noteの支援のおかげでゲーム制作に挑戦できた。にゃるらが活動できる理由
インターネットでアニメや漫画の感想を投稿していたことがきっかけで、本の執筆や漫画原作、ゲーム制作などをマルチに手がけるようになったクリエイターのにゃるらさん。
noteでファンの人たちから継続的に支援してもらえたおかげで、発売まで収入が得られないゲーム制作に、個人クリエイターとして挑戦することができたそうです。
2022年1月に発売予定のビジュアルノベルゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』制作のきっかけなども含め、話を聞きました。
にゃるら
1994年生まれ、沖縄県出身。進学を機に上京するも、アニメやゲーム漬けの日々を送り、半年で中退。以後、Twitterを中心にオタク関連の発信を始める。2022年1月21日、初めて手がけたビジュアルノベルゲーム『NEEDY GIRL OVERDOS』を発売予定。同年12月23日発売予定の『僕はにゃるらになってしまった ~病みのインターネット~』ほか、複数の著書を執筆。
自分語りを始めてから、ファンが増えていった
ーー文章を書いたり、漫画原作をやったり、ゲームを制作したりと、にゃるらさんは幅広く活動していますよね。今の活動をするきっかけは何だったのでしょうか?
にゃるら:最初はやることもなかったのでTwitterを始めて、アニメや漫画の感想をツイートしていただけだったんです。
それで、140文字じゃ足りないからはてなブログを始めてみたら結構読まれるようになり、たまたま出版社やWebメディアの方から声をかけてもらえたので、ライター業や本の執筆をすることになりました。
ーーどのような仕事から始められたのでしょう?
にゃるら:ねとらぼさんでのインタビュー記事の執筆や、二次元ドリームマガジン、COMIC快楽天などの雑誌でのコラム連載などですね。
ただ、誰かに取材するようなライターの仕事はやりたくて始めたわけじゃなくて、僕はビジネスライクな固い文章を書きたいわけではないんですよね。
自分が書くならテキストサイト的なノリのくだらない文章じゃないと価値がないと思っていますし、そういう考え方を汲んで自由に書かせてもらえる媒体とお仕事できたのは良かったなと思います。
ーー現在はエッセイや漫画原作、ゲームのシナリオなど、オタクとしての知識や経験を活かした文章を書かれていますよね。
にゃるら:そういった自分の内面を打ち明けるような文章を書き始めたきっかけは、ドストエフスキーの『地下室の手記』を読んだことです。
おじさんが地下室でひたすら自分語りをするだけの作品なんですが、そういう作品もあっていいんだなと思って真似してみたんです。
インターネットって一昔前は自分語りがご法度な印象があったので、はてなブログで書いていた時期はあまり自分のことは書かなかったんですが、ネットの雰囲気も変わってきているので。
ーー今はnoteでエッセイを書かれていますよね。
にゃるら:はてなブログからnoteに移行するときに、方向転換しようと書いてみたら、なかなか読者の反応が良かったんですよね。
そうやって自分の生い立ちや感情について書き、人柄を表に出すようになってから、にゃるらという存在に付いてくれるファンが増えたように思います。
*にゃるらさんがエッセイを更新しているnote。リンクは記事の最下部です*
noteの支援のおかげで、ゲーム制作に集中できる
ーーにゃるらさんのファンってどういう流れで付いていったんですか?
にゃるら:普段Twitterを見ていると、4〜5年応援していますという人がいるから、本を出し始めたぐらいからずっと見てくれている人はいるみたいです。
その後、ライターとして記事を書くようになってから僕のことを知っている人がだんだん増えていって、noteを始めてからはより濃く応援してもらえるようになった感じです。
ーー自分のことを書くようになってから、より応援されるようになったんですね。noteではファンの方から月額課金で支援されているようですが、どれくらい役立っているのでしょうか?
にゃるら:かなり助かっているし、noteのマガジンで支援してもらえるおかげで今の生活を維持することができ、ゲーム制作に集中できています。
最近の僕の生活はほとんどの時間をゲーム制作に充てているんですが、まだゲームが発売されていないので、全然お金が入ってこないんです。
ーーnoteでの支援があるおかげで、作っている間はお金が入ってこないゲーム制作に挑戦できているわけですね。
にゃるら:あとは、過去に発売した本の印税や、BOOTHで販売している同人誌の売り上げもありますね。
それらのお金があるおかげで、エッセイを書く上で参考にする資料を購入することもできています。
専門的な本って一冊で8,000円とかしたりするんですが、そういう本が買えるようになったのは良かったです。
あとは好きなフィギュアを購入する費用にも充てています。
*にゃるらさんが同人誌を販売しているBOOTH。リンクは記事の最下部です*
ーー支援があるおかげで、新しい作品を作ることにつながっているんですね。にゃるらさんがそういったファンの人たちから応援してもらえている理由は分かりますか?
にゃるら:ゲーム制作がどんなに忙しくても毎日文章を書いて投稿しているので、それだけ活動していればやる気があるんだなと思われるし、応援されるよねとは思います。
僕の文章を読んでくれる人たちは、知らないことを知ることができて良かったとか、くだらなくて笑えたとか、落ち込んでいたけど読んで少し鬱が和らいだとか言ってくれることが多いですね。
冗談半分で始まった『NEEDY GIRL OVERDOSE』というプロジェクト
ーーにゃるらさんはビジュアルノベルゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』を制作中ですが、ゲームを作るきっかけは何だったのでしょうか?
にゃるら:僕は美少女ゲームが好きで、今まで何度となく美少女ゲームのことを文章に書いてきたわけですが、自分でも作ってみたいという思いはずっとあったんです。
それで、『NEEDY GIRL OVERDOSE』発売元のWhy so seriousの社長さんは前から知り合いだったんですが、ひさびさに会おうとなったときに半分冗談で企画資料を作って持っていったら、とんとん拍子で話が進んで、本当にやろうとなったんです。
ーーそんな流れで制作が決まったんですね。
にゃるら:ゲームの発表は僕にとってインターネットを10年やってきた集大成というか、フォロワーもすごく増えたし、ファンの方たちにも強く応援してもらえました。
今まではインターネットで活動しているよく分からない人だったのが、初めて大きな作品を発表したことで、シンデレラストーリー的に応援したくなる出来事ではあったのかもしれません。
ーー今後はどのような活動を予定されていますか?
にゃるら:まずはお待たせしてしまっているゲームを完成させて、成功させられるといいなと思っています。
その後はゲームの売上次第ではあるんですが、最近は物語を書かないかという誘いがよく来るので、そういった活動を中心にしつつ、サブの活動としてエッセイも続けていきたいです。
ーー最後に、『NEEDY GIRL OVERDOSE』の発売を待っている人たちに向けて一言いただけますか?
にゃるら:今回のゲームは僕が好きなものを詰め込んで作ったものなんです。
「好きなことで、生きていく」というYouTubeを発端とした標語に対して、批判的なスタンスの人も多かったように思いますが、クリエイターとして生きていくからには、好きなことに向き合わないとダメだと思っています。
逆に言えば、好きなものをしっかり詰め込めば面白くなるはずです。
『NEEDY GIRL OVERDOSE』が発売した際はぜひプレイして、にゃるらはこういうものが好きなんだと知ってもらえると嬉しいです。
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作家やnoteで活躍されている岸田奈美さん。
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運営:アル株式会社
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