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PDCAサイクルを回して根性論から脱出する

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

定期預金300万円取るまで帰ってくるな!

銀行員時代、ある支店ではこんな指示が出ていました。

当時は個人定期預金を獲得するのが支店にとって最大の目標の一つ。

ボーナス時期などは朝礼で「今日は300万円取ります」と宣言させられて、そのノルマを達成しないと店に帰って来られないということがあったのです。

今で言うところのブラック企業に近いかもしれません(汗)。

会社にとって売上は大事。そして、売上を上げるためには営業が大事です。

でも、中にはどうやって売上を上げるのかをよく検討しないままに、やたらと根性論に頼って売上を上げることを行っている会社があります。

先の個人定期預金獲得にしたって、夕方遅くまで歩き回っても目標を達成できるものではありません。また、仮に今日300万円取れなくても、明日合計で600万円獲得できれば通算での数字は一緒です。

私は「定期預金300万円取るまで帰ってくるな!」みたいな根性論的な活動は大嫌いです。理にかなっていないし、一時的には効果があっても長続きしません。

先日、クライアントさんから「なぜPDCAサイクルを回すのですか?」という質問をもらいました。

私の答えは「脱根性論です!」

D(実行)は大事です。しかしながら、P(計画)なきD(実行)は経営資源のムダ使い。

そして、単に「今日の目標は一人300万円だ!!!」と決めるのは経営者の自己満足であって計画とは言えません。

夕方遅くまで粘るより、翌日の午前中の方が成約できる可能性が高いなら、「定期預金300万円取るまで帰ってくるな!」はパワハラでしかないのです。

目標への道筋を示してこそ初めて計画になります。

また、たいてい根性論を振り回す会社の場合、経営者を突き動かす原動力である心意気は仕事との間で一貫性がありません。理念と戦略や戦術がバラバラなので、常にその場しのぎの対応がほとんどで、会社にノウハウがほとんど溜まっていません。

もしかすると、「手段は何でも良いので、売上を上げろ」というのが、その会社の経営者の本心なのかもしれませんが、そのような会社からはやがて社員が離れていきます。

今は「これが正解だ」という解決策がありません。このため、仮説を立て、実行して、上手くいかなければ、仮説を修正して、再度実行するという愚直な実践が求められます。

その際、「なぜ、この仕事を売るのか」「この商品を通して、お客様にどうなってほしいのか」が腹落ちしていないと、行動し続けることが難しくなります。

根性論は一時的には効果があっても、再現性がないので、長続きしません。

熱い思いは大切ですが、それを仕事における成果に結びつけるには、ゆるぎない判断基準と冷静な思考力、そして継続的な行動力が必要

経営者の心意気に沿って判断基準を明確にし、地道にPDCAサイクルを回し続けることがポイントになります。

中小企業の場合は経営資源が限られているため、ゴールに向けての明確な流れができてないと骨折り損のくたびれ儲けの与える打撃が大企業に比べると大きくなります。

仮に正解ではなくても、ゴールを明確に定めてそのゴールから逆算して必要な流れを作ることを意識しましょう。

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