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重なる息吹

人間ばかりを責めるのはよそう。

たしかに、人間の感覚は薄れ怠惰になった。でもそうなったのは人間だけのせいでもない。

心の余裕なんていうものは、日々の生活に押し流されてゆくし、何をするにもお金が必要で心を蝕むのも簡単なもの。

そんな中でも生きている。生き方は様々で情熱的だったり、淡々とだったり、がむしゃらだったり、一様に必死で生きている。

何をやっても上手くいかないから、神様にもすがりたくなる。

すがられる神様と呼ばれる存在方も、人間の毎日毎日同じような【お願いごと】に心底うんざりしている。

怠惰になった人間に嘆く気持ちもわかるけど、かつて人間だった見えない彼らが現代を生きたら彼らはどう感じるだろう。

昔のようにストイックに生きられるのだろうか?

現代の人間は大和魂を辞書でしか知らないし、侍のような神に仕える彼らもスマホの便利さを知らない。

生きた時代によるアイデンティティの違いをお互いが理解し、調和を計るのはとても難しい。

まして、スムーズなコミュニケーションがとれない相手のことを理解しようと思うだろうか?例えば自分とは違う言語で話す相手に、自ら進んでオープンマインドに振る舞えるか?

よく知らない誰かを護れるか?それでも護られていると人間は知っているのか?

名前も知らない相手を信用できるか?見えない相手に自分を晒す人間の心情を知っているのか?

渦巻く感情に皆、翻弄され密接しながら地球に在る。

すべては連動している。

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