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「 新潟 南魚沼産 こしひかり 白燦々( しろさんさん ) お米の袋への箔押し 」

コスモテックの青木です。

今回、最高級南魚沼産こしひかり 白燦々( しろさんさん )のお米の袋への箔押し加工をコスモテックにてお手伝いさせていただきましたのでご紹介します。こしひかり 白燦々は、2023年12月27日(水)より待望の発売開始です! 下記の 白燦々 オンラインショップよりご注文いただくことができます。

新潟県南魚沼産こしひかり 白燦々
日本一美味しいと言われる魚沼地方のなかでも、地元の人がわざわざお米を買い求める地域があります。それが君沢・大沢・樺の沢地区( 通称、三沢と呼ばれる )です。

白燦々のお米はその君沢地区で作られたお米であり、全国に高級米として知れ渡る魚沼コシヒカリのなかのほんの一部の流通量しかない幻のお米です。

白燦燦 ホームページ より

◉ お米の袋に箔押し!?

ある日、グラフィックデザイナーの白石卓也さんから 「 紐付きの紙製の米袋に箔押しは可能でしょうか? 」 とはじめてお問い合わせをいただいたのが2023年9月中旬頃でした。まさかそこから白石さんと綿密なやり取りを経てお米の発売開始までの3ヶ月という時間があっという間に過ぎ去るとは、その時は想像すらできませんでした。

十数年前にコスモテックで茶色の紙製お米の袋へ箔押ししたことがあり、それがぼんやりと私の記憶に残っていたため、「 押せなくはないな 」 「 ぜひ、押させていただきたい! 」 と思い、前向きな状態でよいスタートを切らせていただきました。

また何よりもデザイナーである白石さんの表現したい箔押しが明確で、 当初より 「 白燦々という3文字を黒箔で加工したい 」 「 お米の袋の形状はこのようなタイプのものを考えております 」 など細やかに情報共有をしてくださったおかげもあり、安心して白燦々のお米の袋への箔押し加工に挑ませていただきました。

◉ 白燦々の生産者・デザイナー・コスモテックで打ち合わせ

10月に入り、オンラインミーティングの場をデザイナーの白石さんが設けてくださり、白燦々の生産者である小野塚さんと直接会話をすることができました。今思うと、三者( 生産者 小野塚さん・デザイナー 白石さん・私 )で顔を合わせて打ち合わせをしたこの機会はとても大事だったと感じます。

生産者のお米、白燦々にかける思いを小野塚さんご本人から聞ける機会は本当に貴重なことで、白燦々を本当に大切にしているということが言葉の端々から伝わってきました( 白燦々 の note も公開中です。下記、ぜひご覧ください! )

箔押しの色に関して、さらには箔押しの圧の加減などについて私からお話させていただき、まずは試験的にさまざまな箔色( 黒つや・黒けし・銀つや・黒銀など )を押しつつ、圧の加減もシャープに押したり、力強く押したり、箔押しで白燦々の文字をさまざまな方法で表現して仕上がりを検証してみることになりました。

気持ち圧を強めに入れて箔押しした黒銀箔による白燦々の文字
見る角度によって、黒つやにも銀つやにも見える
銀つや箔の箔の抜け殻 白燦々の文字が抜けているのが見て取れる
抜けている部分が箔押しとしてお米の袋に押されている

◉ 白燦々の美しい書は寺島響水さんによるもの

お米の袋量産箔押しの直前頃だったでしょうか、小野塚さん、そしてデザイナーの白石さんのお二人に私は一つの質問をドキドキしながら、投げかけてみました。

「 白燦々の美しい文字ですが、この文字はもしかして書家の寺島響水さんによるものでしょうか? 」 と。

9月中旬にデザイナーの白石さんからはお米の袋の全体像と、さらには箔押しする白燦々の文字も共有いただいていたのですが、私は一目見た時から 「 この書、もしかしたら書家の寺島響水さんによるものかな? 」 と閃き、その後ずっと一人で悶々と考えていたのでした。

お米の袋の裏面より( すべて印刷 )
白燦々の生まれ故郷、お米についてが綴られている


お二人から 「 そうです! 青木さんお知り合いなのですか? 寺島さんの書、本当に良いですよね!偶然ですね。 」 と回答があった時、「 やっぱり! 」 と心の中でガッツポーズをしながら、今回の箔押しはなんて贅沢なんだ、しっかり押さねばと改めて感じた瞬間でもありました。

以前、書家の寺島響水さんは仕事でコスモテックへ足を運んでくださったことがあり、また私個人として書をご依頼させていただいたご縁もあったため、白燦々の文字を初めて拝見した時から 「 もしかしたら寺島響水さんの書なのではないかな 」 と感じていました。答えがはっきりしたことで、より一層 白燦々の文字に親近感を感じながらも、背筋が伸びる思いがしました。

そして、白燦々の文字の書家を言い当てられたことを誇りに思ったのでした。

◉ 箔押しの現場へ続々と搬入されるお米の袋

12月の年末、コスモテックに続々と、印刷し、紐付き、製袋( せいたい )されたお米の袋が搬入されました。

箔色や押し圧の加減は最後の最後まで小野塚さん、デザイナーの白石さんは悩まれており、最終チェックも兼ねて、年末のお忙しい中お二人がそろってコスモテックの現場に駆けつけてくださいました。

製袋( せいたい )されたお米の袋
紐が付いた状態で箔押し機に手作業で一点一点丁寧に通しては箔押し


写真からも伝わりますが、お米の袋の紐のインパクトがすごいです!

日々慣れ親しんでいる平らな状態の紙とは異なり、既にお米の袋状に製袋されていると、袋にマチという奥行きが生まれ、絶妙な段差が生じるので箔押し加工の難易度がぐっと高くなります。また、紐がギュンと付いていることから、袋を引っ掛けないように箔押し機に通す際の手さばきもスピードを落とさなくてはならず、一点一点箔押しするのにも時間を要します。

今回、白色のお米の袋にワンポイントで 「 ポン! 」 と白燦々の文字を箔押しするという一見するといたって造作もなくシンプルな押しのようにも見えますが、実際はなかなか難しい箔押しでした。

箔押し加工後の白燦々のお米の袋
通常の平らな紙とは箔押し後の取り扱い方法も異なる


「 袋状で紙が重なり合っているので、圧を強くすると袋の裏面まで圧が干渉してしまうので、ほどほどに押した感じが良いです。 」
「 押し圧が強過ぎると繊細さに欠けてしまうので、気持ち弱めに。 」

圧を少し入れつつも、そこから若干弱める…
本当に些細なことではありますが、この微調整、さじ加減一つで製品・作品内の箔押し表現はより一層輝きを増します。生産者の小野塚さん、デザイナーの白石さんの助言によく耳を傾けつつ三者が一緒に呼吸を合わせるような時間です。

小野塚さん 「 はじめて箔押しの現場に立ち会って、想像を超える繊細な作業に驚きました。そして箔が押されて仕上がった完成したての箔の美しさは筆舌しがたいもの。あまりの美しさに興奮しっぱなしだったことを覚えています。 」

箔色は校正を経た後、当初の予定通り黒つや箔で決定。圧の調整は前述の通り。目に映るのは真っ白な余白の中に、「 ポン! 」 と配置された美しい白燦々の文字の箔押し表現。とても贅沢で凛とした佇まいの白燦々のお米の袋がようやく完成した瞬間でした。なんて美しいのでしょう!

ご縁を繋いでくださり、白燦々の箔押し加工を任せてくださった、デザイナーの白石さん、生産者の小野塚さん、今回製作でお手伝いさせていただき本当に光栄でした。

贅沢な余白と白燦々の美しい文字の箔押し
白燦々、ぜひお求めください( ご注文は オンラインショップ にて )

クレジット
クライアント : 白燦々( しろさんさん )
企画意匠   : 白石卓也
書      : 寺島響水
箔押し    : コスモテック

【 連絡先 】
ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

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