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COVAからはじまること〜支配人に聞きました

伊勢志摩の観光業にながく携わってきた天羽支配人。
みつめ続けた英虞湾の変化から話を聞きました。

1.英虞湾の景色の変化

英虞湾の景色を考えるとき、おすすめしたいのは夕まずめの時間です。
まずめとは釣りの用語で

日の出と日没の前後。それぞれ朝まずめ・夕まずめといい、この時刻は魚が餌をよく食うとされ、好漁の潮時。

をさします。
陽が沈みはじめ、サンセットに至る時間。
最も英虞湾が美しいと感じる時間帯です。

山の向こうに太陽が沈み、その手間にはたくさんの真珠筏。
英虞湾らしい夕日を、陸だけでなく船の上からも何度となく眺めてきました。

しかし、真珠養殖に携わる人が減ったことで、20年前と比べてみても様子は大きく変化しました。
体感として真珠筏は10分の1くらいになり、当時、間をぬうように走らせていた船も今ではスイスイ進めることができるそうです。

観光業者である支配人が感じてきた英虞湾の変化が、COVA に関わるきっかけのひとつになったのかもしれませんね。

2.じぶんなりのCOVAへの関わり方

観光業者として感じていた環境の変化。
これまでに廃業していく漁業者もたくさんみてきました。
漁業者の知り合いも多く、磯焼けの問題、里山が荒れて自然の循環がうまくいっていないといった現状を知るようになります。

先日の里海ツアーでもお伝えしたとおり、美しくみえる英虞湾も課題を抱えています。

課題でもある大量のゴミ

かつて英虞湾での真珠養殖は、事業者に繁栄と富をもたらしました。
一方で、海を汚すことへの意識が薄く、長い時間をかけて溜まった汚泥や海洋投棄されたゴミは真珠を育む貝を壊死させ、結果として廃業する事業者も少なくありませんでした。
放置された里山は荒れ、悪循環におちいります。

現状を変えていく方法のひとつとして、英虞湾に関係する人たちとゴミ掃除に取り組んでいます。(詳しくはこちらをどうぞ)

また、里山に入って木を切り太陽光を当て入植することで、もう一度人の生活ができるようになる取り組みも続けています。

COVAでは森を整えています

正しい循環、本来の姿に戻すことができれば、有機物やミネラルをたっぷり含んだ豊かな海でさまざまな生き物が育つはずです。

覚田社長の目指す

森の再生からはじめて入り江を甦らせ、復活した海から真珠を採りたい。
伊勢志摩で真珠をつくりたい。

に観光業としての立場からを賛同しました。
循環していることを実感できる宿泊施設になることがCOVAの意味であり、この地で覚田真珠が取り組む意義だと考えています。

3.観光のあり方として

漁業者、観光業者、ゲストが、英虞湾の素晴らしさと反面に抱えている環境の課題を共有できること。

ヨーロッパなどの環境問題先進国では、その環境に身を置くことで問題も含めて実感し、これまでとは違う感動や知見を増やしていけるエコツーリズムが受け入れられています。

つくられたホンモノではなく、訪れるお客さまに、この地で起こっている事実を見ていただくことが何より大切だと考えています。
そのため、イノコ島も単なるプライベートビーチにせず、事業ゴミが流れてくる現実も見ていただくつもりです。
「落ちているゴミをひとつ拾うのもアトラクション」と支配人は言います。

本当の意味で海をきれいにしたいと願う思いや活動をお伝えでき、帰っていただけるように。


お客さまには、じぶんの田舎の家に帰ってくるかのような気軽さで。
「おかえり~」と親戚のようにスタッフみんなでお迎えしたいそうです。

ゲストをもてなす支配人

今回のインタビューの間、何度も「一緒に考えてくれるみなさんのおかげ」とのことばを聞きました。
理想を形にするためにわがままを聞き、前向きに取り組んでくださる取引先さま。じぶんごととして考え提案し、広がりを持って動こうとするスタッフ。
いつもたくさんのおかげさまに囲まれています。

COVAからはじまる里海の再生。
支配人をはじめとするスタッフと一緒に取り組んでみませんか?

4.COVAでは一緒に働いてくださる方を募集しています

採用について
https://kakudapearl.jp/recruit/#recruit_point
COVA未来の里海準備室
TEL:0596-28-0231(担当:本多)