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『田舎の長男』の生きる道とは?

 年末年始は、僕は実家で過ごしている。都会の喧騒から離れて、星が見える実家はやはり落ち着く。しかしながら、毎回実家に帰ってくると色々考えることがあるのだ。それは、”親類の圧”である。

 僕は、田舎の本家の長男だ。生まれながらにしてにして、”跡取り”の宿命を背負わされている。小さいころから親戚から可愛がれ、あれよあれよと育っていた。そして「将来はこの家を守っていくんだよ」という洗脳をされていった。

 就職をする時には僕は普通に東京を選んだ。なぜならば地元が嫌いだからだ。自分も東京でビックになってやる!という訳の分からないことを息を巻いて東京に就職をした。東京は楽しい。そして便利だ。交通の便もいいし、何でもある。オシャレな場所だってある。最高だ。しかしながら、『長男の呪縛』から逃れることはできない。

 実家に帰る度に、親や祖父母から必ず「彼女ができたの?」とひっきりなしに言われてくる。僕はいつものように軽く受け流す。心配するのは多いに分かるが、こういうものはタイミングが伴うのだ。あとは、自分の性格の問題をなんとかするしかない。

 1月3日、Twitterのトレンドで『田舎の長男』がトレンド入りしているのを見かけた。ある雑誌の記事で『”田舎の長男”との結婚に絶望した彼女の告白』というタイトルであった。記事を読んでみると、”田舎の長男”と出会った女性が、地域のしきたりや待遇など苦しめられ婚約破棄したという内容だ。”田舎”というものを”悪”と見なしているような記事であった。そのツイートからは

『田舎の長男は死んでも結婚したくない』『田舎の長男と結婚すると、めんどくさい』という内容のツイートが多く見られた。

 僕は正直にこんな記事を鵜呑みにしてしまうと、世の中の”田舎の長男”は結婚できなくても、結婚できないじゃないかと思った。少子高齢化かが叫ぶなか、こんな”田舎ヘイト”の記事を書かれたら逆によりいっそう少子高齢化が進むことになってしまうと思う。この記事に書かれている村もだが、確かに時代の錯誤感ある。それに対応できないのも無理もない。

 僕の実家は田舎だけど、それほどの田舎ではない。車で15分程度いけば市内に行けるし超不便でもなんでもないのだ。だが、田舎であることは変わらない。てか、日本の8割程度はほとんど田舎だろ?そこまで、田舎をバッシングに拍車をかけることもないだろうと逆にムカついた。

 確かに僕はいずれ自分の家を継がなければならない。それはどうしようもない宿命だ。だけど、結婚してからすぐに地元に帰るというのは毛頭ない。僕だって自分のやりたい事はある。それは東京の方が比較的やりやすいのだ。いずれ、僕が50歳か60歳かになったら戻るべきではないかと考えている。

 時代は変わってくる。平成の時代は終わり、新しい時代の幕開けの年だ。今更、同じことをやっていて意味がない。どうしたら、誰も損しない跡の継ぎ方があるのだろう?僕のような同じ悩みを持つ人は少なくないと思う。例えば、仮に僕が結婚したとしよう。相手は東京の人で、何十年かしたら田舎に移住すると言ったら彼女はなんと言うだろう?恐らく、離婚届を出されるだろう。今まで便利な生活を過ごしてきたのに、いきなり車が不可欠なところに住めとか言われたらパワハラ同然だ。悩みに悩む。(一番いいのは、地元の人と結婚するのがいいけど、それはそれで嫌)

 じゃあ、土地を売るのか?それだったら家族からの批判が殺到だ。下手したら勘当ものになる。どちらにせよ、選択肢が見当たらないのだ。”田舎の長男”はどう生きればいいのか?働き方改革より、生き方改革の方が重要だ。それが新しい時代のテーマでないだろうか?

 はっきり言って”田舎の長男”はつらい。家族からの圧、親戚からの目、そして嫁いでくれる妻の事も丸々考えないといけないのだ。毎回実家に帰るたび、この事を考えている。これが”長男の呪縛”だ。

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