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2024年 上半期VTuber楽曲10選

 どうもです。

 今回は、タイトルにもある通り、「2024年上半期VTuber楽曲10選」の企画記事です。と言いたい所なんですが、毎年取り纏めてくださってる"野良猫のユウ"さんから企画立ち上げ記事が特に無い…。でも自主的に書いてる人が既に集まって来ていたので、私も書きました。
 ※2023年の記事はこちらから⇒上半期10選下半期10選

 10曲選ぶに当たって、ある程度制約を決めないと一生決まらんので、昨年同様、自分は以下の制約下で決めました。

・毎週書いてる感想記事に掲載済みの楽曲からのみ選曲
・もしリリース日がずれている場合は最も早い媒体に合わせる
(※サブスク配信よりMVの方が早い場合はMVをリリース日に)
(※ライブや特典での限定的な先行公開は除く)
・2024年1月~6月に音源初リリースとなったオリジナル楽曲のみ対象
(※アルバム収録曲の内、昨年リリース済みの楽曲は敢えて対象外)
・ゲストボーカルとなる楽曲は対象外
・アーティスト名義被りはNG(1アーティスト1曲まで)

 10選企画は誰かに知ってほしい以上に、自分が本当に大好きで仕方ない選りすぐりの10曲にしました。ではどうぞー。


★1『身空歌』/ 春猿火はるさるひ

◆リリース日:1月15日
◆所属:KAMITSUBAKI STUDIO
◆作詞:AMAMOGU、作曲:松田純一・MILKEY、編曲:朝比奈健人
◆デジタル配信:https://phenomenon-record.lnk.to/misorauta

 春猿火、今年1発目のシングル。昨年11月4日の2ndワンマンライブ(オンライン)『シャーマニズムⅡ』にて初披露された楽曲であり、今年4月10日の3rdワンマンライブ『シャーマニズムIII』ではラストを飾った曲でした。(ライブレポはこちら
 エモーショナルの権化。メロディや歌声は勿論、この曲に至るまでの文脈も、歌詞に込められた想いも、全てがエモーショナル。この曲を聴く度にライブの日を想い出して泣きそうになる位には好きです。ピアノ×ストリングス×和メロの組み合わせが好きすぎて、芳醇なサウンドスケープの拡がりが本当に美しい。畳み掛けてくる切ないメロディを感情豊かに歌い上げる中、芯の通った優しい歌声からは心地良い安らぎも同時に感じます。"私"と"春猿火(君)"にあったギャップに悩み続けた彼女が、その葛藤も交えて本音を赤裸々に語った歌詞には胸が締め付けられますし、ファン(君)によっては共感を呼ぶモノでもあったと思います。あの日、涙を流しながら語ったMCがあったから余計に刺さり沁み渡ったし、タイトル"身空歌"を響かせたトコ(3:16~)は本当に打ち震えた。あの感動は一生忘れないです。


★2『メシア』/ アルバ・セラ

◆リリース日:1月17日
◆所属:VEE(元VERSEⁿ)
◆作詞・作編曲:ゆよゆっぺ
◆デジタル配信:https://albasera.lnk.to/Kasuka

 2月7日にリリースされた1stフルアルバム『かすか』にも収録されたリード曲。アルバムにはメタル/ラウドロックナンバーが揃い踏みの最強の1枚でしたが、中でもやっぱりこの楽曲がイチバン好きです(ゆよゆっぺ氏提供のVTuber楽曲増えてきたのも嬉しい)。
 アルバムでは1トラック目に収録されており、開幕を告げる楽曲に相応しい破壊力抜群の仕上がり。ローチューニングなメタルコアに振り切りながらも、壮大で神秘的なコーラスや揺らめく先鋭的なシンセに彩られており、力強さと美しさが見事に共存してます。妖艶で煽情的なメロディと天高く突き抜けていく歌声から、全体的にはどこか神々しい雰囲気に満ちているのもステキ。重ねられた歌声はいくつかある人格みたいなモノを表しているのか、彼女にとってのメシアの在り方を魅せつけられている様で、破壊と創造による救済を確かに感じる楽曲展開も好きですね。中でもラストのブレイクダウンは落とし過ぎててモッシュ不可避でした。所属事務所が「VEE」に統合されたので、現地ライブの可能性は上がったはず。本当に待ち遠しい。


★3『暁光』/ 凪原涼菜なぎはらすずな

◆リリース日:2月22日
◆所属:RIOT MUSIC(Meteopolis)
◆作詞・作編曲:164
◆デジタル配信:https://nex-tone.link/A00144125

 7曲目となるオリジナル楽曲。昨年12月16日に開催されたバースデーライブ2023『Hiderain』にて初披露されました。今年6月9日のソロライブ『哉醒 -SAISEI-』でも披露されたみたいなんですが、他現場と被ってしまい現地で聴けなかったのが心残り…(次回のライブこそは必ず行く)。
 凪原涼菜と云うシンガーの世界観を体現した素晴らしい1曲がまた増えたなと、当時は衝撃でした。ストリングスや民族造語コーラスが印象的な妖しく優美なサウンドスケープで、暗く深く重い切なさを凝縮したかの様なメロディが突き刺さる1曲。心象風景が切り替わる様な楽曲展開も特徴的で、Cメロが2番のBメロ後にすぐさま続くのも珍しい。そして、この楽曲の世界観を根幹として印象付けているのは、歌詞だと感じています。取り払えない痛みや喪失感がこびりついており、胸が苦しくなる。それでも朝を迎えなくちゃいけない、この喪失感を忘れちゃいけない、そう感じさせてくれるのは涼菜さんの歌声でしょう。空気がピンと張り詰めてしまう位の力強さと上品さがありつつ、柔らかく透明感溢れる歌声に心を揺さぶられます。感情表現、響き、強弱のつけ方が本当に繊細で丁寧で、大好きです。


★4『Stareal』/ 餅々もちもちさくら

◆リリース日:2月28日
◆所属:星めぐり学園
◆作詞・作編曲:琴吹むつみ
◆デジタル配信:無し

 待望だった初のオリジナル楽曲。活動3周年を記念してリリースされました。昨年4月30日に開催された『VTuber Fes Japan 2023』で出逢ってから、時に毎日歌枠をする位には歌と真摯に向き合っている活動を見ていたので、遂に来たかと嬉しかったですね。
 1stオリ曲にして名曲。ピアノが奏でる切なげなイントロから一変し、壮大に響き渡るストリングスが特徴的なロックナンバー。力強くエモーショナルなサビメロに胸が一杯になりますし、自分も頑張らなきゃな…みたいな衝動にも駆られて。真っ直ぐ王道な展開故のピュアなパワーに満ち溢れてると思います。だからこそ、1stオリ曲らしい等身大の想いを詰め込んだメッセージ性の高い歌詞も映える。特に"この先の景色を絶対叶えてみせるから"が刺さりますよね、ここの決意の強さを感じる歌声も余計に泣きを誘うと云うか。アウトロの終わり方も消える流れ星の様な刹那的美しさを感じられて気に入っています。これから活動を続ける中で育っていくだろう、こーゆー曲がオタクは大好きなので、現地ライブでいつか聴きたいなと切に願います。


★5『同盟』/ V.W.P

◆リリース日:3月6日
◆所属:KAMITSUBAKI STUDIO
◆作詞:Kanata Okajima・Hayato Yamamoto
 作曲:Kanata Okajima・Hayato Yamamoto・MEG (MEGMETAL)
 編曲:MEG (MEGMETAL)
◆デジタル配信:https://phenomenon-record.lnk.to/Union

 V.W.Pの拡声曲シリーズにして16thシングル。今年1月13日の2ndワンマンライブにて初披露されました(ライブ映像版はこちら)。初披露時の衝撃は勿論、リリース後は感動も蘇ってきて余計に好きになりましたね。
 ガチ名曲オブザイヤー2024。拳突き上げ系のシンガロングを煽るフレーズで幕を開けるロックナンバーとなっており、疾走感溢れるユーロビートの煌びやかさと、メタルの重厚な質感が融合し行き渡った仕上がりが堪らない。アクセル全開で最高速度のままブッ飛ぶトコまでブッ飛んでる感(伝われ)も凄く好きです。サビは二段構えながら口ずさみたくなるキャッチーなメロディで中毒性も高め。メタル仕込みが隠しきれない激アツギターソロから、ラスサビへ向けて高揚感を最大限まで高めるビルドアップも気持ち良すぎて昇天。要所要所で響くストリングスはカンザキイオリ氏が作曲を手掛けていた頃を継承している様にも感じて胸アツでした。V.W.Pの5人それぞれの個性を巧みに活かした歌割り、史上最大の力強さと切れ味ある歌唱も本当にカッコイイなと。MVの表情や仕草も魅力に溢れてて大好き。


★6『依代』/ 水魚みおみぃむ

◆リリース日:3月22日
◆所属:個人勢
◆作詞:モモ、作曲・ギター:ヤミヤミ、編曲:wagataki
◆デジタル配信:https://linkco.re/qYHxBhF0?lang=ja

 3曲目となるオリジナル曲。今年3月16日に迎えた誕生日での歌枠配信で初披露されました。自身のラジオ番組や歌枠配信など熱心な活動を続けている彼女ですが、昨年下半期ではオリジナル曲『ミクロコスモ』を選出させていただきました。そして、今年またも名曲が生まれて本当に凄い。
 前作と打って変わってナチュラルな雰囲気となった本作。街の雑踏音や環境音、家の生活音などを小気味よく取り入れた表現が秀逸で、情景が目に浮かぶサウンドアプローチが印象的。アコギの温かみある音色に自然で素朴な質感が加わった事による、音の彩りや拡がりが本当に綺麗です。2:05~のどこか切なげなピアノパートから、春の朝を迎える様な高揚感へと変わっていく展開も大好きで、春らしい新たな生命力を感じます。歌詞も"ぼくら今世界の誰よりも最高だ!"には元気付けられますし、同時にみぃちゃんの優しく深みのある歌声を聴いていると心が温かくなります。この曲を毎朝聴いて1日を始める位には好きなので、この楽曲と共に彼女の歌声がもっと多くの人に届いて欲しいなと心から思います。いつもありがとう。


★7『僕色インフィニティ』/ えのぐ

◆リリース日:5月4日
◆所属:えのぐ合同会社
◆作詞:常楽寺澪、作編曲:サクマリョウ
◆デジタル配信:https://nex-tone.link/A00143984

 今年2枚目となったEPの表題曲。5月3日に開催された『enogu 6th Anniversary Live #2589日目の奇跡』で初披露されました。自分達をプロデュース・マネジメントする事務所「えのぐ合同会社」を立ち上げ、再スタートを切ってから初となるワンマンライブだったんですが、本当に素晴らしかった。(ライブレポはこちら
 ライブの日、その場で"むっちゃいい曲…"と声に出してしまった位には名曲です。眩しい光が差し込む様な雄大なサウンドスケープと、形式的な構成を無視して3人の個性や伝えたい想いを優先した欲張りな構成が特徴的。その上で、サビのキメ所では色が鮮やかに塗り重ねられる様に融合し、感動の涙を誘うメロディと歌声を畳み掛けてくる。もうね、アイドルとしての矜持すら感じます。激アツのギターソロや余韻も完璧で、大好きです。歌詞には彼女達がこれまでリリースしてきた楽曲を想わせる言葉も散りばめられており、6年の歴史を感じる集大成とも言える楽曲だなと。でも、これで終りではなく、この先の未来をまだ描いていく、と強い決意も伝わってきますね。これからもえのぐと巻き起こす奇跡を信じて一緒に進んでいきたいと思います。まだえのぐの現地ライブ来た事ない方は、ガチで来て欲しいです。


★8『mist』/ 花鋏はなばさみキョウ

◆リリース日:5月12日
◆所属:Re:Act
◆作詞:花鋏キョウ・OHTORA
 作曲:夢見クジラ、編曲:夢見クジラ・Yocke
◆デジタル配信:https://linkco.re/P0VtcgBu

 今年初のシングル。今年5月4日に行われた4thワンマンライブ『FLORIST』にて初披露されました。約2年ぶりとなるワンマンだったんですが、歌唱力もパフォーマンスも最高で…今のキョウちゃん本当に凄いです。(ライブレポはこちら
 非常に美意識の高い名曲。初め美麗なストリングスとピアノが響いたか思えば、歌い出すと鮮烈なグルーヴ感のあるビートも刻まれていき、サビまで一気に心地良く滑らかに駆けていく展開が印象的でした。次のフレーズが被せ気味に差し込まれてくるのに、絶妙なメロディーラインによって余白を感じる。恐ろしいセンスです。歌声が重ねられた部分も贅沢で奥深い美しさがありますね。低音から高音まで幅広く歌い上げており、繊細な抑揚や感情表現は圧巻の一言…。ライブのMCでも触れられたんですが、デモ時のタイトルは"hazy(もや)"だったそう。この言葉からバーチャルの世界で生きる自分自身をテーマに彼女が作詞も手掛けています。過去を振り返りながらも未来を想わせる歌詞にファンとして胸を打たれましたね。歌声も人柄も本当に大好きなので、これからもずっと応援していきます。


★9『ゲシュタルト』/ 花譜かふ

◆リリース日:5月22日
◆所属:KAMITSUBAKI STUDIO
◆作詞:Kanata Okajima・栗原暁(Jazzin’park)
 作曲:Kanata Okajima・久保田真悟(Jazzin’park)
 編曲:久保田真悟(Jazzin’park)
◆デジタル配信:https://phenomenon-record.lnk.to/GSA

 今年リリースされたEP『GSA』のリード曲。これまで彼女の楽曲を作っていたカンザキイオリの神椿スタジオ卒業を経て、新たな作曲家を迎えた記念すべき1枚です。今年1月14日に開催された花譜4thワンマンライブ『怪歌』で初披露されました。
 今年聴けば聴くほど好きになってしまった1曲。一聴するとポップなパーティーチューンなんですが、実は要素てんこ盛りだと感じていて。ジャズベースのグルーヴ感もあるし、ロックらしいキレの良さ、EDMならではのテンション感もある。どっかーん!でカッコイイドロップが来るカオスな展開とかも遊び心あって好きなんですよね。そして何より、陽気な光を放つ口ずさむたくなる歌詞と、一緒に踊らずにはいられないニコニコダンシングタイムのサビ!花譜ちゃんの表情豊かな可愛さに魅了されると共に、ゲシュタルト崩壊寸前の中毒性にやられてしまう。はい!って絶対に言いたくなります。初披露の4thワンマンでは見て聴いてるだけでしたが、今年6月9日に開催された『MUSIC VERSE Fes.』では一緒に踊って歌って全力で狂えて本当に楽しかったです。今後のライブで毎回聴きたい位には好き。


★10『ケラケラのカケラ』/ 瀬島せしまるい

◆リリース日:5月31日
◆所属:ななしいんく
◆作詞・作編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
◆デジタル配信:https://linkco.re/FU6RBcg3

 記念すべき1stシングル。4月20日の生誕祭ライブで初披露されました。楽曲を手掛けたのは、Elements Gardenの藤永龍太郎さん。同事務所の飛良ひかりとのユニット曲「シスターピース」では編曲を務めており、個人的に信頼を寄せている作曲家の1人でもあったので嬉しかったです。
 ホントに名曲すぎ。爽やかで綺麗な雰囲気が漂いながらも、藤永さんらしい胸が熱くなるギターロックナンバー。全体的にほんのり香る切なげなニュアンスを、力強くエモーショナルなサビに乗せて解放させてる処が本当に好きです。落ちサビからラスサビへの入りとか特にグッと来るエモーショナルポイントで、ここツインギターがハモってるのも美しい。歌詞のセリフっぽく聴こえる表現が多い点も藤永さんらしいですね。実際のエピソードを元にした部分もあり、彼女のこれまでの活動に対する想いが綴られています。同時に、変化の兆しを掴んだ事による未来への決意が伝わってきます。しっかりと芯のある歌声で、気持ちいい位に突き抜ける高音が好きです。改めて、瀬島さんと藤永さん、2人の魅力が全て詰まった真骨頂とも言える1曲だなと。現地ライブで聴けるチャンスが訪れたら必ず掴みに行きます。


★番外編『機械の声』/ V.I.P

◆リリース日:4月24日
◆所属:KAMITSUBAKI STUDIO
◆作詞・作編曲:香椎モイミ
◆デジタル配信:https://phenomenon-record.lnk.to/Isotope_of_fate

 V.W.Pの花譜、ヰ世界情緒、理芽、幸祜、春猿火の歌声をベースに誕生した音声合成ソフトウェアである音楽的同位体。音声合成ソフトによる史上初のグループ「V.I.P -Virtual Isotope Phenomenon-」の1stアルバム収録曲。正確にはVTuber楽曲ではないと思いますが、完全に切り離せる曲では無いよなと思ったのと同時に、好きで仕方がないので番外編として紹介する事に。
 神椿らしい壮大な雰囲気で贈るエモーショナルバラードなんですが、この一言でまとめてしまうのは勿体無い位の名曲。6分超に及ぶ長さでありながら、目立った曲調変化は無し。それ故なのか繰り返されるメロディは彼女達が必死に声を上げている様で、そこに感情を感じずにはいられない。その熱と共に次第にドラマティックさを帯びてゆく美しさたるや。音楽的同位体である彼女達が歌うからこそ胸に迫る歌詞も本当に最高です。音声合成ソフトとは思えない、各シンガーの特徴を捉えた質感やアクセント、自然な抑揚などが表現された調声になっているの改めて凄いなと。初披露された今年1月13日のV.W.P 2ndワンマンライブでは豪華すぎる光景も併せて気付いたら涙を流してました…。メロディ単体の評価なら間違いなく今年トップ。


~さいごに~

 今年も例年通り、当時の衝撃やライブの想い出、日頃からの再生数を頼りに選出しました。自分にとって掛け替えのない名曲が、また他の誰かに刺さったら非常に嬉しいなと思います。因みに神椿が多めになったのは、それだけライブが多かったからですね。まだ下半期も控えているので楽しみ。
 相変わらずVTuber楽曲のリリースが止まらず、毎日の様に出逢いがあって、毎週記事が書けています。本当に幸せな事だなと、この幸せを噛み締めながら、引き続き、愛とプライドを持って発信活動を続けていきます。

 とゆーことで、ここまでお読みくださりありがとうございました。VTuberさんの素晴らしい楽曲とそれに関わった方々にも最大級の感謝を。

 ではまた!

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