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もう死んでしまいたいと思った。〜私が公認会計士になるまで#7〜

こんにちは。

公認会計士の大塚としひでです。

公認会計士になるまでをつづったお話、

全10回のうち第7回目となります。

今回は重いテーマですね(苦笑)。


前回のお話しはこちら。


家にとじこもる


論文式試験に合格した翌年の2003年、

なんと短答式試験で不合格になってしまいました。


さすがにこれはしんどかった。

試験発表の後、頭の中が真っ白になりました。

きっと周りの受験仲間は、私にたくさんの優しい

励ましの言葉をくれていたのだと思いますが、

はっきり覚えていません。


合格発表後、私はひどく落ち込みました。


外に出て人に会うのも億劫になり、

しばらく家にひきこもってしまいました。


今考えても、当時の精神状態は本当にヤバかった。

食事はのどを通りませんでした。

のどを通らないことって、本当にあるんだなと。


すでに大学を卒業して数年がたち、

25歳となっていた自分は、

すねをかじりまくった親に申し訳なさすぎて、

いつまでたっても結果が出ない自分が情けなさすぎて、

毎日自然と涙が溢れてきました。

何もやる気はおきませんでした。


もう死んでしまったら楽かな、

って本気で思いました(もちろんそんな勇気もありませんでした)。


じぇいさんからの電話が自分を変えた


1週間くらい、そんな状態が続いたでしょうか。

ある夏の昼下がりの蒸し暑い午後です。

じぇいさんという受験仲間から電話がかかってきました。

聞けば、なんとじぇいさんも短答式試験で

不合格となってしまったとのこと。

しかし、すでに来年に向けて勉強を再開しているとのことでした。

じぇいさん:「いまどうしているの?」

自分:「いや、もう何もやる気が起きなくて。もう会計士試験やめようかと思ってます。。。あれだけやってもうダメなら無理ですよ。死にたいくらい悲しくて、・・・・」

私の弱音をひととおり聞いてくださったあと、

じぇいさんはこう言いました。

「・・・やめちゃだめだ。」

シンプルだが、その時の自分には、一番ほしい

言葉だったのでしょう。

そこからじぇいさんがいろんな話をしてくれました。

今では記憶があいまいですが(笑)、

ただひたすら私を励ましたり、

じぇいさん自身の会計士試験に対する想いや、

なぜ自分がそんなに頑張るのか、

そんなことを話してくれてたと思います。

なにより、その時の自分の心境をはき出し、

それを理解できる状況の人がじっくり聞いてくれた、

というのが大きかったのかもしれません。

不思議と、それまで私を支配していた、

ネガティブな感情の霧がはれていきました。

私が、受験を続ける決意をした瞬間でした。


なぜそんなに継続できたのか


ところで、なぜそこまで続けられたのか。

そんな問いをいただいたので、

ここで書いてみようと思います。


今、その問いについてあらためて振り返ってみると、

いろいろなことが思い浮かびます。

・まわりが合格していく姿をみて悔しかったし、自分もやればできると思っていた。

・昔、一度始めたことは、最後まであきらめるなと父親に言われていた。

・大学を卒業して数年が経ち、就職環境もいいとはいえず、やめるにもやめられなかった。

・会計士になった夢のような自分を一度思い描いてしまったから、その想いを捨てきれなかった。

などなど。

こんな思いが複雑に絡み合って、

辞めるという選択肢が選べなかったのかもしれません。

ただ、次の理由が一番大きな継続理由だったのではないかと思います。

それは、

・自信が欲しかった。

です。

私は、昔から劣等感のかたまりでした。

自分は平凡で、

人よりたくさん勉強しなければ成績は上がらなかったし、

運動も特に足が早いわけでもなく、何かに優れていたわけではない。

ずっと続けていた野球も、

140kmを投げるピッチャーでもなければセレクションに

かかるような選手ではなかったし、などなど、

それこそごくごく普通の人だと思っていました。


そう思っていた私は、何か一つ、

これをやったぞと人に自信を持って言えるものが

欲しかったのではないかと思います。


その頃、ここで試験をあきらめることは、

残りの人生でずっと劣等感を背負って生きてくことだ

と思っていました。

そしてそんな人生が嫌だった。

自分の自信、誇りのために頑張り続けたのだと思います。

ただ、振り返ってみて思ったのは、

公欲の要素が乏しい(苦笑)。

〇〇な人を救いたい、◆◆を世の中に広めたい、

そんな理由はほぼ持っていませんでした。

強いて言うと、父が税理士だから、

やがて継ぐ人がいた方がいいと思い、資格をとって、

身近で、苦労をかけた父や母を喜ばせたい。

そんなところでしょうか。


自分を今まで大切にしてくれた身近な人や、

大好きな仲間の力になりたい、

笑顔が見たい、喜んでもらいたい。

これは今も変わらず持ち続けている、公欲とも言える

想いです。

間接的かもしれませんが、もしかすると受験を

継続する理由の一つになったのかもしれません。

ということで、

会計士にならないといけない理由があって、

会計士試験になんとしても合格したかった、

そんな直接的な理由はふりかえっても

思い出せませんでした。

同業者の方は、人によっては、世のため、人のため、

というすばらしい公欲のもとに志した方もいるでしょう。


私はというと、まさに自己実現のために頑張り続けた、

それがホンネです。

それにいいとか悪いとかはなく、ただそれが正直な

想いだったといいお話しでした。


まあ、かっこいいプロフィールをつくるためには、

少し物足りないかもしれませんが(笑)。


ということで残り3回、次回もよかったらお読みくださいね。

(つづく)

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