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学習するという事を考えよう!!

 2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて105回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続して投稿を始めて102回目です。
 そこで、連続投稿の初回に取り上げた
「中学校での勉強について」を振り返り
学習するという事をもう一度書き留めておきたいと思います。

 最初に質問
 正直言って、勉強が好きじゃない生徒は手をあげてみてください。
 そう、そうした生徒に向けての文章です。

 みんなが、いっている学校は、小学校か中学校ですね。
 学習指導要綱という法律があって、
小学校と中学校ではどんなことを学習するのかが決められています。
 2023年(令和5年)現在、2017年(平成29年)に決められた内容が基本です。
そして、この法律に従い各学年や各教科について指針が決められています。
しかしこれは、先生から見たときの学習の進め方で、
生徒からでは、気をつけることが別な面から見えてきます。

 まず、小学校での「がくしゅう」について、お話ししましょう。
「がくしゅう」とは「べんきょう」をして、何かを学び覚えることです。
 小学校は二年ごとに低学年・中学年・高学年にわけられます。
 低学年では、これからはじまる「がくしゅう」へのじゅんびをします。
だから、そんなにややこしくなく、わかりやすい内容になっていて
先生のおはなしをきちんと聞いていれば、ほとんどわかります。
 中学年になると科目別に少しづつ、きほんになる「ちしき」を学びます。
なので、だんだんややこしくなってきますので、
「じゅぎょう」をきちんと聞いてないと、わからないところがでてきます。
 高学年では、中学年で学習した内容をもう少し詳しく学びます。
授業で習ったことを、しっかり覚えているか確認する必要があります。
 小学校では学校での授業をしっかり聞いて、
宿題で内容を覚えているかを確認しておけば、なんとかなります。
それだけ「あそび」の時間ができるように考えられているようです。

 中学校になると、勉強のやりかたが変わります。
 小学校では、音楽と美術以外は担任の先生が教えていたと思いますが
中学校では、教科ごとに専門の先生が教えに来てくれます。
 そして、小学校の時より教える内容が多くて、しかも速度が早いです。

 小学校の時は、授業中に教科書を読み、
先生が黒板に書いてくれる内容をしっかりノートに写せば、
なんとなく授業がわかっていたと思います。
けれど、中学校で小学校と同じやり方をしていると、
そのうち授業がわからなくなります。

 それは勉強の目的が違っているからなんです。

 別の方向から考えてみましょう。
 小学校と中学校は義務教育と言われ、
保護者は必ずこの普通教育を受けさせる事と定められています。
つまり、皆さんは学校教育を必ず受けなければいけないということです。

 だけど、どうして小学校と中学校に分かれているんでしょう?
 小学校ではこれから一生続く「学習」に対する気持ちを育てる事が目的であるのに対し、中学校では「考える力」をつけることを目的としているからです。
 しかも小学生は、先生の教えてくれる事に、ついてゆけばいいけれど
中学生には「自分で考え」「自分で見つけ」「自分で学ぶ」ことが求められます。
言い方を変えると「自学自習」ということです。

 だから、教え方も変わってきます。
授業時間中は今日学ぶべきことの解説が中心となるので、
何を説明されているのかがわからないと
授業を受けていても、おもしろくありません。
 おもしろくない授業を受けていると次第に授業そのものがつまらなくなり、
その科目が嫌いになり、しまいに、勉強が嫌いになってゆきます。

 じゃあ、どうしたらいいんでしょうか?

 中学校で大切なことは次の三つです。
何がわからないかを、はっきりさせる。
先生の解説をしっかり聞き、わからなかったことをメモする。
メモしただけだと忘れるので、もう一度読み直す。

 つまり、
①明日やる教科の教科書を開き解らない所にアンダーラインを引いておく。
 ⇒予習です。
②授業中、先生の説明がアンダーラインのところに来たら、メモする。
 ⇒授業の学習です。
③家に帰ってから、今日受けた説明がしっかりわかっているか確認する。
 ⇒復習です。

 ここで、残念なお知らせがあります。
 せっかく覚えても、少しづつ忘れるのが人間なんです。
だって毎日の出来事を全部覚えてたらきっといやになっちゃうから、
頭の中は適当に忘れるようになっているんです。
 で、取りあえず覚えたことを「短期記憶」といいます。

 自分の名前や、住んでいる所といった、大切な事は忘れませんよね。
 それは、頭の中で繰り返し考えているからで「長期記憶」といいます。
 掛け算の九九は覚えるのに苦労したけど今ならスラスラ言えるでしょう。
 
 勉強した内容も同じように、毎日確認するだけでなく、
三日たった時にもう一度見直したり、
一週間たった時に、また見直すということを続けると忘れなくなります。
 
 高等学校では、更に自分で学び、覚える事が要求されます。
そのために、中学校の時に「自学自習」をする習慣をつけておきましょう。
 学習は一生続きます。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ 



 学校では「学習」を教えてくれますが、
肝心の「学習の仕方」や「心構え」といったことを教えてくれません。
 一番生徒に近い存在である皆さんは、
しっかりと関係性が成立していて、
生徒に対し、丁寧に解説できる立場にあります。
良い相談相手として、また善き話し相手として
近くで寄り添ってくださることを願っております。

08..MAR.2023.ARAI