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カウンセラーがカウンセリングを受けた話

この記事が役に立ちそうな人:カウンセリングを受けたい心理職や一般の方

私は普段、臨床心理士/公認心理師として人の心に関わる仕事をしています。

そういう仕事のかたわら、自分が相談する側となってカウンセリングを受けていた時期がありました。
今回はその経験をお話しします。

カウンセラーでもあり、クライエントでもあり

カウンセリングを受けたいと思った理由

なぜ自分がカウンセリングを受けたいと思ったかというと、理由は主に二つあります。

①悩み事があり、誰かの助けを借りたかった
②自分がカウンセリングを受ける経験を仕事に活かしたかった

①は、一般的に人がカウンセリングを受ける理由と同じですね。

②は、心理職ならではかもしれません。
カウンセラー自身がクライエント(相談者)としてカウンセリングを受けることで、自分の考え方の特徴に気づき、その後の心理業務に活かすことができます。

たとえば、「実父が高圧的な人だったので、実父と同年代の男性の前ではひどく緊張してしまう」という特徴があったとします。

その場合、自分が心理職として心理的支援を行う時に、父親世代の男性に対しては十分な働きができなくなるかもしれません。
自分の中にそういう部分があると知っていれば、事前に対策することができます。

相談機関の探し方

日本臨床心理士会のサイトにある「臨床心理士に出会うには」で希望の条件を入力して検索しました。

「臨床心理士に出会うには」のページ(スマホ版)

最終的に、個人開業をされている先生のカウンセリングルームでカウンセリングを受けることになりました。
自宅に近い相談機関とは日程の折り合いがつかず、遠いところになってしまいました。

カウンセリングルームはアパートの一室でした

終結

およそ一年ほどカウンセリングを受けて終了となりました。

終わりにした理由としては
①当初の主訴(悩み)がある程度解決した
②金銭的・精神的・時間的に負担が大きかった

の二つが挙げられます。

受けてみてどうだったか

まず、それまで悩んでいた問題がある程度収束し、自分でコントロールしていけるようになりました。
おかげで穏やかに日々を過ごせています。

自己理解も進みました。
カウンセリングを受ける前よりも無理せず、自分のペースで生きられている感覚があります。

一方で、つらいこともありました。

一番きつかったのはお金のことです。
学会費や研修費などの出費もあったため、その時の自分にとっての優先度を考え、ある程度問題が解決したところで終結を選びました。

精神的にも、過去の嫌な経験を思い出して気分が落ち込むことがありました。

また、カウンセラーの先生に対して面接の内外で「ん?」と思うこともありました。
それを面接の中で十分に話し合えなかったことは私の課題でもありますが、「カウンセラーとクライエントには不平等性がある」ということを身をもって体験しました。

いい体験でした

以上のように、カウンセリングを受けたことでいいことも悪いこともありましたが、トータルとしてはいい体験だったと思います。

自分がカウンセリングをする時の参考になることもたくさんありました。
今のところ特に大きな悩み事はありませんが、そのうちぜひまた受けたいと思っています。

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