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2021年、革命前夜

「歴史」とは、人類が歩んできた
数々の物語の結晶のように思う。
物語の結末は分かっているのに
お気に入りの映画を何度も観てしまうように、
繰り返し読み返したくなる
そんな「歴史の1ページ」が私にはある。

―――1969年。
この周辺史実に強烈な興味と
どこか胸に熱い感情を抱いてしまうのは
きっと私だけではないと思う。

1960年代は、戦後日本の歴史の中で
社会運動が特に盛んだった時期といわれている。
1960年代後半になると、
全国の大学キャンパスを舞台に
学生たちによる「学園闘争」が頻発した。

1968年、プラハの春やパリ五月革命など
世界では同時多発的に様々な国で革命運動が起こり、
1960年代後半から70年代にかけて
日本へ徐々に普及していったカラーテレビは
世界各国の「革命」の様子を
日本の若者たちの瞳に鮮やかに映し出した。

1968年の日本では、
当時の4年制大学の34%である127校で
学生による授業放棄、ストライキ、
建物の封鎖占拠が実際に行われたという。

学生たちの主張は、大学運営側に対する
学生の権利拡大や学費の値上げ反対などの
学内に関する権利の主張から始まり、
次第にそれは戦後アメリカの支配下に留まる
日本政府への批判へと発展していった。

そして1969年1月、
「東大安田講堂事件」が起こる。
それは、国内トップのエリート校である
東京大学が舞台となり、
負傷者や逮捕者を多く出した事件として
戦後日本史に刻まれる重大な事件となった。

この歴史の1ページに
「若さ」という力と意志を強く感じ、
つい熱くなってしまう自分がここにいる。

やはり若さというのは時に理性を失い
暴力的に働いてしまう時がある。
この事件においての暴力も全肯定はできない。

しかし、そこには学生たちの
「日本という世に革命を起こそう」という
強い意志と行動が存在している。

20代半ば。
彼らとそう年齢も離れていない私には
彼らのような意志を持った行動はできるのだろうか?
その行動は必ずしも暴力的である必要はなく
環境を変えたいという意志と
具体的な行動が伴いさえすればいい。

しかし今の私は、行動はおろか
そんな強い意志さえ持ち合わせていない。
今の時代の風潮に居心地が悪いと文句を言いながらも
結局は納得している風に振舞って
ただテレビのニュースをぼーっと眺めている。

こんな時代がいつまで続くのか、
もう見当もつかない。
半永久的に続くのではという絶望すらある。
そんな時代で20代を生きる運命に置かれた私たちは
どんな「革命」を起こせるのか。

「革命」という言葉には、
国家権力の転換という壮大な意味もあるが
根本的な言葉の意味は、
事物のある状態を他の状態へ急激に変化させること。

1969年の彼らの闘争から
熱く強く、突き動かされるものを感じるのであれば
その物語の傍観者ではなく、
自分自身も革命の参加者になれると思う。

この時代、この環境の中でいかに行動して
50年後の自分が愛したくなる
「歴史の1ページ」を作るのか。

2021年9月16日、革命前夜。
まずは、自分自身の半径1mを急激に変化させる
「小さな革命」から始められると思う。




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