ポテ巻

サークル『ポテト亭』主催。 映画、小説、アニメ、ラジオ、音楽。 崇教真光の二世信者です…

ポテ巻

サークル『ポテト亭』主催。 映画、小説、アニメ、ラジオ、音楽。 崇教真光の二世信者ですが日本会議の思想にはハッキリとNOを突き付けます。 https://twitter.com/OreUnza?t=x3QKTFjobkOynWQLrrDUqg&s=09

最近の記事

【二次創作】シュヴァルとキタサン――誕生日の帰り道

「お姉ちゃ〜ん、プレゼント決まった〜?」 「うーん、まだね。シュヴァルが好きそうなもの、なかなか見つからないわね」 「だよね〜。シュヴァちに合う香水って難しいよね。『フローラル系』でもないし、『オリエンタル系』も違う。『マリン系』はあからさまだしな〜……。あっ、見て見て! この香水、お姉ちゃんの雰囲気にぴったりかも〜♪」 「もう、今はシュヴァルのプレゼントを決めてるのよ。私の香水はいいの」 「えへへ、お姉ちゃんのはすぐにイメージ湧くんだけどな〜。優しい抱擁力と魅力的な

    • 【二次創作】シュヴァルとキタさんの梅見ランニングデート

      「シュヴァルちゃん♪ はい、あ〜んして、あ〜〜ん!!」 「も、もう、食べられないよ……」モグモグ 「遠慮せずにどんどん食べて〜! シュヴァルちゃんのためにいっぱい作ったんだから!」  リスのように口いっぱい食べ物を頬張る僕の目の前で、キタさんが満面の笑みを浮かべていた――。  手元には、顔と同じくらいのサイズがある巨大肉まん。  いくらなんでもデカすぎると思うが、沸きあがる熱々の湯気とモチモチの生地は、食欲をそそる料理のコマーシャルのように魅力的なビジュアルを放ってい

      • 【二次創作】 シュヴァルとドゥラメンテの春を告げる雪割り桜

         冬の陽光が虚ろな背中に射し込み、冷たい土のうえには無様な影法師が映し出されていた。  お気に入りのマリンキャップに積もる小雪に触れる。その儚い雪でさえ、今の僕にはとても重く感じられた。 「今日も、寒いな……」  風花が舞う冬晴れの午後――。僕はトレセン学園のグラウンドに立ち尽くしていた。日課のランニングをしなきゃならないけど、あまり気乗りがしなかった……。  真っさらな雪が点々と積もるグラウンドは、殺風景な景色が描かれたキャンバスのように鬱蒼としていた。  すっと息

        • 【二次創作】 シュヴァルグラン 決意の返し膳

          〜~〜~ ※ウマ娘の二次創作となります。 3期のシュヴァルグランを初めて見たときから、いつかSSを書きたいと思い、ようやく完全しました。 楽しんでいただけたら嬉しいです。 〜~〜~ ◇ ◇ ◇ ◇ 「また、勝てなかったな……」  僕は虚ろな目をしながら春のうららかな風を浴びていた――。  淡い色した桜の花びらが儚げに舞い散り、何もない虚空に吸いこまれていく。誰の目にも留まらず、期待に応えることもなく、冷たい廊下を孤独に吹き抜けていった。  それを見ていたら、無性に

        【二次創作】シュヴァルとキタサン――誕生日の帰り道

          ドライブアットロッキンリバー

          ――― あらすじ ―――  元芸人のタクシードライバーは赤坂の街で怪しい二人組を乗せた。彼らの傍若無人な振る舞いに、タクシードライバーの心身は次第にすり減っていく。目的地に着いたとき、彼の目の前で、身の毛もよだつ事態が起きる……。 ――― 登場人物 ――― ◉ 田中ナオト…………タクシードライバー 元芸人 ◉ 平戸………半グレ 兄貴分 ◉ 酒木………半グレ 弟分 ◉ 原田………田中の元相方 【 Ⅰ.バイオレント・ドライブ】  赤坂見附のタクシー乗り場の前は、凪いだ

          ドライブアットロッキンリバー

          コミティア146お品書きについて

          今週、12月3日の日曜日。東京ビッグサイト西ホールにて開催される『コミティア146』にサークル参加します!サークルは『ポテト亭』 配置は『R-25b』となっております。 以下、お品書き―― 新刊は2冊カルト教団を舞台にしたバイオレンスアクション、『ミッドナイトブルーリベンジ』元芸人のタクシードライバーがヤバい二人組を乗せて東京の闇夜を走る、『ドライブアットロッキンリバー』 『ミッドナイトブルーリベンジ』の表紙はmizukochikoさまに描いて貰いました!はじめてのイラ

          コミティア146お品書きについて

          文学フリマ東京から1週間

          経ちました。 当日、拙サークル『ポテト亭』に足を運んでいただいた方、本を手に取っていただいた方、全てに感謝申し上げます。本当にありがとうございました! 以下、サークルの様子、見本誌、出逢った本。 初参加の文学フリマ、日本中から集まった本好きが醸し出す独特の雰囲気を思う存分堪能しました。同時に自分自身のちっぽけさも思い知り、自信喪失も味わいました。しかしその分、次作に注力しなければという気合いも芽生えました。つまり、またサークル参加したい! 本と人との忘れえぬ出逢いに感

          文学フリマ東京から1週間

          明日は文学フリマ当日

          改めて告知となります!まずはお品書きから ブース配置はこちら。 いよいよ明日に迫った文学フリマ東京。Xの告知がビビるくらい反応無くて始まる前からモチベーションが消え入りそうですが、初の文学フリマを最後まで頑張りたいと思います! あと、サークルロゴをあしらったステッカーを作りました!先着順で配布します!よろしくお願いします!

          明日は文学フリマ当日

          文学フリマお品書きの追加情報。

          前回のお品書きが自分だけのものだったので、改めて完成版のお品書きを報告させていただきます! ちなみに表紙もすべてCanvaを使ってます。当日はこの画像をブースに貼るので、当サークルの目印にしてください! 追記:これを作ってる最中に12月のコミティアの当選通知が届き、「折角ならコミティアの新刊を作ろう!」と息巻いてます(鼻息だけは荒いが筆が進まない)。

          文学フリマお品書きの追加情報。

          文学フリマ東京37に出す本が届きました&お品書き報告。

          10月8日に入稿を済まし、ちょ古っ都製本工房さんに依頼していた拙著が届きました! 二度目となる自主制作本こと同人誌の出版。この感慨、上手い例えが浮かびません。でも、とにかく嬉しい。 苦労して綴った物語が白い紙に刷られてページ上に刻まれる。そして、この文字を、物語を、まだ会ったこともない他者が読む。尊くて愛おしい唯一の営み。そうとしか言いようがありません。もちろん、不評に終わる可能性もあります。稚拙な文章に本を叩き落される可能性もある。ですが、『本を産み落とした』という事実が

          文学フリマ東京37に出す本が届きました&お品書き報告。

          文学フリマ東京に出店します!

          ◎ブース配置は『い―28』 ◎出店『ポテト亭』 となっております。  初参加です! NOTEでアップしてる『はきだめのチェリー』と書き下ろし新作『ドライブアットロッキンリバー』の2作品。更に友人の小説を2作品を持っていきます! 当日は、何卒よろしくお願いします!

          文学フリマ東京に出店します!

          はきだめのチェリー 20

          【20】  月明かりに照らされた鈍色のアスファルト、骨片のように細かく剥がれた舗装、その上を、ただひたすらに走る。  街灯ひとつない寂れた県道。血と狂騒にまみれた修羅場を辛うじて抜け出した私たちは、帳が下りた闇夜をドライブをしていた。  助手席のユメキはボロボロになった身体を座席に深く沈めている。  脇腹を蹴り抜かれ、左腕に穴を開けられた私も満身創痍だった。薄ぼんやりした意識を何とか保ったままハンドルを握る。  ハイビームに照らされた標識には、水戸まで二十キロと書い

          はきだめのチェリー 20

          拙著『はきだめのチェリー』次回がラストです。

          散々書き綴っていた拙著はきだめのチェリーも次回がラストです。読んでくださった方、いいねをして頂いた方、本当にありがとうございます。明後日にはアップします。 本作は11月11日に開催される東京文学フリマで出版します。文学フリマの情報もNOTEとXで随時更新していきます。 何卒よろしくお願いします。

          拙著『はきだめのチェリー』次回がラストです。

          はきだめのチェリー 19

          【19】  自分勝手な鉛玉をぶっ放すことで、血溜まりで怯える少女アイリスを救った気になったトラヴィス。その魂は、ニューヨークの街を永遠に彷徨い続けてる。  でも私は違う。  田中は私が止める、ユメキも止める。大丈夫、きっと出来る。  何とかなる、大丈夫、大丈夫だ。  咀嚼できない感情の固まりを強引に飲み込み、意を決して公衆トイレから出た。  歩道を越えると、ユメキが必死の形相で走り寄ってきた。  息を整える間もなく真剣な面持ちで告げる。 「ちえり! 今さっき、

          はきだめのチェリー 19

          はきだめのチェリー 18

          【18】  キンモクセイの匂いは私の心のヒビをいつも癒やしてくれた。秋になると狂ったように悶えだす孤独の焦燥を、キンモクセイの優しい香りは何度も包み込んでくれた。  だが、広場を吹き抜けるキンモクセイの香りは、今まで嗅いできた私の好きな匂いとは全く別物に感じられた。  これから待ち受ける最悪の事態。それを考えると、口に運んだコーヒーが胃から逆流しそうになる。そうならないように、喉を抑えながらぐっと飲み込んだ。  車内にただよう嫌な瘴気。  ユメキと田中は、窓の外の為

          はきだめのチェリー 18

          はきだめのチェリー 17

          【17】  けたたましいホーンの叫声が耳をつんざく。口元を情けなく垂れる涎をシャツの袖で拭いて身体を起こす。バスが終点に着いたようだ。  覚悟の決まった身体は力がみなぎっている。服の襟を直し、悠然と立ち上がる。運賃箱に千円札を力強く投入して下車した。と思ったのも束の間、段差を踏み外して豪快にコケた。運転手さんの憐れむ表情が視界に入ったが、恥をかき消すような咳払いを一つ吐いて、ほうほうの体で逃げ失せた。  排ガスをまいて走り去るバスに一瞥をして、ユメキの部屋の方に向かって

          はきだめのチェリー 17