物を主題として展示することにした。
御高覧賜れば幸いである。


オススメ本① 甲陽軍鑑 校注 序冊(勉誠出版)酒井憲二 (編著)


https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=76&products_id=22006
著者名:酒井憲二 (編著)
出版社名:勉誠社(勉誠出版)
定価:5,280円(本体4,800円+税)※記事投稿時点品切れ
A5判:304ページ

【激動の戦国時代を生きた武田信玄のすべてを、戦国時代の日本語で読む】

武田信玄・勝頼の言動・合戦記事・思想を記し、のち、甲州流軍学の聖典として親しまれた『甲陽軍鑑』。その最善本「三井家旧蔵土井忠生本」に校訂、註を付した。
歴史・語学・文学研究者必携の「校註 甲陽軍鑑」、いよいよ刊行開始!

(勉誠社ホームページより)

オススメ本② 甲陽軍鑑入門―武田軍団強さの秘密 (角川ソフィア文庫) 小和田 哲男 (著)


https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g200609000007/
著者名:小和田 哲男 (著)
出版社名:KADOKAWA(角川ソフィア文庫)
定価:734円 (本体667円+税)※記事投稿時点品切れ・電子版あり
文庫判:288ページ

【無双の兵法家・武田信玄を知る基本史料を戦国史研究の第一人者が読み解く】

「風林火山」の旗の下、戦国時代最強の騎馬軍団として恐れられた武田軍団。
『甲陽軍鑑』は、その当主、武田信玄が手の内を明かした兵法書である。江戸初期の成立以来、甲州流兵法の基本文献として重要視され、講談や小説で語られる信玄のイメージを決定づけるほどよく読まれた。
戦国史研究の第一人者が、その面白さと内容を現代人向けに平易に紹介し、軍略家・信玄の魅力と武田軍団の強さを十二分に解き明かした入門書。
(KADOKAWAホームページより)

オススメ本③ 山本勘助 (講談社現代新書)平山 優 (著)


https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000147332
著者名:平山 優 (著)
出版社名:講談社(講談社現代新書)
定価:792円 (本体720円+税)
新書判:240ページ

【『甲陽軍鑑』が語る、信玄の軍師・山本勘助の生涯】

戦国最強、風林火山。
その礎を築いた「軍師」が武田信玄に授けた哲学を初めて克明に再現する決定版!

胸のすく智謀、胸を打つ理念
●どうすれば人は動くのか
●どうすれば軍は勝てるのか
●どうすれば国は治まるのか
●戦国大名とはいかにあるべきか

唯一の一次資料『甲陽軍鑑』のみに依拠し、一切の虚飾を排した山本勘助の実像を追求した初めての試み!
●勘助は「軍師」ではなかった。
●勘助は「片足」ではなかった。
●勘助は「名人」と呼ばれた。
●勘助と信玄は「師弟」であった。
●勘助は「慈悲による法治国家」を構想した。
ほか、知られざる智謀と卓見が浮かび上がる!
(講談社ホームページより)

オススメ本④ 信長公記を読む (吉川弘文館 歴史と古典)堀 新 (編)


https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b34163.html
著者名:堀 新 (編)
出版社名:吉川弘文館
定価:3,080円 (本体2,800円+税)
四六判:292ページ

【“信長”“秀吉”を知る一級史料! 安土城・宣教師・茶の湯・合戦などをキーワードに、原典を読み解く。】

信長・秀吉に仕えた太田牛一(うしかず)の『信長公記(しんちょうこうき)』。
文学作品でありながら、虚実を織り交ぜた小瀬甫庵(おぜほあん)の『信長記』『太閤記』とは異なる実証的な叙述から、歴史史料として評価が高い。
上洛から本能寺の変まで、安土(あづち)城や宣教師、茶の湯、桶狭間・長篠合戦などをキーワードに、歴史学・文学・考古学の視点から読み解き、信長・秀吉の新たな魅力に迫る。
(吉川弘文館ホームページより)

オススメ本⑤ 近世刊行軍書論 教訓・娯楽・考証(笠間書院)井上 泰至 (著)


https://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305707390/
著者名:井上 泰至 (著)
出版社名:笠間書院
定価:7,150円(本体6,500円+税)
A5判:304ページ

【近世期に刊行された、軍書の全体像を問う、初の書】

娯楽・教訓・歴史・軍学の諸要素が渾然とした、軍書。諸分野を超え、近世軍書の流れ、性格を考え、小説史に果たした役割を論じる。

近世期に刊行された、軍書の全体像を問う、初の書。「娯楽」「教訓」「歴史」「軍学」の諸要素が渾然としていたため、近世軍書は、近代的な制度である、文学研究・思想史研究・倫理学研究・歴史研究のどの研究分野からも継子扱いされてきた。
本書はそれらの諸分野を超え近世軍書の流れ、性格を考え、小説史に果たしてきた役割を論じていく。
武士の生き方を教えた軍書は、江戸時代の小説という「花」を生む「土壌」として見れば、武士の歴史を語る、まことに養分の多い「沃野」であった――。
(笠間書院ホームページより)

あとがき

日本大学文理学部資料館で開催されている展示会
「『甲陽軍鑑』と軍学書・軍記物-酒井憲二旧蔵書-」(6/14~7/22)
がもっと楽しめる!
オススメの5冊、いかがでしょうか。

マガジン「特別展・企画展をもっと楽しめる!おすすめ本5選」は毎週水曜日更新です。
今後も注目の特別展・企画展を取り上げていきます。お楽しみに!






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