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空を見て泣くとき

空を見上げて涙するとき
心のどこかで思っている
風がぬぐうように
吹いてくれることを

それはあなたの指のように
そっと涙だけをすくいとる
空を見上げただけなのに
わき上がる感情はなんだろう

空にかなしい物語が
書いてあるわけでもなく
ただ透き通るような蒼い空と
ゆったりと泳ぐ雲だけ

胸を打つ歌が聞こえるでもない
懐古の時間か未知の怖れか
未熟な思いの発露なのか
わからない自分が見上げている

空は何も言わない
そこに何も書いていない
空と同期したときに
心が開き 揺れ乱れが露になる

何を感じたのだろう
何に動かされたのだろう
うっすらにじんだ景色に
心地よい動揺が押し寄せる

空を見て泣くときは
きまって透き通るような蒼い空
泣いたような空や
悩んでいるような空じゃない

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