干物で鯛めし
関東では珍しい、連子鯛の干物に久しぶりに出会いました。
連子鯛の四連って、なんだか面白い。
本当に連なって泳ぐらしいです。
鯛よりぐっと安いのに、干物も旨味が濃く
皮目が美しい魚。
刺身を皮霜造りにして、一度食べてみたいのですが、こちらではなかなか出回りません。
今回はお手軽に、この干物を使って連子鯛の鯛めしにしました。
うろこ引きもいらず、さばくこともなく、
たださっと焼いてから炊き込むだけです。
あとで骨をとるのが少々手間ですが、
骨から出る旨味がごはんに移って、皮ごと頂ける香り高い炊き込みご飯になりました。
木の芽の他に
作り置きの花山椒の水煮を混ぜて。
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新メニューの試作に煮詰まって
気づいたら夜の七時を回っていました。
まだまだ明るいことに驚きます。
なんだか気忙しい冬の夕方よりも、
少しだけ得をしているような気になるけれど。
降ってくるように新しい切り口が見つかる時もあれば、
今日のように、いまひとつな日もあります。
いい食材を使い手をかければ、おいしいのは当たり前。
身の回りに揃いやすい物を使い、作りやすい方法で。
さらに、作りながらそこに楽しさを見出せるような品にしたいと、ここ数日腐心していました。
ひとつかふたつの食材を加えるだけで出来てしまうようなハーフメイドの調味料に、美味しい出来立て惣菜が店頭にずらりと並んでいる今、
日々の疲れをおしてもキッチンに立って「これを作りたい」と思えたり、
自分の手で味が決まったと、達成感が得られるような料理がご提案できれば。
絶えず考えていますが、
考えが思ったように進まないこともままあって難しいところです。
そんな簡単さとおいしさの狭間で煮詰まっていたときに
大好きな友人から誘いがあり、
夕方思い切って、仕事を置いてでかけました。
コーヒーを2杯飲んで、とりとめもないおしゃべりをして…。
その後友人と別れて、
食材を見ながら考えをまとめよう、と食品売り場の中を歩いていたら、
それまで考えもつかなかった方向性が
突如次々に、ほんとうに“降って”来たんです。
誘ってくれた友人に、感謝。
悩んだときは立ち上がると良いって、本当ですね。
仕事の苦労話をする趣味はないのですが、
この出来事がとにかく嬉しく
長々書いてしまいました。
一つの道で前に進みにくい時、
目線をずらしたり、違う道を探してみたりするといいとわかっていたはずなのに、
気づくと目の前に立ちはだかった岩や壁によじ登ろうとしてはへこたれていることの多い私。
そんな自分を俯瞰で見るゆとりを持ちたいです。
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