「資金繰り表を作ると資金繰りが回る」を実現するために欠かせない条件
資金繰り表を作ると資金繰りが回る。
これはクライアントさんにも実際に体感していただいていることです。
また、他のコンサルタントの方にお話をお伺いしても
「資金繰り表を作り始めたら、大きな契約が決まった!」
「資金繰り表を作っている会社は不思議と資金繰りが回っている」
という事例をよく聞きます。
私は「資金繰りが厳しければ資金繰り表を作るのは当たり前」という前提があるので、「資金繰り表を作る→資金繰りが改善する」のは、ある意味当然の帰結だと思っていました。
でも、あることをきっかけに、資金繰り表を作ると資金繰りが回るというのは人間の本質とつながるもっと奥深いものではないかと気づきました。
脳科学の本には「人間の意識の90%以上は無意識で、普段は使っていない潜在意識が大半を占める」といったことが書いてあります。だから、潜在意識をもっと活用すれば人は成長できるという訳です。
潜在意識というものが実際にあるかどうかという議論は別にして、普段気づいていなかったり、使っていなかったりする力を上手に活用するためには一つ前提があります。
それは、まず「現状を変えよう」と決めることです。
つまり、変えようという決意がない限り、いくら潜在意識にアプローチしようとしても
「あの時は嫌な思いをしてとってもつらかった」
「あの事を思い出すと今でもはらわたが煮えくりかえる」
というように本質的なところまでは到着できず、かえって落ち込むばかりです。
実際、私もいろいろな本を読んで、自分の過去の行動や気持ちを振り返ったことがあります。
でも、心底「現状を変えよう」と決めていない時は、
「上手く行かなかったのはあの会社のせいだ」
「経営者が私の言う通りにしなかった」
「もう少しお金に余裕があればなんとかなった」
というように悪いのは他人に原因があり、自分は悪くないという他者に依存するところに留まっていました。
一方、「現状を変えよう」と決めてから、同じ現象を振り返ると
「A社があんなひどいことをしたのは、ウチのどこが気に入らなかったのだろうか?」
「B社長が私のアドバイスを聞かなかったのは、どんな心理状態にあったのだろうか?」
「お金を使わずにできることは本当になかったのか?」
というようにより深掘りできるようになったのです。
すると、自然と潜在意識が働くのか
「そう言えばA社は昔からえげつない会社という評判だったなぁ」
「B社長はお金が減ってくると、弱気になるタイプだった」
「あの時C社に相談すればなんとかなったかも」
というように今まで忘れていたことや見落としていたことが見えるようになってきました。
結局、資金繰り表を作れば資金繰りが回ると言っても、銀行など誰かに言われて嫌々資金繰り表を作っても資金繰りは改善しません。
しかしながら、経営者が「このままではダメだ。会社を変えよう!」と決意して資金繰り表を作ると、「一見無機質見える資金繰り表と向き合う中で新たな意識が働き、やるべきことが見えてくる」のです。
決断なくして変革なし
大切なのは資金繰り表をどう作るかではなく、「資金繰り表とどう向き合うか」です。
なお、中小企業が成長していくためには「リスクを取って資産の回転率を上げる」ことがどうしても必要になります。これをストックとフローに基づいて言えば、「フローを意識しながら、定期的にストックで確認する」ということを意味します。
そして、許容範囲のリスクを見極めた上で、時には一時的に残高(ストック)を減らしてでも、長期的に資金繰り(フロー)を回していくには経営者の決断が不可欠。
「会社を変えよう!」と決断できできたら、資金繰り表を作成し、日々のお金の出入りの出入りをきちんと把握しながら、まずは3ヵ月先の月末預金残高を常にチェックしましょう。↓ ↓ ↓
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