マガジンのカバー画像

詩とか俳句とか

12
運営しているクリエイター

#俳句

匂ひ鳥

ころがれる筆に影あり匂ひ鳥 / 八田木枯

「匂ひ鳥」は鶯の異名だそうで。

転がった筆。

筆、としかないけれど。絵筆か?

それとも、紅筆か。

なぜ、転がったのだろうか?そこに、人影があるとしたら。

誰と、誰なのか?

何をしているのか?

なんとも、艶めいた雰囲気を漂わせているのは、「鶯」でもなく「春告鳥」でもなく、「匂ひ鳥」だから。

この、ことばの選び方ひとつで雰囲気が変わるのが、面

もっとみる
飛び立つ希望

飛び立つ希望

いつもかすかな鳥のかたちをして氷る / 対馬康子

(NHK俳句1月2週目)

氷の中には鳥がいて。

わずかでも溶けてきさえすれば、少しずつ動き出す。

中の鳥は、こころの芯とか、核となるところ。美しさ、情熱、真実。

もうダメかも、とか。今は先が見えない、とか。

こころが冷たくなるような現状があっても、まんなかのいちばん大切なところはきっと、氷が溶けたら羽ばたき、空へ、光へ飛び立つのだ。

もっとみる
俳句って日記なんだな

俳句って日記なんだな

俳句をはじめて、ほぼ1年たつ。

先日、古いものから少しずつノートに書き直してみた。

平成のおわり。
上原の引退。
梅雨の始まり。
タイへの旅行。
球場での野球観戦。
同僚の送別会。

何気なく目についたこと、感じたこと、そこになぜか注目したこと。
そういう色々なものが、句になってるのが興味深い。

時間がたってから振り返ってみることができるような俳句を、これからも作っていってみようと思う。

【健康で文化的な最高の土曜日:後編】 俳句を詠むようになった話

2019年12月21日。夕暮れ時の定禅寺通りを、1人のアホが地下鉄駅に向かってひた走っていた。

アホは全力疾走した。必ずや、あと30分くらいで次の目的地に着かねばならぬ。アホには高尚な芸術が分からぬ。しかし、面白そうなことに対しては人一倍敏感であった。

さて、文化的な土曜日後半が幕を開ける(急に素に戻る)。この日、1人のアホが人生初めての句会に参加した。時間に余裕をもって移動すれば良かっただけ

もっとみる

自分の判断だけでは、結果はわからないもんだ

自分でもいいと思ったものしか、他人もいいと思わない。
まあ、だいたいそうかもしれないけど。

自分ではイマイチかも、と思うものでも、案外他人から見たら、よかったりすることも、ある。

今日は、ミニ句会だった。
一人三句持っていくんだけど、自分的には、今日は全部ダメダメだと思ってた。
でも、とにかく作ってみたなかから、なんとか三句、提出。

結果的に、三つとも誰かの「いいね」がついた。

あまり、自

もっとみる
春と慈愛によせて #ひかむろ賞愛の漣

春と慈愛によせて #ひかむろ賞愛の漣

ひかりのいしむろさんの、素敵なイベント「石と言葉のひかむろ賞」に参加します。

って、勝手に宣言して、俳句を作りました。

アメジストの石言葉より、慈愛をテーマにされています。

それぞれに、自由に鑑賞していただければ幸いです。

主催であるひかりのいしむろのあゆみさん、ありがとうございました。
この企画のおかげで、ふだんの自分とは違ったテーマを選んでみることができました。
これを機会に、もっとい

もっとみる

十五夜

肩寄せて月と別れる家路かな

今年は、十三日だけど、十三夜じゃなくて十五夜。
ややこしいけど、趣深い日本の時候の慣わし。
中でも、月の風情は格別と思う。