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アンガーマネージメントを試す前に知っておくと良いこと

 私はここ十年くらいで、アンガーマネージメントという言葉をよく聞くようになりました。もっと前からあったのかもしれませんが、要は感情の発露をコントロールすることなので、はるか昔からあった話題ですね。

 前回、突然怒り出す人の特徴など掲載しましたが、普通の人でも怒りの感情を抑えたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
 いろいろなアンガーマネージメント関連の書籍が出ているのですが、目を通すと、最も重要な点が抜けている本が多い事に気づきました。それは、「自分がどうしても制御できない思考の癖を最初に詳しく把握し、理解しておく」、ということです。
 よく、怒りの感情を持っても5秒なり15秒なり時間を置くと冷静になるとか言われていますが、そもそも5秒、15秒を待てない人も多いと思います。それは、怒りの感情を持つと、「待つ」という考えが出てこなくなる人なのです。
 それ自体は良い悪いではなく、その人の思考の癖なのでそれを変えるのは大変です。すぐに他の方法を試すのもいいですが、先に自分の思考の癖を把握した方が有効な方法を見つけやすいと思います。
 要するに、自分が何に対して・どういう場合に怒りの感情を持ちやすく、怒る時にはどういう事を考えているのか、またどういった事であれば怒った対象以外の事を考えられるか、などを把握して自分の思考パターンを理解するということです。
 例えば、私は頭に来ることがあると、最初に「待つ」という考えが出てこないので、違う方法で怒りの感情を抑えています。
 私は、怒りの感情を持った時に、「なぜこの人はこんな事をするのか」と考えますので、怒りの要因を「分解する」「分析する」という方へは思考を自然に誘導できることがわかりました。今は「怒りを感情を持った時はまずその要因を分解・分析する、そのうえで怒りの感情を表に出す必要があるかを判断する」と決めて対応しています。実際は「怒ったら原因を分解・分析」くらいの簡単な言葉で意識しています。
 私には有効な方法ですが、ほとんどの人には当てはまらないと思います。ただ、自分の思考パターンに沿った対応方法なので特に訓練も必要なく、無理なく感情を表にだすかどうかの制御ができています。

 どうやって自分の思考パターンをつかむかという点ですが、これは「自分が怒った時の感情の動きと何に対して怒ったか、それに対してどのように、どういう順番で考えていたかを思い返してみる」、という事だと思います。これで基本的な自分の思考の癖を把握できます。
 先に考え方を整理していなくても、怒った時でも一つの方向に思考が固まらない人ならば先ほどの「待つ」という方法が有効かもしれません。一方、怒るとそのことに思考が囚われる人は、事前に対応方法を決めたりといった別の対策が必要なのだと思います。
 また、すぐに怒る人と、少し時間を置いてから怒る人も対処法が違ってくると思います。

 結局、感情の制御も技術の一つで、さらに思考には個人差があるので一様な対応では全員に効果は望めないという事です。思考のパターンは個人差が大きいので書籍等に書いてあることは数多にある対応法のいくつかを知識として得る手段としておいた方が時間を無駄にしないと思います。
 
 重ねての記載になりますが、アンガーマネージメントをするのであれば、まず怒りの原因の発生時から感情の発露までの自分の思考の癖を把握するのが成功する一番の近道だと思います。
 
 この記事がみなさまの役に立てれば幸いです。


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