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青の本棚で見た水色の本は、心を穏やかにする海のようだった。



いつも可愛いイラストや詩的な文章を綴られるmuさん。

3週間前になるが、
この記事の中にある青をテーマにした絵本や本達の写真に目を奪われ、その中で読んでみたいと思った本があった。

それは、
工藤直子さんの作品に、
長新太さんの絵が添えられた、
いるかとくじらの友情のおはなし。

工藤直子さんの絵本は何冊か読んでいたが、おうみのひとさんの読書記録を読んで借りてきた『ねこはしる』でその詩というか文章にじーんときて好きな作家さんになった。この本はmuさんの青い本棚にもあった^^

長新太さんも絵本や挿絵を色んなところで描かれている。先日読んだ『さかさまライオン』もそうだ。
本書にたくさん入っている挿絵も、絵が文章を補うという表現は勿体無い程、なくてはならない要素になっていた。



私が図書館で借りて読んだのは上の表紙の本。
挿絵は違うのかなぁ。
どちらの表紙も可愛い♪



いるかもくじらも、孤独がすき。
眠れなくて寂しい静かな夜に2人は出会った。

孤独がすきだけど、
2人でいるのも悪くないなとお互いに思った。

「みんなは、すごいともだちだね、いつかあわせてって。…ぼく、いいともだちがいて、ほこらしかったなぁ」

くじらはだまって下をむき、
《いいともたちがいて、いるかほこらし》と書いた。

<中略>

くじらはメモをよみかえしていたが、いちばんさいごに、一行つけくわえた。
《いいともたちがいて、くじらもほこらし》

『ともたちは海のにおい』
マリンランドへ行く いるか より


体操好きないるかと、
本好きで哲学的なくじら。

何かあると真っ先に言いたくなったり、
聞いてもらいたくなったりする相手。

2人は正反対だが、
お互いがお互いの違いを認め、尊重する。

あぁ、ともだちってこういうものだよね^^
と、しみじみと思う。


いるかは、くじらのお腹のそばで、しばらくめをつむった。くじらも、波にゆられて、じっとしていた。

「ああ、くじら。
とても気分がよくなった。ありがとう。
また泳いでくる。さよなら」
「それは、よかった。さよなら、いるか」

いるかは、うちへ帰りながら、ぼくは、くじらのことすきだ、と思った。

『ともたちは海のにおい』
こわがりのときの いるか より


他にもたくさんある2人のエピソードが
微笑ましくて優しくて^^

間に挟んだ海目線の詩や、
くじらのメモ書、
いるかの手紙も良かった。


お天気の良い日に、
波に揺られて海の上にプカプカ浮いているような、
静かで深い夜に、
なんて話をするでもなく一緒にいる暖かさのような、

心地良くて穏やかな気持ちになる時間を過ごした。

これからも”本という海”に
たくさんのともだちが来てくれるのを、
いるかもくじらも楽しみに待っているそうだ。


ともだちを意識する多感な子どもたちが
1人でこっそり読むのにいい。
何度となく読みたくなるバイブルになると思う。
海の話だし、夏休みに読むのにもピッタリだ^^

大人の私でも手元に置いておきたくなった。
(muさん、やっぱりスキわだぁこの本。
教えて頂きありがとうございます^^)

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