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鉄道の特定技能と技能実習の現状とは。JR東日本で4月から技能実習受入開始。

  2024年より、特定技能に「鉄道」が追加となる見込みです。今回は「鉄道」に関する特定技能・技能実習の記事となります。
(特定技能に4分野追加となる記事は以下を参照ください)


特定技能

特定技能には鉄道関連の職種は含まれていませんでした。新たに、24年から追加となる見込みです。
鉄道に関わらず、技能実習にある職種が特定技能では含まれていないことがあります。その場合、技能実習修了時に在留延長希望があっても、帰国せざるを得ない状況になっていたため、人材流出の一因となっていました。

特定技能の追加により、技能実習と合わせて長期的に日本の鉄道業界で働ける外国人が増えることになります。

職種は以下で記載している技能実習とは一部異なり、運転士や駅員も想定に含まれています。駅員は特に一定の日本語レベルが必要ですね。

技能実習

職種は2種類

鉄道に関連する技能実習の職種は2種類です。技能実習ではすでに21年、22年から開始されています。
1. 鉄道施設保守整備 (※2021年3月16日追加)
2. 鉄道車両整備 (※2022年4月25日追加)

技能実習に加わった背景

鉄道現場で特に保線に関わる業務は、重労働かつ深夜帯の作業となるため、人が集まりにくい状況です(鉄道が走っていない時間しか作業ができないため)。また、働き方改革による労働時間の制限も重なったため、技能実習に追加されました。

在留者数

近年追加されたこともあり、人数自体は多くありません。
令和5年6月末時点でそれぞれ以下の人数となります。
1. 鉄道施設保守整備 :49人
2. 鉄道車両整備   :0人

令和6年4月から鉄道車両整備として初の受け入れとなるJR東日本の記事もありましたので、以下参照ください。

技能実習「鉄道施設保守整備」が設定される前は、「冷凍空気調和機器施行」としての資格
出典:https://www.jreast.co.jp/press/2023/20240206_ho01.pdf

職種1. 鉄道施設保守整備とは

こちらは鉄道施設軌道の保守整備に関わる業務となります。
以下が必須業務として挙げられています。完全に夜間に行われる業務内容ということが分かります。
○軌道保守整備
 (1) 軌道検測作業
 (2) レール交換作業
 (3) まくらぎ交換作業の補助
 (4) バラストを取扱う作業
 (5) 保安設備を取扱う作業
○安全衛生業務
 ・作業開始前の保安機器等の点検作業 他7項目 

職種2. 鉄道車両整備とは

鉄道車両の定期検査・修繕を行う職種となり、走行装置と空気(ブレーキ)装置の2種類に分類されます。こちらは車両工場での業務ですので、必ずしも夜でなくても可能な業務になります。ここでは例として、走行装置の必須業務を挙げます。
○走行装置検修・解ぎ装
 (1) 工具類の取り扱い、選択、配置作業
 (2) 材料の選択、配置作業
 (3) 機器検修・解ぎ装作業
 (4) 作業後の環境整備作業
○安全衛生業務
 ・作業開始前の保安機器等の点検作業 他7項目 

以上が技能実習の2職種になります。

個人的には、レール交換に関しては夜でなくて思い切って昼にやってはどうかと考えます。当然、混乱は生じるかと思いますが、もう受け入れざるを得ない社会になったのだと思います。

さいごに

以上、鉄道に関わる特定技能・技能実習の記事となりました。
今後、駅や線路上で業務している外国人を見る機会も増えてくると思います。

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○補足
技能実習・特定技能などの在留資格については、以下を参照ください。


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