マガジンのカバー画像

亀井健自然に帰る日記

83
運営しているクリエイター

#優しい

優しい乱暴、配信するよ。

先日終わりました演劇シーズンの配信が始まるみたいです、たった三日間。
是非是非、眺めてみて下さい。

【特報】
札幌演劇シーズン2021-冬、
参加3作品の期間限定・全編無料配信が決定!
本日26日(金)19:00より
札幌演劇シーズンYouTubeチャンネルにて配信スタート。
28日(日)まで!!
https://www.youtube.com/channel/UCySEWZe6UrbqWO-h

もっとみる

優しい乱暴 原案小説その6 完結

繁華街のバス停

バスを待つ八十五歳の女の子を由利が見たのはどれくらい前だっただろうか。たった数ヶ月前の事だった気がする。
「水野、バス停はまだかな」
どれくらい時が過ぎているのか。
由利は風景に混乱している。
それはたぶん女子高生に戻った水野も同じで、突然老人になった蟹江も同じ様に混乱しているのだと由利は考えていた。
その由利はカツラをはぎ取られ、中途半端な女装姿で頭に下りますのボタンをつけて

もっとみる

優しい乱暴 原案小説その5

殺し屋は阿呆面が地面に向かって垂れた。突然光の中に現れたのは蟹江だった。蟹江は殺し屋の垂れる顔を両手ですくうつもりだったらしく、差し伸べた手を見ながら「あぶねぇあぶねぇ」と小声でおどけている。水野ははち切れるくらいの笑顔をしたのだが、それが蟹江のおどけのせいだったのか、老婆を救うという発見のせいだったのか、由利はどうでも良かったのに聞く。
「どうして笑う?」
水野は答えるのが面倒だから笑い続けた。

もっとみる

優しい乱暴 原案小説その4

ひどい二日酔いで、今日も鏑木エリエリレマサバクタニ八十七歳の家です。そこで殺し屋と合う約束です。蟹江の家の時計が壊れているので約束を守れるのか不安だったのです。尋ねてくるのは殺し屋ですけどね、待つ方もしっかりと約束の時間に待っていたいものですから。鏑木エリは突然の訪問に寝間着から先日売りつけられたオレンジのワンピースに着替えて無理に三人をもてなしている。まるで似合っていないのだから売りつけられたの

もっとみる