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20年のラマダンの断食経験でわかったこと

”食べたい”と心から思って食事をしていますか?


”これはやばいかも”というところまで水分を我慢したことがありますか?


熱中症予防は、水でも塩分でなく、血流と血液の質


ラマダン

初めてラマダンの断食をした年のこと

最初の晩は、夜中2時に起きなきゃという緊張感でよく眠れなかったです。パキスタンから義母が来日していて、忘れもしない、夜中というのにヤギの脳ミソ入りのスクランブルエッグを作ってくれました。食後にお祈りをして、9時ぐらいまでゆっくり寝ました。そう、寝てばかりいると太りますが、断食の時間が早く過ぎてくれます。

日没後にまずコップ一杯の水を飲み、デーツをひとつ食べます。フルーツチャート(果物をヨーグルトとスパイスで和えたもの)と、パコラ(ひよこ豆の野菜かき揚げ)を摘みながら夕飯の支度をします。数日後には、お腹に入る量がかなり減ります。でも、食っちゃ寝、食っちゃ寝が1ヶ月続けば、お腹の辺りはムチムチして来ます。何か違うんじゃない?と思いながらも、翌年も同じことをして2年連続で太りました。

お祈り

3年目の断食

3年もすると、”明日から断食”といわれたら、なんの躊躇もなく飲まず食わずの生活ができます。一度だけ、八百屋さんでみかんの味見をしてしまったことがあります。家に帰って、”あ!さっき食べた?食べたよね!”と気づきました。そんなもんです。でも、うっかりはその一回きりです。今日は食べると決めて守らなかった日はありますが、そのときは後日追加で断食します。

この年から、朝食後に1時間約7キロのスロージョギングを始めました。Tシャツがびしょびしょになるほど汗だくになっても、もう水分補給できない時間です。血液の流れを良くする走法ならば、たっぷり汗をかいても、およそ19時間、飲まず食わずで過ごせます。体は、血液がよく流れていれば飲食生活の変化に応じて燃費良くエネルギーを小出しにします。断食を始めて一週間もすれば、かなりの脂肪が燃え、体から水分が減るためか食事の塩分を強く感じ、作る料理がどんどん薄味になります。外食は、味が濃すぎて食べれられません。血流やその濃度など体が整うと、舌の感覚が敏感になり料理の味付けに迷いがなくなります。体も運動も料理も全て良いバランスです。

そのときに、自分の体を健康に保つのに必要な食事や水分の量がわかります。自分の体を観察して限界近くまで追い込み匙加減で調整していく、料理のレシピを作るようなものです。血液の流れが良いほど、水分補給は不要です。実験みたいです。本当においしいものを、心の底から味わうことができるようになってきます。

28年間グアム島に潜伏していた横井昭一さんや海で漂流して何ヶ月後に救助された方も、僅かな飲食で生還できました。食事を楽しむのは心を豊かにしますが、飽食は病気と隣り合わせです。

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「おいしい」 もの

断食とジョギングの生活を始めると、一週間後にはお腹のスペースが小さくなり、夕方にはそこに何を入れたいかが頭に浮かんできて、食への関心が高まり夕飯のメニューに困ることがありません。わずかなスペースに欲しいものを入れたとき「おいしい」という感情が湧きます。出来合いのものや、添加物が含まれるものが頭に浮かぶことは絶対にありません。心の底から食べたいものを料理するのは楽しいことです。愛情を込めて、大事に料理できるのです。

「おいしい」と感じながら味わって食べると、脳が刺激され消化酵素が分泌されて栄養を効率的に吸収する態勢が整うと言われます。空腹を紛らわすために食べたり、好きなものばかり食べることを「おいしい」と勘違いしてはいけません。断食中は、ひと口味わうたびに”ウ〜”と唸るような満足感を得てつい顔がほころびますが、こういう強い脳の刺激が豊かさだったり幸福感なのかもしれません。


断食効果

ジョギングを定期的に始めてから、骨盤が立ち腹圧呼吸に変わりました。私は24時間体幹を使っているので、24時間腹圧呼吸です。恥骨の奥を押すように呼吸が入るので、一度に口に入れる量が減り食事のペースがとても遅くなりました。これも私にとっては断食効果です。

腹圧呼吸は、血液が全身に流れやすくなり自律神経を整えると、私は考えています。最初のnoteにバブルの広告代理店に勤めていた頃、自律神経を患い退職したと書きましたが、一度の食事で3人前を食べても満腹感がなく、逆に体重が43キロまで落ちました。呼吸が深く食事のペースが遅くなると満腹中枢が働き、普通の食事に戻せます。赤ちゃんが、満腹中枢が働くまでに昼夜問わずミルクを欲しがるのと同じです。赤ちゃんも骨盤が立てば、呼吸が変わり満腹中枢が働くはずです。

断食中に肉体的にも精神的にも血液も整うと、集中力が増し仕事が捗ります。ササっとなんでも片付いて精神的にとても余裕を感じます。UAEでは、ラマダン中に交通事故が増えると毎年注意喚起されます。それは、普段から胸式呼吸で血行が悪い人が、断食により血糖値が下がり判断力が低下するからだと思います。追記しますが、ムスリムが全員が断食しているわけではありません。薬やタバコがやめられない人や、怠けて断食しない人がたくさんいます。


食事について

 私は普段から、友達を招いて食事をするようにしています。ラマダン中は、ありがたいことにムスリムのクライアントがひとり暮らしの私を気遣ってかイフタール(断食明けの食事)によく招いてくれます。一緒に食卓を囲む人がいた方が、同じ料理が美味しく感じられたり、ただ食べるだけでなく楽しい時間に変わります。そんな時、友達を驚かすような料理をあれこれ考えるのも楽しいものです。ひとりで好きなものだけ食べていると、早食いになったり、バリエーションがなくなり栄養が偏ったりしてしまいがちです。年一度の断食で、体を立て直しその状態を長く維持できるよう心掛けることが、医者いらずに導いているといつも感謝しているのです。

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熱中症予防について

私は、人間の本能や機能を追求して来ました。20年以上続けている姿勢を整える施術や断食から、たくさん学びや発見をしてきました。今は、クライアントの体に手で触り、私の腕を伝わり頬骨、こめかみから脳へクライアントの情報が伝わるのがわかります。病気や痛み、多くの症状を改善するのは、医者でも薬でも施術でもありません。あなたの血液です。質の良い血液は、携帯電話を持ちパソコンに向かっていては作り出せません。それを最小限に抑えることと、体幹を使う姿勢と腹圧呼吸に変えましょう。施術は血行改善の手伝いになりますが、姿勢を変えなければ、症状を克服することはできません。

熱中症。私が子どものころは”貧血”と呼ばれていました。朝礼の時に、パタンと倒れてしまう子は、姿勢が悪くて質の良い睡眠がとれていません。姿勢は、血行を左右します。たくさんある関節が正しくつながっていれば、血液はスムーズに流れますが、ひとつでも違えば滞ります。

全身の血液がよく流れていれば、質の良い睡眠がとれ熱中症にはなりません。熱中症予防は、水分補給でも塩分補給でもなく、姿勢を整えることです。むやみやたらに水を飲むと体は疲労します。体幹を使う姿勢は、全ての筋肉が体幹につながり、腹圧呼吸で血液がよく流れます。肩と膝の力が抜けます。肩と膝の力が抜けると寝返りは打てず、仰向けで朝まで動かず眠れます。横向き寝は、肩関節と股関節で血管をブロックします。医者がテレビで、一晩に寝返りを20回以上打たないと血行不良だと話すのは、元の姿勢が悪いからです。


つい本業の話をしてしまいますが、断食でたくさんの発見があります。みなさんもラマダン月の断食をお試しください。人生観が変わるかもしれません。


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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