食文化は、お母さんやお父さんから。
「ママ、ごはんが見つからないの。一緒に探してくれる?」
朝食ブッフェで、スクラブルエッグと焼かれたソーセージ、そしてちょっとフルーツサラダがのったお皿を手にした娘が、私の側に立って言った。子どもとの長い休暇は、いつも日本だった。だから、いつも、ごはんがあった。娘にとっては、これが初めての、ヨーロッパのホテルで過ごす休暇だった。
昔、職場で、あるダイエットが流行っていた。日本食ブームがヨーロッパに来るずっと前、20年ほど前の話だ。味付けを最小限にして、食材の味を楽しむダイエ