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とまり陽

しずくが降るほどに
日差しは
ここそこに
たまり揺らいでいる
この青空の下で
誰にも会わず 
口もきかず
日が暮れようとするまで
ここにいる

縦になったり
横になったり
水を口に含んだり
目を閉じたり
開いたり
まぶたの裏に
日差しの軌跡が
意味のわからない
残像を描いた

山の中腹に
かすみのような雲を
抱いている
桜が咲き始めた
とまり陽を捕まえている
とおい遠い
おとぎ話のような
本当の話
ある春がそばにいた


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