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コピーを書いて150万円いただいた話

こんにちは、YUKICHIです。アメリカ在住のコピーライターです。

一昔前の広告業界には「コピー1本100万円」なんてフレーズがありました。一流コピーライターになれば、それくらい稼げるよね、と夢を抱くことができるフレーズ。

実際、それ以上稼いでいる大御所もいたので、大袈裟ではなく、「言葉」というはそれくらいの力(価値)を持っているんですね。

私も、今行っている仕事で150万円いただいています(会社の売上で、個人ではありません)。

いやいや、でもそこまでたどり着ける人なんて、ごく一部でしょ?
ベテランだけでしょ?

そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
提供価値を理解してもらえれば、若手でも非現実的な値段ではないのです。
(そもそも私もベテランではありません)

今回は、コピーライターという職業の内容と報酬の話から、「価値を感じていただけるライターとは何か?」について考えていきます。

文字単価は「正」なのか

文字単価0.5円。

「そうだ 京都、行こう。」という有名なキャッチコピーがあります。

10文字です。文字単価で考えたら、5円しかもらえません。
「、」と「。」を入れなかったら4円です。なんてことでしょう。
でもさすがにこれが5円の仕事だったでしょうか?

文字単価という考え方には3つの視点が抜けています。

・その言葉を作るスキルを習得するまでにかかった時間
・その言葉を生み出すまでかかった時間
・長い文章がいい文章とは限らない

誰でも書ける文章なら、文字単価もいいかもしれません。
でも誰しも最初は素人なわけで、「長い文章を書ける」「引き込ませる文章を書ける」「スローガン的な文章を書ける」「SEOのルールに即した文章を書ける」、そのスキルを身につけるためにはそれなりの時間がかかっているはずです。であれば、その修行期間への投資に対して報酬をもらうべきなのです。

そして、仕事を受けてから納品するまでの時間にももちろん報酬が発生します。人により仕事のスピードは異なるので一概には言えませんが、自分に少しでも専門性があると感じているなら、自分の仕事に明確な値付けをしましょう。

ちなみに広告業界では「値引きは最後の手段」という考え方があります。商品同士の差別化ができなくなった時に、価格で勝負するしかない、という状態です。この値下げ競争に陥った商品は、価格を下げ、売上が減るので給与も下げ、最後は品質も落とす、という悲惨な末路になってしまうことも。

特にフリーランスだと、見積もりを出す時にも遠慮して安めに出す人がいます。こうなってしまうと、安く抑えるためにどうするか?という思考で物事を考えてしまいます。これは、自分の価値を落としてしまうことになってしまいます。安易な値引きには気をつけましょう。

同じ仕事でも、場所によって価値が変わる

コンビニの仕事。地方と東京は時給が違います。ほぼ同じ仕事なのに。

旅や食レポのライターはたくさんいるかもしれませんが、医療ライターは少ないことから、報酬は高い。専門性にお金が支払われるということを考えると、業界を変えることでも単価が変わります。これは不動産業界ライター。ゲーム業界ライターでも同じ。自分の好きなことに合わせて特化すること。

また、とにかく若者から共感されるライター。(この記事とか)
そこまで徹底的に分析するか!と驚かれるライター。(この記事とか)
誰に響く文章を書けるか、というポジションでも報酬は変わります。(広告では「インサイト」と呼びます)

日本語ライターではなく、翻訳ライターであれば、国を変えることでも報酬は変わります。日本企業の仕事がライバルが多く、報酬が価格合戦になってしまうのであれば、高く支払ってくれる国を探してみればいい。
英語→日本語、の翻訳ライターが多いのであれば、スペイン語→日本語の翻訳をできるようになるのも手かもしれません。

あなたのスキルに高いお金を払いたい人は、どこかにいます。
時間はかかるかもしれませんが、いろんな人と仕事をしましょう

そして、待つのではなく、自分から移動すること
たったこれだけで、報酬が変わり、生活が変わります。

150万円の仕事は何をしたのか

この仕事は「会社のキャッチコピー」を考える仕事でした。いわゆる企業理念と呼ばれるものです。ミッション、ビジョン、バリュー、なんて呼ばれ方もしていますが、その内容は

・その企業は世の中にどういう価値を提供しているのか
・どういうサービスを提供する会社を目指しているのか
・そこにいる社員はどういう価値観を大事にしているのか

を示す言葉です。社外の人から見て「なるほど、良さそうな会社だな」と思われることももちろんですが、社員から見て「そう、自分たちの存在意義はこういうことなんだ!」とモチベーションが上がる、という目線も大事になります。

稼働時間としては、

・4〜5回、経営者の方と打ち合わせ
・その打ち合わせで「なぜその事業を始めたのか?」「そこにどういう想いがあるのか?」などを深掘りしていく
・その想いを表現する言葉を、複数回提案し、固めていく

というものです。全てオンラインでの仕事でした。

これはたまたま「会社のキャッチコピー」の仕事でしたが、「商品を紹介する文章」でも、「旅行先の魅力を伝える文章」でも同じです。「なぜその商品が存在するのか?」「誰にとって嬉しいのか?」「使うことで何を解決してくれるのか?」と、とにかく「Why?」を繰り返していくこと

PVを稼ぐには「人生を変える◯◯なコツ3つ」なんてタイトルの付け方解説もよくありますが、これは手法です。表現の最後に考えればいいこと。

「何を伝えるか?」(こっちがWhy)
→「どう伝えるか」(こっちが手法)

Why?を突き詰めることで、物事の原点に遡って文章を書く。テキストにすると難しく見えるかもしませんが、実践してみるとそこまで難しくないですし、おもしろい感覚を味わえます。そして、ここをきっちりできるようになるだけで、価値を感じてもらえるライターに一歩近づくことができます。

ライターという仕事は、可能性のある仕事

日本語なんて誰でも書けるんだから、となかなか評価がされにくいライター。

でも小説を読んで感動するのはなぜでしょう?
おもしろい記事とそうでない記事があるのはなぜでしょう?
刺さるキャッチコピーが存在するのはなぜでしょう?

ライターというのはただ書く仕事ではありません。

当たり前だと思っていたものに、新たな価値を授ける仕事。
視点を変えることで、捉え方を変える仕事。
言いたかったけど、言葉できていなかったことを言語化する仕事。

コピーライターとライターを一緒くたにして語っていますが、その本質は同じです。その文章を世の中に発信する価値を考えた上で、書ける人には仕事が来ます。

そして、その仕事はオンラインで始まり、オンラインで完了することができるのです。

「ノマドやフリーランスを目指す人」
「海外フリーランス・ノマド」「旅して生きる人」にとって、海外で就職する術がないから、ライターをやるという背に腹は変えられない選び方をしている人もいるかもしれません。

でも、確実に言葉には人を動かす力があります。そして、リモートワークを可能にする仕事です。

ぜひそんなライターを目指して、より自由な働き方、生き方を目指してみてください。このnoteが誰かの励みになりますように。

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