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春猿火 3rd ONE-MAN LIVE 『シャーマニズムIII』ライブレポ

 どうもです。

春姉カッコよすぎです…愛

 4月10日(水)Zepp Shinjukuにて、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」所属のVsinger、春猿火の3rdワンマンライブに行ってきました。彼女の2021年から始まったライブ『シャーマニズム』の完結編で、現地での開催は1stライブ以来なので約2年8ヶ月ぶりとなりました。2ndアルバム『心獣』を今年1月にリリースしたばかりだったので、その楽曲を現地で聴ける楽しみもありましたね。

 暗転すると、春猿火によるナレーションとオープニングムービーが流れた後に「台風の子」でスタート。『心獣』でも最初に収録されている曲なので、納得の力強い開幕。続いたのは、渾身のラップナンバー「Pleiades」でラッパーとして強烈な印象を残してくれました。

 軽くMCで挨拶を挟むと、現地ファンのリアクションを久々に浴びて喜んでる姿が印象的でした。再開の曲となったのは「自由までの距離」エネルギッシュでパワフルながら、しっかり感情の乗った歌声が会場に響き渡ってましたね。次は初のオリジナル曲「台風の眼」と、『心獣』のラストトラックである「Wind walker」を早くも披露。こんな序盤で来るとは思わなかったので驚き。「Wind walker」は予想通りサビの華やかさがライブ映えする1曲で最高でした。

 ここで衣装をお団子ヘアの"五色"にチェンジをして、「声帯学」を披露。ムーディーで心地よい雰囲気になったかと思えば、「迷人」⇒「フリーフォール」とジェットコースターの様な曲順で、歌い方も変幻自在になっていき、彼女の魅力が存分に発揮されてました。勢い止まらず、ゲストとしてレーベルメイトの梓川を呼び、コラボ曲「friction(Remix)」 を披露。生バンドの迫力あるサウンドが鳴り響く中、2人のキレキレな歌声が交錯し、会場のボルテージも最高潮。それを活かす様に投下されたのは新曲「Starcloud」で、キラキラとしたアップテンポナンバーでライブにもピッタリでした。

 再び衣装チェンジタイムとなり、神聖な雰囲気が漂う”九紋龍”に着替えると「早くも後半戦です!」と掛け声から「Oarana」⇒「ディストーション」⇒「哀愁さえも仲間」⇒「daydream」とチルいナンバーやバラードをまとめて披露。清らかで優しさのこもった歌声が沁みますし、ウィスパー気味のラップでは色気や艶感が素晴らしかったです。この辺りの曲を聴いていると、裏声含め高音綺麗すぎるから彼女のバラード曲めっちゃ好きなんだ…って改めて思いましたね。このチルタイムの雰囲気を切り裂いたのは、スペーシーなイントロが印象的な「テラ」でした。この日聴きたかった曲の一つなので嬉しかった…。もう1人の私に向けた赤裸々なリリックと、疾走感に溢れた力強いサビメロがもう最高。しかも続いたのは「中間地点」。春猿火のデビュー以来メインコンポーザーを務めたたかやんが手掛ける最後の曲。過去と未来を繋ぐ、覚悟と決意の表れを確かに感じるエモーショナルナンバーで、ここで一回涙腺がやられましたね。普通に泣きメロがすぎる…。

 少し長めMCとなり、このライブが完成するまでの想いやエピソードを語ってくれました。「皆んなに喜んでもらえる様に、記憶に残るライブになるようにずっと準備してきました。ここは私と皆んなとの特別な居場所です」と前振りから、代表曲「居場所」を披露。昔から大好きな曲だったし、月日を経て楽曲と共に成長したパフォーマンスに感情を揺さぶられました。

 ライブも終盤に突然し、こっからはゲストパート。まずは、ASOBOiSMをゲストに招き「春猿火自由律セッション」で「アイシタイ」「AM2:00」「君という存在」「ゆっくりいこう」をメドレーで披露。ASOBOiSMさんも笑顔で楽しみながら、フロアを盛り上げてくれて一体感が生まれてましたね。次は、ナナホシ管弦楽団が音楽的同位体"羽累"を使用した楽曲「ピトフーイ」を投下。ライブならではの羽累とデュエットは余りにもパワフルで圧巻でした。最後は、まさかのヰ世界情緒が登場して会場からも大歓声。デビュー時期がほぼ同じ2人。「ずっと一緒に歩んできたから、大好きな人と完結を迎えたい」と情緒ちゃんに想いを伝えると共に、デュエット曲「CALL」を披露。高揚感溢れる美しいテクノポップ的ナンバーで、"1、2、3!"などの合いの手やクラップも挟めるライブで沢山楽しめる1曲でした。

 最後のパートに突入する前、ムービーが流れると、新衣装"紅九紋龍"を初披露。赤と黒を基調にしたアシンメトリーで立体的なフォルムが美しく、クルクル回って背中まで見せてくれましたね。しっかり巫女装束感が残されていました。そんな新衣装に加えて、こっからは新曲お披露目パート。ライティングも赤く染まった疾走感溢れるメタルナンバー「META」、ピアノの旋律が印象的だったチルめのバラード「砂時計」、アコギの温かい音色が沁みる「room wear」を続けて歌ってくれました。どれも良かったので、音源リリースが待ち遠しいです。

 ラストのMCでは長めに時間を取り、ライブや春猿火にまつわる沢山の想いを語ってくれました。「シャーマニズムⅢのテーマには、オリジンである私自身と春猿火が一つになる事がありました。春猿火は1stライブの時から娘の様な存在で、どこか隔たりがあって。でも、春猿火を通して私の気持ちを歌うことができたし、強くなった自分がいました。私が変わる事ができたのは皆んなお陰です。これからは音楽の巫女として今度は私が誰かを救えるようになりたい。皆んなの傍にいるから、これからも一緒に歩いていこうね、愛してます」と、涙を交えながら、愛のこもった赤裸々な想いを伝えてくれました。そんな想いを込めた楽曲である最新シングル「身空歌」をラストに披露。リリックもメロディも最高に切なくて、春ねえも身体全体を使って感情豊かに歌い上げていて、先のMCからの流れもあり、もう泣かずにいられなかった。身空歌が今日ほど沁みる日は今後無いかもしれません…。

 アンコールは無く、そのままエンドロールとなりましたが、拍手やすすり泣く声が止まない余韻としてもコレで大正解。計24曲を駆け抜け、最高のフィナーレを迎えたと思います。エンドロールが流れている間も初耳となる曲が流れており、ライブ終了後「巫女」と云う曲名でリリースされました。

 シャーマニズムシリーズの堂々の完結。純粋な音楽ライブに収まらない、彼女の物語が詰まっていたので、テーマ、メッセージ性、文脈と云った点から見ても素晴らしいライブでした。活動当初からファンが思う春猿火とオリジンである本当の姿とのギャップに悩みながら成長していった期間は計り知れない重圧もあったはずで、それを想うと胸が締め付けられましたし、だからこそ感動できる部分が沢山ありましたね。春猿火になる前から今迄の歩みと想いを全部この日まで引き連れてきた彼女の強さを体感でき、彼女と春猿火が一つになる瞬間に立ち会えて幸せに思います。改めて、ありがとうございました!

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