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ドタバタ米国留学記 #14 遊びを満喫

念願叶って24歳でロサンゼルスの語学学校へ留学するものの、出発したその日から「ろくに準備もせず出国してしまったことを大いに後悔する」っていう、先が思いやられる衝撃のはじまりからの、英語まみれの授業、寮での生活、クセのある人々など、たった16週間に起きたおもしろエピソードをたっぷりと綴ります。

アクティビティでラスベガスへ

ロスに到着してすぐ、勧誘されるがまま『ディズニーランドへ行く』アクティビティに参加しました。
アクティビティとは、簡単にいうと『授業外での活動』のこと。
自由参加の催しで、Free (無料) だったり有料だったり、ちょっとしたパーティーや観光地に行くなど種類も様々です。
クラスの外で英語を使う機会でもあるし、自力では行けない所なんかは参加したいと思っていたので、いろいろある中から『go to Las Vegas』を選んで申し込みをしました。
ラスベガスへは旅行で行ったことがあり、どこに何があるかはなんとなくわかっていましたし、普通にカジノで遊びたかった、っていうのもあります。
ラスベガスのどこに行くのか、どこに泊まるのかもよくわからない未知の内容でしたが、連れて行ってもらえるならぜひ行きたい、と思ったわけですね。

たしか、6月のアクティビティだったと思います。
出発当日、集合場所に行くと、バンが2台停まっていました。
どうもこれでラスベガスへ行くようです。
この時点で、参加者は車で目的地までどれくらいかかるか等、なんの情報も得ていません。
誰も、何も聞いていない。
ただ、途中何度か休憩を取る、との説明はありましたけど。
「Hey guys. We're leaving for Las Vegas!  Get in the car~hurry~~~ !」
(みんな〜、ラスベガスに出発するわよ!車に乗って〜急いで〜〜〜)
と、「とにかく車に乗れ」みたいな感じで急かされ、出発しました。

1時間くらいはフリーウェイを走ってましたかね?
その後街を出ると、砂漠のような1本道をひたすら走るんですが、振動がものすごいんですよ。
もう、お尻が痛い。
特に、最後列のシートは直角なので、負担がハンパないんです。
ワタシが乗ったバンは (たぶん) 9人乗りで、最後部には女子が3人ギュウギュウ状態で乗っていました。
最初の数時間はみんなキャッキャしてたんですけど、だんだん無言になりましてね。
途中で寄るお店でトイレ休憩する時に、それぞれの負担を軽くしようと他の人と座席をチェンジしたりして、なんとかしのいでましたけど、相当キツかったです。
学校からラスベガスまでは約420km。休憩を挟みながらだと最低でも5時間を超え、渋滞に巻き込まれればそれ以上、といえば大体想像がつくと思います。

行きの時点で「帰りもこんな感じなのか」と、まだラスベガスに到着していないのに帰路を想像して凹むっていう、それくらいハードな乗り心地でくじけそうになりましたからね。
でもそこは「目指せラスベガス!」ってな具合に、遊びに行くテンションは十分満タンですから気合いでなんとかなり、6時間ほどのドライブを終え、無事にラスベガスに到着しました。

ホテルに行く前に、街を歩きます。
で、訪れたのが『コカ・コーラストア』。

巨大なコカ・コーラのボトルが埋まっているデザインの建物は、コカ・コーラ大好きなワタシには大興奮の光景です。
店内 (1階) はコカ・コーラグッズだらけだし、2階はコカ・コーラの歴史展示みたいになっていて、いろんな国のコーラが試飲できました。
たしか、コーラの噴水もありましたよ。もしここにサウジアラビア人のジャシアがいたら「オレの家もこんな感じ。ペプシだけどね」と、ノッてくれたに違いありません。
当時は『コカ・コーラ博物館』だったと記憶しています。
予算がなく、グッズは何ひとつ買えませんでしたけど、この時見たコカ・コーラの世界を自分の空間に持ち帰りたいと「いつか、自分の部屋にコカ・コーラのテーブル&ソファを置く」というのが将来の夢に加わりました。

とにかくいろんなところを回って、もちろんカジノにも行き、ホテルにチェックインとなったところで宿泊場所が判明します。
ホテルの名前は忘れましたが、ビジネスホテルみたいな規模の、こじんまりとした部屋に数人詰め込まれた感じでした。
ルクソールだのシーザーズパレスだの、そんな所に泊まれるとは思っていませんけど、だいぶ安そうなホテルでしたね。
翌日にはもう帰るので、みんなカジノに遊びに行って部屋に帰って来ず、誰が一緒の部屋だったのかもよくわからないまま、ワタシは部屋でガッツリ休んでたっぷり眠りました。

帰りのことはあんまりよく覚えていないんですけど、せっかく来たからと、グランドキャニオンに寄り道 (遠回り) したと思います。
グランドキャニオンを眺めた気はする。
立ち入ったショップでバッグを買ったのはハッキリ覚えているので行ったのは間違いないんですけど、さほど記憶に残ってない、っていうね。
途中渋滞にハマりますが、参加メンバーはほぼ全員睡眠不足で死んだように爆睡してたので、車内は静かなもんでしたよ。
眠いわ、体は痛いわ、結局ロスまで7時間くらいかけて戻り、学校で解散となりました。
楽しかった?と聞かれると正直微妙で、「過酷だった」がまずはじめに思い浮かびます。
ラスベガスの参加費は他のアクティビティよりも高く、申し込む人が少なかったんですね。人数が多ければ大型バスだったのかなぁ〜、とか思ったりして。
参加者の大多数が日本人、っていうのも当日知りました。
だから、「あまり英語の勉強にはならなかった」っていうのが、ワタシには楽しめなかった理由のひとつでもあったかもしれませんね。

ユニバーサルスタジオへ行く

ユニバーサルスタジオハリウッド (USH) へ行くアクティビティもあったんですが、そっちに参加することはせず、友達の車で仲良しメンバーだけで遊びに行くことにしました。
余談ですが、ワタシが通っていた学校は、空港 (LAX) 、ディズニーランド、 USH まで、全て車で30分前後で行けちゃう位置にあるんですね。

もう、超便利。
他にもいろいろあるので、ものすごく遊べちゃう。
だから、ホント、車を持ってなくて良かったと思います。
こんなの、毎日遊びに行っちゃうに決まってますからね。

USHまでは道路も順調で30分程で到着し、アトラクションは日本みたいに "行列に並ぶ" なんてことはないので、ストレスなく回れました。
すると、観光客と思われたのか、ナンパされましてね。
普通に、「Are you Japanese?」みたいな。
「イエス」と答えると、おかしな日本語で話しかけてきます。

「ナマエデスカ?」

「名前、何ですか?」と言いたいんでしょうけど、" 何 " が抜けちゃってる。
「それ、間違ってるよ」なんて正したりなんかすると面倒なことになりそうなので、聞こえないフリして日本語だけで話してたらどこか行っちゃいましたけどね。
友達曰く「わざと間違えて気を引く作戦だったかもしれない」と、そこではじめて「そういう手もあるのか」とナンパの奥深さを知りました。
定かじゃないですけど。
アメリカ人ならあるかもしれない、と何だか納得してしまいました。

少しだけ混んでいたのは『ジュラシック・ワールド・ザ・ライド』で、長い列を整理するためのロープが張られていました。
そこに並んでいた時のこと。
ロープをくぐり抜けて前へ前へと進んでいる女の子がいました。列の前の方に友達がいるのか?どんどんロープを潜っていくんですけど、簡単に抜けられるロープの張り方はされていません。
ある所までしか進めないようになっているのを知らない女の子は、スイスイ抜けられるのでこのまま前まで行けちゃう、と思うわけですね。
するとそれが、いきなり "行き止まり" になります。
その瞬間、彼女は目をまんまるくして口をあんぐり開け、両手を頭にあてて叫びました。

「オ〜〜マイガ!」

マンガみたいな光景。
はじめて見る、本物の "Oh my god! "。
絶望感たっぷりのあの表情は、今でも忘れられません。
「本当に言うんだ」っていう驚きと可愛らしさに、一緒にいたナオと大爆笑してしまいましたけど。

アトラクションは他に、バックドラフト、バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド、ウォーターワールド、なんかを満喫しました。
カリフォルニアの気候は水に濡れてもすぐ乾くので、ビシャビシャになっても全然平気だし、車で来ているから時間も気にしなくていいし、土産を買う必要もないし、観光で来ているのとはちょっと違った気分だったので、ゆったりのんびり、たっぷり楽しみました。

レストラン

外食も、結構した方だと思います。
シーフードレストランで海老のパスタを食べたり、日本食レストランで卵かけご飯を食べたりしましたね。
アメリカでは卵を生で食べる習慣がありません。
というか、生では食べられない卵なんです。
それが、日本食レストランに行った時「生で食べられます」ってことだったので、卵をもらってご飯にかけて食べたんですよ。
「卵かけご飯って、こんなにウマかったんだ」と、心底感激してウルウルしながら食したことを思い出します。

違う意味で驚いたのは、ファミレスの "Denny's" でした。
日本の感覚だと、ファミレスは『メニューが豊富でお手軽、味も安定していて、店内が過ごしやすい』っていう印象だったので、気軽に入ったんです。
すると、店内は薄暗く、店員は明らかに高校生でいい加減、メニューは少なく値段が高い、そしてマズい。
最悪でした。
"ホワイトソースのフェットチーネ" を注文したら、グニャグニャのきしめんみたいな麺に、味のしないホワイトソースがかかった、クソマズいパスタが出てきたんです。
味をなんとかするには、テーブルにある塩とコショウを振りかけるしか方法はなくやってみるんですけど、結果は想像どおり。塩とコショウの味がするだけです。
なのに、7ドル。
しかも、チップも払わないといけないので、プラス1ドル。

ものすごく、損した気分。
結局、半分以上残したし。
お金とっちゃダメなレベル。
謝ってほしいぐらい。
これほど「もったいないことした」と思ったのは久しぶりでしたよ。

「アメリカでは食べ物に期待なんてしちゃいけない」と思ったキッカケがコレだったんですけど、バーガーショップ『In-N-Out』に行って、それは覆されました。
ワタシは肉が食べられないのでついて行っただけだったんですけど、ポテトをつまみ食いさせてもらったら、すごく美味しかったんです。
挟んである野菜がフレッシュで、トマトが甘くて (これもつまみ食い)ビックリしましたね。
友達は「これ食べたら、もうバーガーキング行けない」って言ってました。

アメリカの食事がツボにハマる子は、少しずつ体型が丸くなっていきどんどん大きくなっていきますが、ワタシはその逆で、ちょっとずつ食欲がなくなっていきました。
この時はまだ動けていますけど。


つづく・・・

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