あなたは子どもたちの「なぜ?」にどう答えてる?
こんにちは!
こしあんです。
今回は、なぜあんなに子供たちは大人を質問攻めにするのか?
といったお話です。
私も経験があるのですが、子どもが小さかった頃、「なんで?」「どうして?」といろんなことを質問されました。
どんな受け答えをしていたのかハッキリと憶えてはいませんが、次々に繰り出される質問に疲れ果ててしまったことは覚えています(笑)
そして、そんな私を見かねたのか終いには「ちょっとあそこの人に聞いてくる!」と言って全然知らない人に声をかける子供にビックリしたこともあります。
しかも、相手がスキンヘッドのちょっと見た目怖そうなおじさんで、私がヒヤヒヤしていたのは内緒です(笑)
さて、この「なぜなぜ」攻撃ですが、質問が続き、答えにくい問題になると「そういうものなの!」と言ってしまいそうになりますよね。
なかには「親の気を引くために質問しているのではないか?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、最近の研究では子供たちは本当に「質問に対する答えが欲しい!」、「納得のいく説明が聞きたい!」と思っていて、そこから本当に学んでいることが示されています。
実際、研究者たちが幼児のする質問を分析したところ、質問の約70%はかまってもらうためではなく、現実的に情報を求める問いかけであることがわかっています。
そして、驚くことに未就学児の一時間の平均質問数は75前後にもなるそうです。
分刻みで疑問が湧いてくるなんて凄いですよね。
単純に計算すると、1日で1800個近い質問をしたことになり、1年間で657000という数になります。
これだけの質問数ですから、親に余裕が無いときは適当に答えてはぐらかしてしまうこともあるでしょう。
しかしある研究で、幼い子供がする6千個以上の質問とそれに対する答えを調査したところ、子どもたちがその答えに対し適切かどうかにとても敏感であることがわかりました。
そのため、「不適切な答え」や「意味のない答え」には、別の質問をしたり同じ質問を繰り返すそうです。
つまり、碌に考えもしないで適当に答えていると、余計に質問攻めにあうことになります(笑)
ちなみに、適切な答えをもらえると同意を示したり、そのことについて確認したり、区別したりするようになります。
また、更に詳しいことを知るためにまた違う質問を思いついたりするようです。
まぁ、どっちにしろ質問攻めですね(笑)
しかし、この「なぜ?」の質問はどうして行われるのか?
子どもは「好奇心旺盛だから」と言ってしまえばそれまでですが、この質問と答えは子供たちが深く広く世界を理解する助けとなっています。
別の言い方をすれば、親への質問を通して世界を知りつつあるとも言えます。
そう考えるとあまり適当な事は言えませんね(笑)
【誰の話を信じるのか?】
さて、知りたがりの子供たちですが「誰の答えでも信じる」というわけではありません。
子どもが他人の発言から学ぶことを調べた研究では、幼児はあまりよく知らない人よりも、自分がよく知っている人、親や幼稚園の先生の言葉を信じることが明らかになりました。
これは何となく想像がつきますよね。
ただ、ここで研究者たちは、子供たちが無条件で親の言っていることを信じているわけではないことに気がつきます。
つまり、幼稚園の先生のような”子どもと世話をする人の関係”も誰を信用するかの決定に影響しているというわけです。
実は、これには心理学でいう「アタッチメント」と呼ばれるものが関係しています。
このアタッチメントは”愛着”とも呼ばれ、親子のあいだに形成されるような緊密で情緒的な結びつきを指します。
心理学者のメアリー・エインズワースはこの愛着パターンを母親との分離再会時の反応によっていくつかの型に分けました。
”安定型”と言われる子供たちは母親がどこかに行ってしまうと不機嫌になり、戻ってくると嬉しそうにします。
”回避型”の子供たちは母親がいなくなるとき目を逸らし、後で戻ってきたときも母親を見ようとしません。
何も気にしていないように振る舞うそうです。
しかし、回避型の子どもの心拍数を測ると、その子がとても動揺していることがわかると言います。
平気な顔をしているけど内心はドキドキしているわけです。
言い方を変えれば、自分の感情を隠すことをすでに学んでいるとも言えます。
また”不安型”の子どもたちは母親がいなくなった時も戻ってきたときも慰めようがないくらい落ち込みます。
このような実験は基本的に母親で行われますが、これが祖父・祖母であったり、他の世話をしてくれる人でも同様の結果になるそうです。
1つ注意点を言えば、相手によってアタッチメントの種類も変わることがあります。
母親に対し”安定型”でも父親に対しては”不安型”になることもあります。
なので一概に「うちの子はこのタイプ」といった判断はできないかもしれません。
ただ、幼い頃の関係で数年後の学び方を予想できると言います。
ある実験では1歳児のときにアタッチメントのパターンを調べ、4歳になった時どのような変化が現れるのか調査しています。
この調査は「道具の名前」実験と呼ばれるもので、子どもに対し母親がある道具の名前を「フェップ」と言い、知らない人が「ダックス」と言います。
子どもたちはどちらの言うことを信じるのか?
という実験です。
また、研究者たちは種類の違う動物を1つの絵にしたものを子供たちに見せます。
たとえば、ほぼウサギの形をしているが、見方によってはアヒルにも見えるといった感じです。
母親はそれを「ウサギ」と言い、知らない人は「アヒル」だと言います。
実際、どちらの答えでも間違いではないのですが、知らない人の答えが正解に近く思えるようにしてあります。
このとき、”安定型”の子どもたちは道具の実験で、道具の名前を「フェップ」と答えました。
子どもたちは”どちらかが正しい”と感じているとき、知らない人ではなく母親の意見に従う傾向がありました。
しかし、ウサギとアヒルの実験では子供たちはそれをアヒルだと答え、知らない人の意見に従いました。
これはなんでだろう?と考えたのですが、安定型の子は母親の意見にただ従うのではなく、自分なりに正解を導きだそうとしているのかもしれません。
「母親はウサギだって言ってるけど、アヒルに見えるよな~」なんて考えているのかもしれませんね。
また、1歳の時”回避型”だった子どもたちは、道具実験で「フェップ」と「ダックス」という子は同じくらいいました。
研究者たちは、”回避型”の子供たちは母親だけでなく知らない人の意見を受け入れる余地があったと言います。
そして、”不安型”の子供たちはウサギとアヒルのような問題で、母親が間違っている可能性が高い時でも母親の言葉を選んだそうです。
つまり、世話をしている人への感じ方で子どもの学び方も違ってくると言えます。
子どもたちが関わる相手によってアタッチメントが変化することを考えると、よく子育ての本にあるような「子供にはこういう教え方をしましょう」といった大人の都合は子供たちの学びを阻害しているのかもしれません。
心理学者のアリソン・ゴプニックは「子供たちに覚えて欲しいことを教えるための話し方はあるが、どちらかというと安定した愛情の基礎のほうがはるかに重要だ」と言います。
当たり前ですが、「テクニック以前にもっと大切なものがある」という事ですね。
最後に
実際、子どもたちの質問に一つ一つ丁寧に答えていくのは大変だと思います。
しかし、これは子供の世界を広げるための手段だと思えば少しは楽になるのではないでしょうか。
それに、わからないことは子供と一緒に考えてしまえばいいと思います(笑)大人ってつい見栄を張ってなんでも知っているような態度を取ってしまうことがありますよね。
だから子供たちの追求は止まらないのかもしれません。
一緒に考えたり、調べたりすることでその方法を学び、それを続けていくことで、最後は自分で疑問に思ったことをすぐに調べる習慣が付くのかもしれませんね。
今回はここまで
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それではまた次回お会いしましょう。
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