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フィンランド人と話してみた ~あなたは自然派?食事派?

【フィンランド人から2020年秋に聞いた話】

多国籍なメンバーでお昼ご飯を食べに行った時のこと(*ドイツに住んでいます)。フィンランド人女性と会話している中で、ヨーロッパの人は「自然重視派か食事重視派か」の2つに分かれるんじゃないかと思った話。

フィンランド人
「最近、お昼ご飯は毎日職場の自分の席でパンばっかり食べてたから、たまには外で食べたいなーって思ってたんだ」


「そういえば前に言ってたよね、『私は家ではプロセッコ(スパークリングワイン)+トーストの食事しか食べない』って。あれって、ほんとにそうなの?」

フィンランド人
「ちょっと大げさに言ってるけど、でもだいたいそう。朝は食べずに、お昼に会社でパンとか食べて、夜はプロセッコとトースト料理に時間をかけるよりも、他のことに時間を使いたいし」


「僕みたいなアジア人にとっては、パンの食事がずっと続くって耐えられないんだけど・・・」

彼女は学生の娘さんと二人暮らし。この様子からすると、娘さんも来る日も来る日もパンばっかり食べてると思われる。

フィンランド人
「たしかに、私たち北欧の人にとっての食事って、『エネルギーを摂取するための作業』っていう程度の位置づけ。でも一方で、ラテン系の国、例えばイタリア、スペイン、フランスだと、料理と食事に情熱(パッション)を傾けるよね」


「ほんとそうだよね。でも、フィンランド人は食べ物に情熱を傾けないんだったら、じゃあその情熱はどこに向けられてるの?」

フィンランド人
「・・・・特別な情熱を持っているのは『自然』かなぁ。北欧の人にとって自然は、常に周りにあるもの。フィンランドで言えば、ドイツと殆ど同じ面積の国土(=日本もだいたい同じ)の中に、5百万人しか住んでいない。まずとにかく自然があって、そこに人がチョコンと住まわせてもらっている感覚。自然の中に生えているものは、チェリーとかキノコとか花でもなんでも、好きに採って良い。たとえ他人の私有地の中でもね。私有地って、あくまでも人が勝手に『ここは自分の資産だ』って言っているだけのものだから。昔のフィンランドは自然崇拝の国でね、自然の中に自分たちにとっての多様な神様やら妖精たちがいた

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「フィンランドのムーミンも、妖精だよね」

フィンランド人
「そうそう。でもそんなフィンランドに、ドイツ人がキリスト教を持ち込んできて、『はい、キミたちフィンランド人はこのキリスト教を信じなさい』って。それからキリスト教になって画一化されてしまって、面白くなくなった」

今までドイツでは神様のことを「God」としか聞いたことがなかったけど、彼女は自然崇拝の神様のことを「Gods」って複数形で表現していた。やっぱり自然崇拝って複数形なんやーって思った。

ということで話をまとめると、北欧やドイツなどゲルマン系の人種の人たちは、おいしい食事への情熱があまりない印象。その代わりに自然が大好きで、自然保護にも熱心。他方、イタリア・スペイン・フランスなど南欧や西欧のラテン系の人たちは食事大好きで、胃袋を優先した生活をしている。一方で自然への思い入れは、北欧やドイツ人ほどではない印象。

さて、あなたは自然重視派か食事重視派か、どちらでしょう?

僕は迷わず、両方やな。

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by 世界の人に聞いてみた

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