マガジンのカバー画像

岩波(じゃない)新書を読む

5
運営しているクリエイター

記事一覧

『疲労とはなにか』近藤一博(講談社ブルーバックス)【読書感想文】#45

妻は挨拶みたいに、疲れた、と云う。
ただいま、だとか、おはよう、なんてと云う代わりに、疲れた、である。

仕事に子育てに忙しく働いているから、疲れるのは当たり前だ(僕も疲れている)。

疲れてるなら少し休みなよ、と云ってみた処で、子どもは待ってくれず、なかなか休めない。

その子がやっと寝て、ひと休みとばかりソファに寝転がってスマホを眺めているうち、眠りこけてしまうこともあるらしい。

だらしがね

もっとみる

『安楽死が合法の国で起こっていること』児玉真美(ちくま新書)母のこと祖母のこと【読書感想文】#42

児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』を読む。ちくま新書1759。

しばらく前に読みおえていたが、良い本で、ちゃんと書きたいとおもっているうち、日が過ぎてしまった。

良かった本ほどそう云うことになりがちで、けっきょくは内容を忘れてしまって、いい加減なことになる。

まとめようなんておもわないほうがうまくいくのかもしれない、人生も本の感想も。

僕の母はよく、日本でも安楽死が合法化されて

もっとみる
巡回セールスマン問題 #32

巡回セールスマン問題 #32

二歳になる子どものひとは、車が好きだ。

この子の頭のなかの八割は車で占められてるんじゃないか、てくらい車のことばかり考えている(ように見える)。

バスや重機が一番のお気に入りだが、たくはいしゃやゆうびんしゃ、引っ越しのトラックなんかも好きで、街で見かけると指差して、はしゃぐ。

その子どもができてから、ネットショッピングの割合が増えた。

自家用車を持っていないせいもあって、オムツやシャンプー

もっとみる
まんじゅうこわい #30

まんじゅうこわい #30

妻は極度の怖がりだ。

ホラーやサスペンス、アクションの類は当然駄目で、大河ドラマなんかも人がたくさん死ぬと云う理由で、観られない。

妻の目線に立って世の中のエンターテインメントを見渡すと、怖くてアウトなのがけっこうあって、安心して観られるのはゲイのカップルがメシ食ってるだけ、みたいな日常のドラマくらいである。

そういう作品の増えているところをみると、妻みたいな怖がりが昨今は増えているのかもし

もっとみる
他人の配偶者、何て呼ぶか問題  #27

他人の配偶者、何て呼ぶか問題 #27

妻も僕も、雇われて働いている。
共働き、である。

子も育てているから、共育て、と云うことにもなる。
妻の方が負担は圧倒的に大きく、共育て、などと僕が云ってしまうのは、ちょっと申し訳ないけれど。

本道敦子・山谷真名・和田みゆき『〈共働き・共育て〉世代の本音』(光文社新書1300)を読む。

ミレニアル世代(1980〜95年生れ)の共働き・共育て夫婦へのアンケートとインタヴューから、働きながらの子

もっとみる