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乗り換えは数秒で?山手線と京浜東北線

ご覧いただきまして、ありがとうございます!
タイトルの詳細は、解答・解説の部分にて記載しています。

「勝手に鉄道検定」は、下記のような鉄道利用に関する不安を解消するために始めた企画です。

「どの路線がどこに行くか分からない」
「この名所はどの駅で降りれば近いのか分からない」
「目的の駅を通過する列車に乗ってしまった」

鉄道に自信がある方には「知識の整理」として、鉄道に自信がない方には「安心して鉄道を利用するためのサプリ」として役立てば本望です。
「勝手に鉄道検定」の過去問題の一覧は、こちらをご覧ください。

勝手に鉄道検定:アーカイブ(一覧)

以下の部分から、「概要」「出題」「解答・解説」となります。
初めての方は概要から、以前から「勝手に鉄道検定」をご覧いただいている方は出題から、前回の記事から遷移してきた方は解答・解説からご覧になることをおススメします。


勝手に鉄道検定「概要」

勝手に鉄道検定は、冒頭でお伝えしたような鉄道利用に関する不安をクイズの形で解消していくことを目指した企画です。
1日1問、鉄道利用に関する不安を解消するのに役立つ問題鉄道や旅行などに関して興味が湧くような問題の作成を心がけています。

自分の周りにも、鉄道利用に関する不安を覚える方はいらっしゃいます。
もちろん、無理強いをするつもりはないですが、そのような方が1日1つでも知識を増やすことで鉄道利用に関する不安が少なくなれば幸いです。

感覚のズレなどから、あまり有用でないと感じる問題もあると思います。
そのような問題を少しでも減らせるように、問題のクオリティ向上更なる知識の拡充に日々努めていきます。

勝手に鉄道検定の記事は、出題&前問の解答・解説が基本的な構成です。
この記事では、

・問86の出題
・問85の解答・解説

を行います。
「勝手に鉄道検定」の動機について、より詳細に知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


問86の「出題」

【問86】次のうち、京浜東北線が快速運転を行う時間帯にJR線では山手線しか利用できない駅はどこか?

1. 新橋駅
2. 日暮里駅
3. 田端駅
4. 有楽町駅

問80までは鉄道にまつわる「今日は何の日?」に即して問題を作成していましたが、実験的にスタイルを変更します。
問81~問90では、JR山手線に関する問題を取り上げます。

昼の時間帯には、京浜東北線では快速運転を行います。
山手線と並走する京浜東北線を利用する場面のイメージをして、この問題を作成しました。

明日9/14(月)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel

この問題の解答・解説は、こちらの記事をご覧ください。


問85の「解答・解説」

正解は、「×」です。


高輪ゲートウェイ駅で京浜東北線から山手線に乗り換える場合、階段を利用する必要があります
以下、詳しく説明します。

◆高輪ゲートウェイ駅の構造

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こちらが、高輪ゲートウェイ駅です。
山手線京浜東北線(けいひんとうほくせん)の2路線が通ります。

左側に見えるホームには山手線右側に見えるホームには京浜東北線が停車します。
よって、京浜東北線から山手線に乗り換える場合は階段利用が必要です。

ここで、問題文をもう一度確認します。

【問85】大井町駅から新橋駅まで最短経路で向かうとき、高輪ゲートウェイ駅では京浜東北線(快速)から山手線への乗り換えで階段を使う必要がない。〇か×か?

「最短経路」などは経路を一意に特定するために入れた文言です。
要するに「高輪ゲートウェイ駅で、山手線と京浜東北線は同じホームか?」を問う問題でした。
写真でご覧の通り、山手線と京浜東北線は別々のホームを使用しているので正解は「×」となります

山手線と京浜東北線の乗り換え目的で高輪ゲートウェイ駅を利用することはおススメしません。
しかし、高輪ゲートウェイ駅ではロボットが活躍していたり無人のコンビニ「TOUCH TO GO」があります。
駅構内には面白い要素がありますので、興味がある方はぜひ立ち寄ってみてください。

◆対面乗り換えができる区間

高輪ゲートウェイ駅を含む、品川駅田端駅間は山手線と京浜東北線が並走します。
京浜東北線が快速運転をする場合を除き、停車駅も全く一緒です。
並走区間では、京浜東北線は"第2の山手線"のような役割を果たします。

高輪ゲートウェイ駅では、この2路線の乗り換えで階段利用が必要でした。
しかし、この2路線の乗り換えで階段を使わなくて済む区間があります。
それが、田町駅田端駅の区間です。

こちらは、神田(かんだ)駅のGoogleストリートビューです。
神田駅は田町駅田端駅の区間に含まれている駅です。
手前は京浜東北線の乗り場ですが、ホームの反対側には山手線のホームドアが見えます。

つまり、神田駅では山手線と京浜東北線は階段を使わずにホームの向かい側で乗り換えができます。
これは神田駅のみならず、田町駅田端駅の全駅で可能です。

ホームの向かい側で乗り換えができるこの形態を対面乗り換えといいます。
対面乗り換えでは、階段を利用する必要がありません。

画像2

山手線の全体図と、京浜東北線との対面乗り換えが可能な区間を示した図になります。
丸は山手線全30駅を表しています。
多くの駅名は省略していますが、イメージを掴むのに役立てば幸いです。

ちなみに、高輪ゲートウェイ駅は図の下側にある品川駅と田町駅に挟まれた白い丸です。
京浜東北線と並走するものの、対面乗り換えはできないことが分かります。

対面乗り換えの例は、他にもあります。
例えば、急行から各駅停車に乗り換える際には急行と各駅停車は同じホームの向かい側に停車することが多いと思います。
これもまた、対面乗り換えの1つの例です。

むしろ、上記の例のように同じ路線の違う列車に乗り換えるケースの方が、対面乗り換えでは多数派かと思われます。
異なる路線間で対面乗り換えができる山手線と京浜東北線のようなケースは、全国的に見ると少数派です。

◆複々線の例

先ほどお見せした神田駅のGoogleストリートビューは、京浜東北線北行き山手線内回りの電車が発着するホームでした。
京浜東北線北行き山手線内回りは、同じ方向に走ります。
つまり、同じ方向に向けて2本の線路が敷設されています。

同様に、山手線外回り京浜東北線南行きも同じ方向に走ります。
これらをまとめると、田町駅田端駅の区間では同じ方向に2本ずつの線路が敷設されていることになります。
車の道路に例えると、片側2車線といったイメージです。

このように、同じ方向に2本の線路車では2車線)が敷設されている形態を「複々線(ふくふくせん)」といいます。
複々線区間では、対面乗り換えができる駅が多い傾向にあります。

関東の私鉄を例に出しますと、小田急小田原線東武スカイツリーラインは一部の区間が複々線となっています。
同じ路線なのに、なぜ複々線にする必要があるのでしょうか?
これは、各駅停車用急行用線路を分けるためです。

小田急も東武も、ラッシュ時には非常に多くの乗客が利用します。
その多くの乗客を運ぶために、複々線区間を設置してより多くの列車を運行できるようにしました。
JR西日本でも同様に、琵琶湖線・京都線・神戸線の一部区間では同じ路線でありながら普通用と新快速用の2本で複々線区間を設置しています。

急行用・新快速用と表現しましたが、もちろん例外もあります。
(準急が各駅停車用の線路を走行する等)
しかしながら、複々線にしたことで多くの乗客が運べるようになったことは確かです。

山手線沿線でも非常に多くの乗客が利用しますので、山手線と京浜東北線で複々線を組むことなどで対応しています。
田町駅田端駅では、山手線と京浜東北線を別々に考えるよりも同じ路線の普通用快速用の線路とみなした方が利用しやすいかもしれません。

◆最後に

京浜東北線を"第2の山手線"と表現しました。
快速運転を行う時間中は、品川駅田端駅の区間では京浜東北線が山手線の快速のような役割を果たします。

特に、田町駅田端駅の区間では対面乗り換えも可能で便利です。
同じ路線の急行・各駅停車のように互いに数秒で乗り換えが完了します。

品川駅田端駅では快速に注意して、お好きな方の路線をご利用ください。
※快速の停車駅は、次回の記事にて解説します。


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
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