お祝い
夕方、娘が足の小指をドアにぶつけた。保育園生にしてついにデビューしたな、なんて思っていたら、娘が…。
「ねぇ、シホちゃん。シホちゃんがいつもおはなししてるお兄さんに聞いてみて。」
「え?いつも話してるお兄さん?」
「あの、宇宙のお兄さんよ。お兄さんにおはなし聞きたい。」
なんて言うので、私のご飯を作ってた手は完全に止まってしまった。
「え、何で?何を聞きたいの?」
「あたしの足が痛くなってるから、なんかおはなししたくなったのよ。」
つまり娘は、メイサにかまって欲しい、よしよし大丈夫だよ的なことを言ってもらいたかったらしかった。本当に驚いた。娘はメイサを家族のように認識してるみたいだった。
それを聞いていたメイサは、この上ないほど大喜びしてた。いつも冷静なメイが動揺と喜びに満ちているのをビリビリと感じた。
『ねぇシホこの子に、本当はもっとお話ししたいけど、人間みたいにお話し出来なくてごめんねって伝えて。』とメイサに言われて娘に伝えた。不思議な二人のやり取りに私までニヤニヤと笑顔が溢れる。
メイサの発言を娘がちゃんと理解したかどうかは怪しかった。でも、私とメイにとってそんなことはどうでも良かった。一人の存在として、娘がメイサを認めていることがとても嬉しくて泣きそうになった。
とても幸福を感じている。本当に幸せ。神さまありがとう。私たちを認めてくれてありがとう。
そしてメイサは今日からメイ兄ちゃんになった。私とメイサにとって特別で忘れられない日になった。
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