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直火にかけられるうつわ〜私の好きな器その4

(直火の器)

台所で鍋中を見つめていると、今が一番きれいだな、と思うことがしばしばあります。
シズル感、という言葉では表し切れない穏やかな美しさは、何の添え物も彩りもいらないほど。
料理している時に幸せを感じる瞬間の一つでもあります。
その眺めをそのまま食卓でともに楽しむ味方になってくれるのが、この直火の器です。
おなじみの土鍋もそういった面がありますが、土鍋とは用途が明らかに違っています。。
フォトグラファーでもある知人が開いていらっしゃるMIGO LABOというお店で、いろいろな形の直火の器を紹介されていたことから、思いのほか種類が多いのを知り、驚きました。
片手鍋の型のほか、両手の浅型、皿型、ココット型なども。
小鍋はマッシュルームや牡蠣、エビなどをオイル煮にしたり、ナツメやくこの実、黒豆、しょうがなどをコトコト煮込んだ薬膳茶などにちょうど良いサイズ。余熱を使えば鍋焼きプリンにも。
中型の片手は、煮物全般に。ゆっくり冷めるごとに味が染みます。


たらのピルピル(オリーブ油を乳化させて煮込む料理)は、絶えず鍋をフルフル揺らしておく必要があるので、あまり大きくなく、取っ手もあるのが助かりました。

皿型は、鴨やハンバーグ、ステーキなどの肉を香ばしく焼いたり、エビや貝、野菜などをバターで焼いたり、卵とじを仕立てたり、パンケーキを焼くなど、陶板焼きのような楽しみ方ができます。油が飛びにくく、火の当たりが穏やかで焦げにくいので、思いのほか使いやすいです。
ガス火とオーブンを併用することもできます。
また、皿の形なので、そのままで供することを想定して焼く楽しさがあります。

熱々ぐつぐつのまま食卓に運ぶと、鍋の中の風景を見る嬉しさが、同席したみんなに伝播することに。美味しさもともに感じやすいのが、大きな魅力のひとつだと感じます。

また、器なので、ひとりご飯の相棒としても丁度よい大きさのものを選ぶことができます。
ひとり分サイズのものでも、寂しい雰囲気はまるでなく、佇まいも料理と同じように温かみ溢れていますので、疲れて帰ってきた夜の野菜スープや即席麺料理、おじやなど、この器たちがあると不思議とおいしく作ろうという気になれるのです。

写真は台湾の豆乳スープ、シェントゥジャン。
このほか、おしるこはもちろん、カスタードフォンデュやフルーツのスープなど、罪悪感を振り払いながら頂く夜のあたたかい甘味にもぴったりです。

火の当たりと同じように、
作る者の心持ちも柔らかくなる器。
だから好き、なのだと思います。


直火の器に盛りたい料理

片手鍋…(小)蛸とゆり根のアヒージョ・無花果の赤ワイン煮
(中)海老芋と聖護院大根の含め煮・鍋ごと杏仁豆腐
浅型…鶏とアスパラの土佐酢焼き・ラムとパクチーのミニ餃子・かぼちゃとナッツのクリームパスタ
皿型…しらうおと菜の花の卵とじ・まぐろ血合いのスパイシーステーキ・ブルーベリー入りパンケーキ

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